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C1.青と水色の話(Inst)

どうも。杜野凛世学会色相部所属のTK(@TK_HoCliP)です。

杜野凛世、プロデュースしてますか~?
彼女のコミュを読むと印象に残ることの一つとして、色の描写があります。
その中でも本noteでは「水色」に注目してみます。

以下、常体。

れっつごー
色と言ったら【さよならごつこ】でしょ

・色の分析

水色について考える前に、前提として他の色についての私見を述べる。

1.主要な色について

凛世のコミュにおいて、主要な色は赤、青、緑の三色である、と考えている。まずはこれらの持つ意味について説明する。
赤は少女として想いを寄せる凛世である。
青はアイドルとしての凛世、もしくはプロデューサー自身である。

【さよならごつこ】『南天』より
凛世は、プロデューサーを追いかけてアイドルになった、という描写が多いことから、
空と南天がそれぞれプロデューサーと凛世に例えられていることが読み取れる。
【われにかへれ】『むらさき』より
単純に食べているかき氷の色と一致している。

緑(正確には常磐色)は永遠の象徴である。

【さよならごつこ】『常磐』より
姉から貰った常磐色の簪は刺さなかった。
今という一瞬を楽しむ凛世らしさが描かれている。
【染光満月】フェス衣装
常咲の常磐
常がめっちゃ多い。

2.その他の色について

上記の三色を主要である、とした理由として、コミュ内で名前が出てくる色であること以外に、光の三原色であることがあげられる。

光の三原色とは、赤青緑の三色のことであり、これらの光の割合によって全ての色の光を表現することが可能である。この要素が表れている一例が【われにかへれ】『むらさき』である。

【われにかへれ】『むらさき』より

これはプロデューサーとのツーショットを撮りたい、という我儘を断られたシーンの直後である。謙遜の過ぎたプロデューサーがかえって凛世を傷つけてしまうのである。
赤:青:緑=1:1:0で混ぜることで紫(正確には赤紫)となることを踏まえると、想いを寄せるプロデューサーと身も心も混ざり合ってしまいたい、という凛世の想いを表現したのが紫であると読み取れる。

【われにかへれ】『むらさき』より
直前では混ざり合うことへの恐れを語っている。
本心では混ざり合いたいとは、まだ思っていないようだ。

・水色について

さて、上を前提とすれば、コミュ中で色の名前を出して言及される水色が、純粋な青ではなく、赤:青:緑=0:1:1であることにも意味があると考えられるだろう。以下、水色という表現に含まれるアイドルとしての凛世もしくはプロデューサーの要素の何れかと、永遠の要素を紐解く。

1.【水色感情】における水色

本カードタイトルの「水色」がフランスの曲である"L'amour est bleu"の和訳である「恋はみずいろ」から来ていることはコミュ中からも明白である。

【水色感情】『A2.恋は何色(R.Morino)』より
Doux, doux, l'amour est doux らしい。

さて、本カードの4コミュ目である『B2.人の気も知らないで(Inst)』ではプロデューサーがある曲の名前を思い出せないところから始まり、その後、部屋に迷い込んだ水色の蝶を凛世と逃がす時、その曲が凛世とカフェで聞いたレコードの曲(文中でその音は「んーんーん」と書かれる)だと思い出す様子が描かれる。
以下窓から蝶を逃がすシーンの選択肢以降の引用である(原文に含まれる回想部については省略している)。

───窓から放そうか

「はい……」
「ほら……お帰り……」
……閉めとかなきゃな また迷っちゃったら、かわいそうだ
「はい……」
「きっと……迷いたいときも……あるのでしょう……」
「……いえ……」
ああ……うん、確かにそういう時もあるかもしれないな
でもやっぱり、帰してあげなきゃ
「……帰して…… はい……」
(んーんーん……)
なんだろうな……
(なんでこれ、耳から離れないんだろうな)

───驚いてるかな、この蝶

(前略)
それっ 行ったか……?
「はい……」
「蝶は……月を頼りに飛ぶ……」
ん?
「凛世も……同じような……心持ちでございます……」
「プロデューサーさまの……お導きが……あればこそ……」
はは、そうやって言われるくらい役に立ててるといいんだけど
(凛世、不思議だよ)
(俺は時々、逆みたいに感じる時があるから)
なんとなくもの悲しい曲だよな
「……?」
あ、いや……いい道案内しないとなって
な?
(後略)

───なんて蝶かな?

