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まちのお医者さん(家庭医)として東京と栃木を行ったり来たりしている。 家庭医療学、医学…

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まちのお医者さん(家庭医)として東京と栃木を行ったり来たりしている。 家庭医療学、医学教育学を経て、人類学を学んでいる。 「私たちは、いかにして生きて/暮らしていけばいいのか」を、暮らしの現場から考え実践し続けていたい。

最近の記事

コミドク、近況。

コミュニティドクターフェローシップ、一歩一歩、進んでます。 2023年4月から新メンバーでスタートを切った、コミュニティドクターフェローシップ。「地域コミュニティの人々とともに(しあわせ)をつくるドクター」であるための学びあいのプログラムです。 東京、軽井沢、福井、(秋田、岐阜)でメンバーそれぞれがコミュニティとの接点をつくりながら、毎月の振り返りとレクチャーを進めています。 自身も東京ー岐阜でコミドクとして活動しながら、プログラムの運営として試行錯誤しています。 コ

    • ダンスとチーム医療

      よーよーです。 東京-岐阜を中心にコミュニティドクターとして地域医療や医療者教育のしごとをしています。 先日、体奏家の新井英夫さん、板坂記代子さんによる、高校生(医学コース)向けワークショップにアシスタントとしてご一緒しまして、そこでの学びが深すぎたので思わずnoteを書いています。 新井さんは約12年前にわたしがワークショップデザイナー講座を受けた時の先生のお一人です。体験したワークショップは10年以上経っても鮮明に覚えていて、わたしにとっては憧れの人。昨年、こちらの高

      • 秋田で集落づくりするドクター?

        コミュニティドクターのうるしー。 東京で一緒にコミドクを立ち上げて、秋田へ移住して。 市場に出店してたとかと思いきや、今度は集落/家をつくるらしい。 うるしーが仲間とどこまで行くのか、見届けたくてクラファン参加しました:-) #READYFOR #クラウドファンディング

        • 都市の総合診療医/家庭医の役割ってなに?

          お知らせ 都市の総合診療医/家庭医のコンピテンシーリストを明らかにした研究論文が、2023年1月19日にBMC Primary Care誌に掲載されました。 概要 都市化が進む現代において、都市にすむ人たちの健康問題は日本だけでなく世界的なトピックです。都市の医療の担い手の一つである家庭医・総合診療医はどんなことをしているのか、どんな役割を期待されているのかに関する知見は不十分でした。そこで私たち研究チーム(密山、孫、菊川、江頭)は、修正デルファイ法という文献レビューと

        コミドク、近況。

          "家庭医療はいまだ社会的変化をもたらすことができるか?" 〜カタリスティック・イノベーションと家庭医療〜

          医者としては家庭医療を専門にしているよーよーです。 都市のプライマリ・ケアについての論文を書いているのですが、途中でちょっと気になった文献をちょっとメモしておこうと思います。(という名の現実逃避) 「家庭医療はいまだ社会的変化をもたらすことができるか?」 煽るようなタイトルですが、2007年にFamily Practice Management誌で編集者のRobert Edsallが、ハーバード・ビジネスレビュー誌でClayton M Christensenの論文を受けて

          "家庭医療はいまだ社会的変化をもたらすことができるか?" 〜カタリスティック・イノベーションと家庭医療〜

          塩漬け論文の解凍術ーお役立ちサイト ・科学論文における時制の使い分け  editageさんのHPより。  https://www.editage.jp/insights/the-secret-to-using-tenses-in-scientific-writing

          塩漬け論文の解凍術ーお役立ちサイト ・科学論文における時制の使い分け  editageさんのHPより。  https://www.editage.jp/insights/the-secret-to-using-tenses-in-scientific-writing

          塩漬けにしていた論文を掘り起こし、書き方も大学院時代の記憶を呼び覚ましながら作成中。 ・FamilyMedicine誌のELEMENTS OF THE MANUSCRIPTが  論文にどんな内容を書けばいいかまとまってる。  https://journals.stfm.org/media/3713/2021-fm-authors-instructions.pd

          塩漬けにしていた論文を掘り起こし、書き方も大学院時代の記憶を呼び覚ましながら作成中。 ・FamilyMedicine誌のELEMENTS OF THE MANUSCRIPTが  論文にどんな内容を書けばいいかまとまってる。  https://journals.stfm.org/media/3713/2021-fm-authors-instructions.pd

          連休つかって、医学教育の論文執筆中。 教育の評価について。公平・正確に評価できているか(信頼性)、と評価したいものを評価できているか(内容妥当性)、いつも混乱するけど、この記事の図がわかりやすい。 https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/old/old_article/n2003dir/n2550dir/n2550_05.htm

          連休つかって、医学教育の論文執筆中。 教育の評価について。公平・正確に評価できているか(信頼性)、と評価したいものを評価できているか(内容妥当性)、いつも混乱するけど、この記事の図がわかりやすい。 https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/old/old_article/n2003dir/n2550dir/n2550_05.htm

