今年の目標 : ノイズを減らすために、理解に時間をかける
年末年始で、『NOISE』という本を読んだ。
この本は、均一な判断を下すことが前提とされる専門的組織において、判断のばらつき(= ノイズ)が生じるのはなぜか?という問いに向き合った本。バイアスだけでなく、ノイズも減らす仕組みをつくることが大事だと書かれている。
企業の人事評価、医師の診断や裁判など、プロの一貫した判断を期待するシーンであっても、実はさまざまな要因によって判断がブレてしまう(そしてその打率は平均にすら敵わない)という事実を知ったとき、共通認識を持つためのチェックリストやガイドライン、ルールをつくることの重要性を改めて感じた。
言語化できない = 都度判断している
自分だけで完結するときはつくっていたが、チームでの場合はつくっていないことが多かったため、今、判断のブレを起こさないチェックリストを考えたり、これまでやってきたことを社内Wikiにまとめたりしている。
そのたびに、言語化を疎かにしていたことを痛感している。なぜなら、「これまでの経験を元に、都度判断していた」という事実を突きつけられているからだ(まさにノイズの温床!)。
この本の中でも、直観を働かせることは悪いとは書かれていない。しかし、直観に頼った判断をすると、何かの拍子があったとき、判断がブレてしまう。その判断が毎回微妙に異なるため、前回の判断を思い出す or 探すのに時間がかかってしまう、という悪循環が起きていたのだ。
そんなことを考えながら、「自分の仕事を他の人に任せたいけど、任せられない」と言うことが多かったなと反省した。この言葉はつまり、その仕事に対して言語化ができていないことの裏返しだと気づいたからだ。理解が甘いから、人に説明ができない。
本に書かれていた、以下6つの「ノイズを減らす原則」を通して、自分の仕事のスタイル自体も見直したい。
判断の目標は正確性であって、自己表現ではない
統計的視点を取り入れ、統計的に考えるようにする
判断を構造化し、独立したタスクに分解する
早い段階で直感を働かせない
複数の判断者による独立した判断を統合する
相対的な判断を行い、相対的な尺度を使う
総合的な判断にはブレが生じる。だから、個々の判断を独立させ、複数人で判断し、最後に判断を統合させるのが順番としてよいとされている。(正直、本を読まずにこの原則を読んでもよく分からないと思うので、手っ取り早く方法を知りたい場合は下巻を読むのをおすすめします)
今年は「理解に時間をかける」を実践する
以前読んだ牛尾さんのnote記事で、こんな箇所がある。
「どうやったら早くできるか」という思考も大事だが、今年は、それ以上に「どうやったら理解できるか」も大事にしたい。僕も牛尾さんのように、すぐに判断せず、理解することに時間をかけたいと思う。
その先の結果として、言語化できるようになったり、チームの仕事スピードも向上することにつながったりするかもしれない。
今年は、理解度を上げるために、いろいろやってみようと思う。
わかったことを誰かに話してみる
やってきたことを定期的に洗い出ししてみる
文字にまとめてnoteに公開してみる
同じ判断が複数回行われる場合はチェックリスト化する
今年の目標として、「ノイズを減らすために、理解に時間をかける」というスタイルでやってみようと思う。
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