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(日記)日本列島ヌンジャの旅

 12月ごろは諸般の都合で遠出が多かったし、各地にサツガイ=サンとかアヴァリスとかを勝手に見出して勝手にヌンッとした気分になっていた。


2023.12.3

 9月、ハウステンボスの入場券が割引というので買った。期限が12月30日までなのを忘れてうっかり12月に入り、冷静になってカレンダーを見ると、その時点ですでに12月10日しかまともにいけそうな日がなかった。やばくないかと気づいたのは12月3日。特に混みそうなクリスマスや年末を避けると後の土日が全部埋まっている。

12/4から12/22まで一度も家でくつろいでない

 12月4日の週は普通に忙しいので休む暇はなく、9日は諸事情で一日中ふとんを圧縮したり物を運んだりする。その翌日にあたる10日が一日外出だとそれ以降は出張とかが繋がってしまい、ふつうに寝坊とかできる「休む日」が12/23まで取れない。でも券があるからには行きたい。大失敗旅行になったとしても旅行しないよりは万倍楽しい。行った。

2023.12.10 長崎

 福岡-ハウステンボスはバスがある。2時間くらいで着くから朝9時に乗れば11時にはもうオランダ領。

あゝ長崎は今日は晴れだった

 少し前に手に入り、今回たまたま地の利を得た真のうさちゃん・布ミッフィー氏がとんでもなく輝く。極めてのどかな運河や風車を抜け、そびえたつ塔に登って展望を楽しむ中、それはあった。

これは布サツガイ氏
ハッポースリケンやんけ

 ハッポースリケンだろあれ。よりによってドムトールンに登らないとなかなか気づきにくい所に八芒星がある。まさかハウステンボスにもニンジャの闇が迫っていたとは。

 その後なんやかんやで晩ごはんまで食べ、クリスマスゴスペルショーとか人工雪とかを存分に満喫してからさあ帰ろうと出口方面に向かうと、そこにもう一つ真実があった。

ハッポースリケンやんけ(2)

 八つの刃がランダムに飛び出した特異なスリケンだ。もしかしたらオランダにもサンズ・オブ・ケオスの息がかかっていたのかもしれない。ただでさえかなり楽しいハウステンボスが、謎のハッポースリケンで更に面白くなったのは言うまでもない。

2023.12.15 八王子

 ハウステンボスから戻ると夜11時前くらいだったが、寝て起きるとすぐ日常業務そして出張。翌日11日はさすがに半ドンにして多めに寝たが、その次の12日には朝6時とかに空港でおにぎりを食っていた。

 出張先、東京は八王子。東京は東京でもかなり西部のためちょっと行けば相模湖、そして山梨県だ。そんなら富士山でも行くかと思って、出張終了後の休日に西へ行く計画を前から立てていた。

 気分よく土日するためにも出張自体はスムーズにやりきった。終わったのは金曜15日の午後。さすがにそのまんま山梨に行くのも八王子への礼儀がなっとらんのでどっか寄ろうと思い、多摩御陵に行く。

お墓を至近距離からバシャバシャ撮影する気は起きず、池に映して観月する感じで行く

 並木が立派すぎてまずテンションが上がる。普段スギなんて製材目当ての頭でっかちな枝落とし物しか見ないからこれは嬉しい。庭師の人々と警備員の人々、走ってる地元のおじいちゃんくらいしかいない。平日に一人でスーツにキャリーケース持ってる天皇陵参拝者は冷静に考えてやや怪しいのもあり目立っていた気もするが、そもそも空間感とかスケールが世間と違い過ぎて警備員さんの目は一切気にならない。まさに静謐という感じ。

 そして白木鳥居がよかった。よくある二本足の鳥居はざっくりいえば神明鳥居(直線的でシンプル)と明神鳥居(反りや広がりがあって装飾的)の2系統に大別されるが、白木鳥居は神明系の極致ともいえる。角材にされた部分すらなく、ただそこにあるのは丸太が4本。ごく静謐な空間にかなりでかい白木鳥居があるとそれはそれはかっこいい。原始的な形状に強烈な迫力が宿っている。個人的にはダントツでこの形が一番美しい鳥居だと思う。

 鳥居を見ると毎回サツガイ=サンの参考になるなあと思うが、今回は特に参考になった。白木鳥居の樹皮を残して、もはやただ伐っただけの木を4本組んだ様式の鳥居がある。黒木鳥居という。黒木は樹皮感があるだけですでに抜群にかっこいいが、形状をかっこよく描くには丸木っぽさの強調が不可欠だと再認識できた。こんどサツガイ=サンに黒木鳥居を一丁描いてさしあげねばと思った。

 無事に八王子もやったので山梨へ向かう。よく聞く中央本線がどこまでも伸びていてびびる。河口湖方面に乗り換えると観光客ばかりになる。電車から見る富士山は雲に包まれていたが、富士山駅に着くと少し晴れた。初めて見る富士山だった。