          団地散歩のエスノグラフィvol.1

          2021年の都内団地での地域活動は、「散歩」と決めた。 団地暮らしの「専門家」について、彼らのなじみの道を一緒に歩き、身体とことばと空間を共にしてみる実験。向かい合って聴く対話でなく、傍(かたわ)らで聴く傍話とでもいえるだろうか。路傍というのもいい響きだ。 医療者として地域の集まりに参加しづらくなった2020年の経験から学んだ、感染対策もばっちりだ。 私自身が陥っている深刻な運動不足の対策にもばっちりだ。 「ちょっと散歩しませんか」なんと誘いやすいことだろう。 さっそく

          団地散歩のエスノグラフィvol.1

          ビーガニズムから学ぶコミュニティケア

          週末に数年ぶりに近所のカフェへ。 亜紀書房の「たぐい」Vol.3 ティム・インゴルド特集をお供に。 私自身が人類学として中心に捉えているインゴルドは、人類学を「世界に入っていき、人々ともにする哲学」と定義している。(インゴルド 2020:9) 他者から学びいかにして生きるか、を問い続ける実践としてのインゴルドの人類学は、医師という仕事をしながら「コミュニティとケア」を考え実践することを主題にしている私にとっても、あるいは関心を重ねる同志にとっても大いに示唆を与えてくれると

          ビーガニズムから学ぶコミュニティケア

          「だれ一人取り残さないコミュニティをつくるは?」〜ケアまち会議ダイアローグセッションから。

          2019年8月に兵庫県豊岡市で開催された「ケアとまちづくり未来会議」。 まちづくりに関心のある医療専門職を中心に、建築とアート領域の人々を巻き込んで、それぞれの考えや思いを「表現できる」場として開催されました。 盛りだくさんのセッションの中で、 ファシリテーターを務めた「ダイアローグセッション〜ケアとコミュニティ」を振り返って見ようと思います。 ダイアローグセッションは、コミュニティですでに一歩、二歩と踏み出している三人のゲストとともに「ケアとコミュニティ」について対話

          「だれ一人取り残さないコミュニティをつくるは?」〜ケアまち会議ダイアローグセッションから。

          【メモ】ケアとまちづくり未来会議in豊岡

          【ケアとまちづくり未来会議in豊岡】 8/24、25と豊岡市にて、ケアとまちづくりに関心のある人たちがごちゃ混ぜになって、未来へつながるなにかを生み出す、ケアまち会議終了。 運営側、ファシリテーターとしてこの場に関わっていた。 この場が何を生み出したかについて、現時点での断片的な印象を残しておきたいと思う。 ・「ケアとまちづくり」という境界不明瞭なテーマを掲げた場に医療、建築、アートを中心に様々な背景をもつ人たちが集えたこと。 ・集った人たちは、普段は様々な

          【メモ】ケアとまちづくり未来会議in豊岡

          空想地図から考える、医療とまちづくり(1)

          「空想地図」をご存知でしょうか。 空想地図作者の地理人さん、こと今和泉(いまいずみ)さんの講演会@日比谷図書文化館に参加してきました。 地理人さんの話を聞きながら、自身の関心である「医療とまちづくり」を考えてみました。 地理人さんは、実際には存在しない架空の都市の地図を幼少期から作り続けている、というかなり突き抜けた方ですが、 先日偶然に根津の町でお会いして以来、彼の空想地図という行為がずっと心に引っかかっていました。 わたし自身は、正直これまで地

          空想地図から考える、医療とまちづくり(1)

          「外国人」のこまりごとが、全ての人にとって暮らしやすい街をつくる、かも。

          第34回フミコムcafe「外国人が『地域社会でくらす』ということ」 こちら、参加してきました。 現在は、日本全国で256万人の外国人が暮らしています。 (私自身の研究テーマでもある)大都市のプライマリケアを考える上でも、 まちづくりと健康づくりを考える上でも、まさに主題のひとつです。 これから個人的に、臨床、教育、研究、地域活動全てにおいて統合的に取り組みたいテーマの一つです。 講師の原田さん(ぶんきょう多文化ねっと)。 普段20人程度の会に、参加者60人超え。 入管法

          「外国人」のこまりごとが、全ての人にとって暮らしやすい街をつくる、かも。

          「その日暮らし」の人類学ーもう一つの資本主義経済、を読んで(ミニ読書感想文)

           「将来、いい大学に入るために、今は遊ぶのを我慢して勉強しなさい」よく聞く言葉だし、僕もそのように「今」を犠牲にしてやってきて、医者という仕事にありついている。  大学の次はなんだろう。いい仕事につくために、いい暮らしができるために、いい老後を迎えるために、いい死に方ができるために...。僕たちは常に少し先、を見て生きていくことがデフォルトになって、今この瞬間をどれだけ楽しむことをつい忘れてしまいがちだと思う。実際に、最近の僕の頭の3割くらいは、来年までに博士論文を仕上げ

          「その日暮らし」の人類学ーもう一つの資本主義経済、を読んで(ミニ読書感想文)