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「ごめんね」 よりも 「ありがとう♡」

「日本文化は 謝る文化」って聞いた事ありますか?

北米に住むまでそれに気づかなかった私。

 「すみません」 という謝りの言葉が「ありがとうございます」というお礼の言葉 にもなって 、日本人の会話には本当に  「すみません」 が良く飛び交う。

まだ子供達が小さかった10数年前、近所に住む台湾人の友達にベビーシッターをお願いしたり、 他の頼みごとさせてもらった時など 「ごめん、ごめんね」 とよく謝った。

 私にとっては、 「すみません」のように〈申し訳ない〉という気持ちと〈感謝〉の気持ちの両方を兼ねて言っていたつもりだけど、 彼女にとってはスッキリしないものがあったみたい。

ある日彼女に「なんで いつも謝るの? 謝られるの、 変。」 と言われた。

そう言えば、 英語ネイティブの方達にも 「No need to say sorry.」 と言われるなぁ。初めて自分がいつも謝っていたことに気づいた。

あれは 「You're welcome.」 という意味ではなく、 本当に 「謝る必要はないんだ」ということを言いたかったのね、ということにも。


先週、ホームステイのホストファミリーをしているカナディアンの友達に、 ホームステイ で寄宿している日本人の女の子の 近況を聞いてみたら、 

「 彼女自分に自信ないの。」と自分のことのように心配していた。

 「日本本場の味の照り焼きチキンを作ってくれて、本当に美味しくて『美味しい!』と褒めても、『イヤイヤ』って自分に自信ないんだよね。」

それを聞いて私は ピーンと来た。

「それは 彼女が自信がないんじゃなくて、多分文化の違いだよ。 日本は謙虚を重んじる文化だから 公に自分の作ったものはすごく美味しい、とか言わないんだよね。」

と言うと、彼女は「なるほど、そう言われればその方が筋が通るかもしれない 。」と納得。


「 つまらないものですが...」
「 至らない息子ですが...」
「 美味しいかどうかわからないけど...」


こんな一言を添えて 私たちは日本語を話す。


言葉は文化の一部で、もしその点に気づかずにいたら、英語でのコミュニケーション も ぎくしゃくしてしまう。


「つまらないものですが...」

 ... なのにくれるの? 


「至らない息子ですが...」

親がそんなこと言っちゃダメでしょ! 子供が可哀想…


「美味しいかどうかわからないけど...」

 でも心を込めて作ったんでしょ? だったらいいじゃん!


というふうに解釈、強いては批判されてしまう可能性だってある。


2週間前、私が体調を崩したので、 息子の通っている小学校の先生たちが (私の同僚でもあるけど)、  一週間 交代で家族全員分の夕食を作ってくれた。

ホームメイドの美味しい料理が 毎日届く中 ある先生が「 私が準備したのは手料理じゃないんだ。 パイだけは自分で焼いたけどね。」(ちなみに、昔の私なら、手料理ではないことを謝ってただろう。(笑))

この、先生が焼いたというパイ、 実は、見た目もあまり食欲をそそられるものではなく、 主人も私も一切れ食べて、残りは手をつけられなかったのだけれど、それでも、この先生は自信を持って、「自分が焼いたんだ」と伝えてくれた。

( 決して批判しているわけではなく、例として描写させてもらっただけで、もちろん 心から、この先生に感謝してます!) 


自分がしたことは、堂々と自信を持って明示する。

こんな文化に慣れてきたので 私も褒められたら、 素直に

「ありがとう~♡」 

「嬉しい〜♡」

「良かったぁ〜♡」

と言えるようになった。


「すみません」と「ありがとう」のほかにも、文化の違いで「?」となってしまった経験は数えきれないほどある。

自然な英語を話したいのなら、 言葉だけではなく文化も理解する必要がある、 改めてそのことを痛感した。


今度褒められたら、素直に「ありがとう♡」と言ってみよう。

誤解を招くかどうか 抜きにしても、褒められた時に素直に
「ありがとう♡」と言う方が「イヤイヤ」と謙虚に否定するよりも、実は気持ち的にもスッキリするよ。

英語ネイティブへの道は、「Thank you.♡」の一言から始まるかもしれない。



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