v.492(or013) 2023年 6月13日 うるとろん


X-Pro2 + Voigtlander ULTRON 27mmF2
多分f/2.2か2.6

先週は忙しくてアップ出来ませんでした。
そろそろ発売となるコシナさんところのフォクトレンダー ULTRON 27mmF2です。
インプレ原稿自体は4月末に納品済みですが、編集作業が別件が立て込んでいて全く進んでいないので、納品した原稿に書いてないことを主にパッション方面でかるーく紹介しようかと思い至りました。
本当は発売前に公開してほしかったのだけれどもね。そういう事もあるわな。

製品情報はコチラに↓

本当に残念ながら、我が愛するX-Pro2とは電気通信対応していません。
画竜点睛を欠くが如く、そこだけが不満なので、フジさんには「ファームアップで対応可能となるならば、何卒、何卒・・・」と土下座の勢いでお願いしています。

カメラに不満があるぞーって場合にはツイッタ等で不満を表明するのではなく、

↑みたいなのが各社設置してあるので、直接伝えるのが良いです。
今回はたまたまフジを載っけましたが、面倒なのでフジ以外のは紹介しませんので、各自調べてみてください。

フジはね、エライもんでちゃんと返事来ましたよ。
どういうカタチであれ、
「要望は受け取ったよ!」
って返事来ると安心するよね。

それにメーカー側としても、ユーザーから意見が届くのはとても良いことなので、情熱があれば意見を伝えてみてください。
きっと喜びます。
というか私が開発やってた時は意見嬉しかったです。だってそこ直せば良いんだもん。ユーザーからゴールが提示されるのだから簡単な話だ。

で、リアルな話をするとファーム開発って死ぬほどお金掛かります。ITエンジニアの方々であれば、首を痛めるほど頷いていただけるかと思います。作るだけならまだしも、デバッグの工数もシッカリ掛かるからね。新しい機能が他に悪さしていないかチェックするのは大変だしクソ重要なのです。それに新規開発と現行機種のアップデートでアップアップしているところに、従来機の更新をブチ込むのは大変ってことも知っておいて欲しいところです。


ULTRONとは関係のない話はここまで。
このレンズはハイパー良いです。と言っても解像ガーとかボケガーとかそういう良さではなく、撮影が非常に心地良いことが抜群に素晴らしい。
操作性で言えば、薄型なのでMFはちょっとだけやり難いというか、手のデカいトヨタには窮屈な場合があります。もし出来るならピントレバーを少し大きくしたいね。

んで、X-Pro2と組み合わせると楽しさは天元突破します。

個人的なことで恐縮ですが、体調不良(更年期障害)もあってここ1年弱くらい楽しくないのだけれども、久々に心の底から写真を楽しむことが出来ました。
「あぁこんなに写真を楽しんだのはいつ以来だろう?」って思うくらいに楽しかった。

どうでもいい話をすると(というか全体的にどうでもいいよね)、Pro2ユーザーなら分かるかと思いますが、Pro2のOVFとEVFはヘボいです。性能的にも表示の再現・品質的にも全然大したことないけど、ギミックがついててどこか可愛らしいのよ。だから、ファインダー覗いた時の楽しさや気持ちよさで言えばZ7とかのが断然良い。

でもPro2は撮ってる感じが本当に良いんだよね。それにプラスしてULTRON付けた時のPro2の佇まいの良さといったら、それはもう・・・って感じ。
写真を仕事にはしていますが、趣味でもあるので佇まいの良し悪しは、私にとって非常に重要です。主義主張とか美意識は人それぞれあるので、他を攻撃しようとは思っていませんが、高いお金払ってダセーカメラ使いたくないのよ。たとえ、それがどれだけ性能が良くてもね。

そんでもってPro2にULTRONを付けた時に「これは完成された」と直感しました。
アニメPSYCHO-PASS的に例えるなら
「お前は狡噛慎也だ」「お前は槙島聖護」
のクダリと一緒だね。
ついに出会った感がヤベーのなんのって。