 宿には温泉があり、近くにほうとう屋さんもあった。財布だけ持ってほうとうと冷酒をいただき、温泉の露天で星とかを眺め、ベッドでゴロゴロしながら山梨ローカル天気予報を見ていると、とても午後まで働いていたとは思えない。出張後に爆速急角度で吹っ飛ぶタイプのひとり旅からしか得られない栄養がある。

2023.12.16 山梨

 富士山といえば玄武岩と樹海、あとニンジャ大戦の戦場だ。サボターとかズンビーとかもだが一旦置いておく。個人的にはカツ・ワンソーのイメージが強い。以前アヴァリスが繁茂させた植物を勝手に推定したときも、富士の溶岩流上植生が大いに参考になった。寒く土壌の薄い環境はネオサイタマの環境条件に近い。アヴァリスの実質的な故郷であるオクダスカヤーノフ(ウクライナ)とも近縁種のつながりがある。

 というわけで、一度は青木ヶ原溶岩流上の植生を見たかった。せっかくなので五合目にも行く。道中に思いっきりアカマツ林があり、相当テンションが上がる。普段ヤブツバキクラスの照葉樹林ばかり見ているからとにかく面白い。カバノキ類までいる。土壌も薄くて楽しい。

多分山中湖

 河口湖駅からバスに1時間乗るともう五合目。バスでも(まさかあれはウダイカンバ!?)とかやってたせいで体感一瞬。五合目は風が強かった。森林が疎になってくるとどうしてもえげつない風が吹き、愉快な気分になる。たぶんアヴァリスが宇宙進出しかけたときも樹上はとんでもない強風だったろう。

噂には聞いていたがマジで表土が薄い

 五合目メロンパンも食って麓に戻り、樹海真っ只中にある富嶽風穴と鳴沢氷穴を見る。地下空洞自体の楽しさもさることながら、玄武岩のかたまりがまだまだかたまりで残りまくっている事実も体感できる。そう簡単に風化してたまるかという頑固親父のようなテイスト。降り口から水平に周囲を見渡せば、森としてはごく若いという樹海の雰囲気がよく見て取れる。こんな貧弱な土壌でやっていく木々どもの逞しさが嬉しい。

 その後はうどん食うつもりで入った店のうどんが売り切れててまさかの連続ほうとう人間になるなどしたあと、17日朝にバスで東京へと戻り、飛行機で帰った。

2023.12.30 博多

 ちょっと前に、ケモビール作りの面子でニンジャスレイヤーTRPGをした。ニンジャを作ってトレーニングを終えるところまで。naggyさんのコーヒー秘密アジトにはTRPG用のダイスやルルブもたくさんあるのだ。

 その後、どうみても福岡ウキヨエ勢だった縊鬼さんがTRPGのことを呟いてたのでエイヤで会にお招きしてみた。初対面でいきなりTRPGもなんだし、まず食事でもして打ち解けようという魂胆で集まることになった。それが12月30日だった。

 博多に集合。5人でトットちゃんを見て(大傑作)、稀川さんが発見してくれたお寿司屋さん・コトブキツカサに入店。ネオンスシ看板もかわいく、店名にコトブキちゃんもおり、そもそも漢字を訓読みさせる感じもなんかニンジャっぽい。全員で初手芽ネギを食う。この時自分には、ヘッズの集まりでぜひ聞いてみたいことがあった。糸静線サツガイ=サンの視認性についてだ。

 産総研地質図naviで糸魚川-静岡構造線らへんを見るとサツガイ=サンがいる。安山岩が黄色系の塗り分けだからちょうどそうなる。ほとんど長野県がポンチョ部分で、野沢温泉あたりが頭、諏訪湖が帯留めいた位置にあってオシャレさも醸しつつ、糸静線がそのままウエストのライン、背中が若干群馬県、赤石山脈が袴状のお召し物。

おわかりいただけただろうか

 サツガイ=サン有識者会議(個人開催)ではよく知られた小ネタだが、これは実際一歩客観的に引いた目線でも見えるやつなのか?星を見て自分の星座を描いているだけなのか?というのが確かめたかった。

 というわけで聞いてみたら、びっくりするくらい首を傾げられた。津々浦々くんだけはいつも推し方がパワフルですごい、とフォローしてくれたものの、それはさておき冷静な人が見るとフォッサマグナ西端は全然サツガイ=サンではないらしい。そうか?

 にしても確認が取れてよかった。あまり冷静ではなかったらしい。星を見てワイワイするのもいいが、ひとりで星々を勝手に星座にしていく感じは性に合う。なお、県境が地形境に引かれているおかげで最近は長野県の形状だけ見てもサツガイ=サンが見えるようになってきた。ほどほどにすべき。


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