田舎に必要なセミ無職と課題【援農・農業】

職業柄といいますか、日本各地で援農をしていたら「人を紹介してほしい」と声をかけられることが多々あります。

農家さんからはもちろん、援農先で知り合ったワーカー同士で情報を回し合うことも。ただ、それぞれに事情があるのでそう簡単にはマッチしません。

援農って、基本的には都会出身の若者が多いんです。わたしみたいに、田舎出身なのにわざわざ別の田舎に行っているケースもありますが、肌感覚的には都会出身がほとんど。

ただね、思うんですよ。

この状況って、毎年農家さんが求人でヒヤヒヤしないといけない。しかも毎年人が変わるなら、仕事を教えないといけない。結構な労力です。

セミ無職(複業家)

本当は近くにセミ無職みたいな若者がいて、付近の地域の農家さんを転々と手伝うみたいな存在だったら助かるだろうなって。

援農は他県からの移住に繋がることもあり、中には新しい人との交流を楽しみにしている農家さんもいます。それはそれでいいんですけど、セミ無職が居るとバイトリーダー的な感じで指導役を任せることも可能でしょう。

実際のところ、田舎には「新聞配達や農業法人に務めつつ、個人農家さんの手伝いもやっている」みたいな人もちらほらいらっしゃいます。セミ無職と呼んだら失礼ですが、いわゆる複業ですよね。

こういう都合のよい存在はやっぱり必要なんですよ。


課題はやっぱり…

ズバリ、一番の課題は「お金」ですよね。

どうしても農業バイトの相場って、900~1,100円くらいなんですよ。若いうちならいいですけど、結婚して子どもできて…となるとだいぶ厳しい。農家さんが悪いというわけではなく、どうしても現状の作物の相場的にそうなっちゃう。

結局のところ、どこかに正社員として務めたり、自分で農家になったりと、セミ無職のまま生きていくわけにはいかなくなります。

これでは、チェーン店のバイトと同じこと。援農(農業バイト)だけで食っていくことはまず不可能です。

ちなみに、あの大手スーパー「イオン」が手掛ける農業法人の年収は240~350万程度でした。福利厚生があるので何とも比較はできませんが、年収240万円なら、週休2日・8時間定時だとして時給は1,200円ほど。

びっくりですよね。時給1,200円でも年収240万円しかないんですから……。

もちろん、人生はお金だけではありません。田舎ならそこまで年収が高くなくても生きていけます。

それでも、時給は高いほうが豊かだし、やりがいのひとつにもなりますよね。援農だけで食べていく方法、どうにかできないかぁ……。



この記事が参加している募集

仕事について話そう

いつもありがとうございます。 また読みにきてくださいね(^^)