あとね、焦点距離的にも丁度良かった。
いわゆる50mm画角(APS−Cで言えば35mmくらいね)が不得意で、35mm画角(同23mmくらいね)も難しく感じている私にとって40mm相当(同27mm)がバチコンと嵌りました。

嘘です。
バチコンとハマったのはスペックであって画角や焦点距離ではありません。
というか、得意な焦点距離など私には存在しません。どのレンズもそれぞれに非常に難しく、使う度に頭を抱えます。
加えて好きな焦点距離もありません。「これだ!」と思って持ち出しても、だいたい少し長いか短いかしますので、ピッタリハマることなど年に数回あれば御の字くらいの勢いです。

ということで、サイズ感と無理してないF2ってのが良かっただけです。NOKTONのF1.2も良いけどね、Pro2でスナップで遊ぶにはF2くらいが良いのよね。だってF1.2だとMF大変なんだもん。

あとね、最近40mm流行ってるから、偏屈なもので「40mmが好きだ」とアピールすることに若干の躊躇いがあります。
が、その上で、上記したことも込みで言いますが、この27mmF2はとてもシックリ来ました。というか好きです。
一応、分かってると思いますが、難しいところは何も変わっていないことについて、しっかりと明記させてくださいまし。
写真は難しいです。


あとね、Pro2でMFしてる姿の所作ってキレイです。これはM型ライカにも当て嵌まります。
というのが、背筋や呼吸を整えないとちゃんとMFって出来ないから、必然的に姿勢が良くなるという理論を展開しています。科学的には間違っているかも知れませんが、体感はコレです。
この状態は自分にとっても心地良いワケです。

だって不自然な体勢でMFするのってそもそも厳しいんだもん。数回は良くても、40過ぎのオジサンは日に何度もは出来ない。
なので、時間の経過によってドンドン自然で長時間楽しめる姿勢に整って来ます。姿勢よく被写体と対峙すると、呼吸も深くなるので頭が冴えて色々な気付きがあるのよね。パッと撮るのも良いけれど、こんなカタチだったんだなとか、こんな場所があったのか、みたいな気付きがあるわけです。
これが楽しい。
でシャッター音と感触が気持ち良いので、やっぱり楽しい。
Nikon D5とかの工芸品的な気持ちよさとは別の心地良さがPro2にはあります。
だからね、写真が楽しいのよ。じっくり向き合ってピントを探してパチリ。カタチのない影とかグラデーションにもレンズを向けたくなっちゃう。
ピント合わせっていう写真ならではの楽しさをカメラに任せっぱなしにするなんて勿体ないって感じるくらいには楽しいです。

X-T5を個人的に大変に気に入っていますが、それでもなお型落ちのPro2の気持ちよさを越えることはありません。そこにULTRONをドッキングしたのなら尚更だね。

3000字超のバカ長文になりましたが、情熱は分かっていただけたかと思います。
心底どうでも良いことですが、今日の写真は撮って出しで何もイジってません。それでもこれだけ気持ち良い絵が出てくるから、型落ちと言ってもPro2の実力はスゴイ。ポテンシャル十分だし主戦力足りうる画質です。
もう登場から7年経つけれども素晴らしいことだよね。
発表前にレビュー用に試作機で撮った時にピンと来てから、本当にずっと好き。何度か手放そうと思いもしましたが、手放さなくて本当に良かった。
デジタル世代の機器にこんな事感じることは無いって思ってましたが、あるもんだよ。

最後にX-T5と組み合わせた写真をば。

X-T5 + Voigtlander ULTRON 27mmF2 X
f/2.0

光線状態が違う写真を見せられても良く分から無いと思いますが、撮ってる本人的にはPro2で撮った方が写った感じが良かったです。
この「感じが良い」ってのが重要です。
情熱に任せて書き散らかしますが、画質を数値評価することの味気無さったらないからね。

未公開のインプレに配慮して、性能には1mmも触れませんでしたが、如何だったでしょうか。

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