v.502(or023) 2023年 8月12日 イマジネーション

調子悪くて、画面を長時間見てられなかった&文章書くのがキツかったので少し時間が空きました。


MFレンズで写真の楽しさや魅力を再発見しようじゃないか、という観点でやった記事が公開されています。

MFレンズの楽しさや、なにかに興味を持って観察・撮影する面白さ。そういったことを知ってほしいなー、という気持ちで温めていたものと、フォクトレンダーの紹介をドッキングしたもので、内容的にはまぁまぁハイカロリーとなってしまいました。

どちらかと言わなくても、情緒に訴える内容となってます。


ここ最近、コシナの回し者では?って勢いでコシナレンズを推しています。トヨタの印象として、真面目に狂った事をやってるメーカーを全力で推したい気持ちがあることについては一切否定しません。同じスペックと名称のレンズを、マウント毎に設計変えるとか、どう考えても頭オカシイでしょ?そりゃ好きにもなるってもんよ。

で、リアルな話をすると製品リリースのタイミングとインプレ記事公開のタイミング、以前から温めていた企画が動いたタイミング等が重なった結果として、怒涛のコシナ祭りとなっていますが、たまたま、です。


写真をこじらせた人間がコシナレンズ面白いって言ってる理由のひとつに、撮影距離と絞りで描写変化があるってところが挙げられます。

α7 IV + NOKTON 50mmF1.2 Aspherical
撮影距離が多分50cmくらいでf/1.2
α7 IV + NOKTON 50mmF1.2 Aspherical
至近端でf/1.2

同じレンズで同じ絞り値。撮影距離が10cm程度違うだけで、結構印象が変わります。
最新世代のレンズしか知らない人には同じレンズで撮ったことを信じられないのでは?と思うのよね。
これは光学的な特性によって引き起こされるもので、再現性があるものです。知識として知っていて欲しいというよりは「そういう事があるんだ」程度で、体験として知っていて欲しい感じ。
ちょっと滲むだけで「光」の存在をより意識出来るんじゃないかな?キリッと写ってる方が対象の印象が強い(この場合は)よね。


写真の沼に腰までハマって、もう取り返しがつかないところまで蝕まれてしまったような人は、こうしたレンズにどうしようもない魅力を感じることがあります。
ってのが、手段と選択の結果がちゃんと写真に現れるので、使いこなせたときには達成感があるし、作画意図とレンズの光学的な効果がマッチした時の気持ち良さは、とてもヤベーです。

最新レンズとは異なり、ちょっとした選択や行動の違いが結果に反映されるので、慎重に事象を観察するようになります。だって観察しないと使いこなせないんだもん。ピントを合わせる位置であったり、絞り値や撮影距離、光線状態が写真にちゃんと出てきます。
小さな気付きは知的好奇心を満たしてくれるし、極論を言えば何とっても楽しくなれるのよ。そこかしこに発見があるから。
時々「ピントを合わせるだけでも楽しい」というフレーズを使っていますが、まさにコレだね。そこかしこに発見がある。
そういう気持ち良さに対して、肯定的に手を差し伸べている、というか沼の深みに突き落とすような事をしているのがコシナのものづくりだったりもします。

どの分野にも当てはまると思いますが、楽しい事をするためには何事にもある程度の儀式が必要だと考えています。手軽に楽しみたいときもあるけれどね。でも、ひと手間あると没入感ってもんがさらに増すよね?
そのひと手間が、上質な体験だった場合には心地良さを感じるものです。レンズの場合はピントリングの操作感が曖昧だったり、軽くて思い通りに操作出来ないときにはイライラします。絞りリングについても同様だね。ジャリってしてたら積極的に操作してやろうって気が削がれてしまう。

数値化すると微妙な差しかないのだけれど、体験すると印象を大きく左右するのが「官能性」と呼ばれる分野です。そこにも並々ならぬ情熱を注いでいると製品を通じて感じられるところも良いよね。
性能は良くても、肌に触れるところがどうにも安っぺぇ製品にふれると「こいつは愛されてねぇんだな」って感じちゃうからね。
どれとは言わないけどね。

α7 IV + NOKTON 50mmF1.2 Aspherical
f/1.2ね。
フォクトレンダーは、全体的にローキーと相性が良いレンズが多い気がします。

写真の基礎(ベースって意味ね)はシャドートーンであると私は考えてるので、こうした描写を好ましく思ってますよ。だってシャドー側がペラいと安っぽく見えるからね。

長くなったので、〆に。

Z6 II + APO-LANTHAR 50mmF2
f/2.0
同じように見えますが中央部の100%表示の切り抜きでつ

比較は無いですが、NOKTONと印象が明らかに違うでしょ?
これだけ写ると、ど正面でバシッと撮りたくなるよねぇ。

レンズ毎に、そういう感じで想像力を刺激してくれるのが楽しいよ。

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