(前略)
え?あ、すまん じゃあ、名前付けちゃうか!
「……ふふっ 名前を……?」
うん 『ミズイロアゲハ』とか、どうだ!
「みずいろ……あげは……」
「美しい……名前でございます……」
「みずいろ……あげは……」
水色っていうより、ブルーって感じなんだ……
凛世……
プロデューサーさま……?
……ああ はは、何度もごめんな
それじゃ、そろそろさよならしようか
「……はい……」
(……あれ)
(また鳴りはじめた)

まず、二つ目の選択肢で凛世が蝶を自分と重なていることから、ここにおける青はアイドル凛世を示すと考えるのが妥当である。このことから、水色はアイドルの凛世が永遠となることを指していると考えられる。
次に、全ての選択肢について、プロデューサーが蝶を逃がそうとしていること、一緒に聞いたレコードの曲について、「耳から離れない」「また鳴りはじめた」「なんとなくもの悲しい」と述べられている。レコードの曲の曲名に「みずいろ」が含まれることを踏まえると水色の蝶とレコードの曲は同じようなものとして扱われている。

以上より、ここではアイドルの凛世が永遠となる(≒このままアイドルを続けていく)事への寂しさが描かれている、と読み取れる。
だが、このままでは漠然としすぎており、凛世をトップアイドルにしようとしている人間が何故担当アイドルが永遠となることを寂しく思っているかが見えてこない。
そこで反対に、水色には赤の要素が含まれないことを利用して考えてみる。

赤がない、則ち「想いを寄せる」ことの欠落について特に注目したコミュにGRAD,LPがある。
自分は、GRADでは杜野凛世というアイドルが、表現したいという欲がないと言われたことに葛藤する様子、LPではその欲が「プロデューサーに見てもらいたい」という気持ちであることに気付く様子が描かれていると考えている(以下のnoteに具体的な自分の思考を記している)。

これを踏まえて水色は、表現したいという欲に気付かないまま、凛世アイドルを続けることへの寂しさであるのではないか、と考えた。

話を【水色感情】に戻す。
三つ目の選択肢では水色の蝶に対して「水色っていうより、ブルーなんだ」とプロデューサーが思っている様子が描かれている。彼の視点では水色から緑が欠け落ちて見えていることから、このままでは永遠たり得ないと考えている様子が読み取れる。

以上のことから、欲に気付かない状態はアイドルを続ける上で困難となり、そんな現状をどこか寂しく思っている、と考えた。
ここまで来ると結論ありきにはなってしまうが、ここでの水色という表現は今後、欲と凛世が向き合っていくことへの指し示しであったのではないだろうか(そもそも緑が永遠、という情報自体が時系列的に後のコミュからの話になっているのだが…)

2.『常咲の庭』における水色

もう一つの水色はソロ曲にある。以下その部分を抜粋し考察する。

ひと ふた
吹雪けど盛り 積もる水色の桜

『常咲の庭』杜野凛世(丸岡和佳奈)

まず「吹雪」く、という表現について考える。
吹雪く、とは文字通り吹雪が降りそそぐという意味であり、逆境や苦境を表現していると。凛世のコミュにおいて逆境・苦境は進むための前段階として描かれる。

G.R.A.D.『he』より
自分を見つめるという逆境を超え、欲の存在に気付いた。
会えないという逆境を経て、初めて強く会いたいと思えた、とも考えられる。
【晩秋ろまんす】『寒さをこらえ』より
しばらく会えない、という逆境を超えより相手を強く想うようになった。

その中で盛りそして散る水色の桜は、【水色感情】の項で述べたようにアイドルとして永遠たり得ないものであった彼女の比喩であると考えられる。

そして、桜は散った後に青々と茂る緑の葉を出すものである。この歌詞は、苦境を経て進んだことで、永遠に近付いていく凛世を描いた歌詞なのではないだろうか。

・終わりに

(以下敬体)
ここまで長々とありがとうございました。
なんか公式のnote企画のやつ書いてないな~とおもって締め切り直前に思いついたテーマで書き始めたので、雑なところありましたら申し訳ないです。

わりかし青と水色を同じものとして読んでる人が多いし、自分もそうだな~、となっていたためこのようなnoteを書こうとした次第です。わざわざ色を分けて書いているなら何か意図があるのかな、と考えたいですしね。
まだ水色に含まれる緑の所がブラッシュアップできそうだな、と思っています。

それではまたどこかで~

おわりんぜ
黄色は赤と緑だよね、みたいな話もあるけど直接出てくるわけじゃないので妄想の可能性が高い。

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