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サウナは地域活性化に貢献できるのか

2019年に放送された「ドラマ サ道」の放送によって空前絶後のサウナブームが到来し、多くのサウナー(サウナ愛好家の総称)が生まれ全国各地にあるサウナのある温浴施設へ足を運ぶ人が増えました。

サウナはローカルな銭湯やスーパー銭湯、温泉、健康センター、ジム、カプセルホテルなど地域に密着した場所に設置されている傾向にあります。

普段その地域に訪れない様な方がわざわざ足を運びサウナに入ることもしばしば見かけられ、私自身も以前まで一度も降りたことがなかった駅で降りる様になったのもサウナのお陰だったりします。

サウナは「観光地」とは違う人を呼び寄せる力があり、サウナによって訪れた人がサウナ周辺にある商店へ足を運ぶことで地域の経済発展へとつながり、「地域活性化」へと繋がる可能性をもっています。

サウナの特性を有効活用することで地域創造へと繋がる可能性があると仮説し、サウナによって実現できる地域活性化の切り口を考察したいと思います。


サウナーが求めるサウナ体験と地域の個性を融合させる

以前「サウナーを2軸思考で4種類に分類してみた」という記事内でサウナーを大きく4種類に分類をしました。

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・クリエイター系プロサウナー
・インフルエンサー系プロサウナー
・プログレッシブ系サウナー
・開拓・探求系サウナー

サウナ好きをターゲットに地域か成果を狙う場合、「サウナを理由に訪れてもらう」ことが重要になります。

この時、サウナーに対して「行きたい」と思わせる要素をいかに演出するかが大切です。

サウナーには「利用重視」と「体験重視」のタイプに分かれます。

体験重視は「他の施設にはない特別な体験」を重視し、珍しい設備や環境、アトラクション、イベント、こだわりなどが大切なポイントで、「ここでしか得られない特別なモノ」を期待しています。

利用重視は「体験よりも利用のしやすさ」を重視し、利用する本人にとって最適な環境であるか、隅々まで手の行き届いた設計になっているか、施設としてのクオリティが求められます。

人気サウナ施設はこのバランスが取れていて、「体験」×「利用」を組み合わせて独自の強みを演出しています。

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それではローカルな地域における客引きのための価値提供はどのようにしたら良いのでしょうか?

サウナーを引き寄せ、地域の経済を回すことを前提とした場合、以下のような強みの演出が効果的であると想定できます。

・ここでしか体験できない特別な環境を演出し、提供する
・地域の歴史や地理的な利点など何かしらの個性と結びつける
・周囲の名物と組み合わせて「サウナ×〇〇」を作る
・建物そのものの歴史やこだわりを演出の要素とする

「強み」となる部分は掘り起こせば何かしらカケラは見つかるものです。あとはそれをいかにサウナと結びつけるかが勝負のポイントです。

サウナそのものの特別な体験の提供はある程度の投資が必要となるため、既にある要素をサウナと結びつけることで「価値」を生み出すことが可能になります。

こうした演出をすることで、サウナを起点に地域へ人を呼び込むことができる可能性があります。


サウナ施設に来る価値があると思わせるストーリーの提供

アクセスの良い都内近郊ではなく、生活圏内に密着しているローカルな地域では交通網が都内よりも少ない可能性も考えられます。

特に車移動が必須なような場合、行くだけでも一苦労になるため「価値」を演出しても集客へ繋がらない可能性があります。

わざわざ苦労しても「行きたい」と思ってもらうためには「来る価値がある」と思ってもらえるようなストーリーを提供することをオススメします。

ストーリーには共感を呼ぶ力があり、共感は強く人を惹きつけるものです。

サウナーの関心を惹きつけるストーリーの提供方法として以下の方法が効果的である可能性が考えられます。

・口コミによる体験談の提供
・施設の運営による温浴施設への想いの提供
・「サウナ×地域」の取り組みそのものの発信
・「誰が」「いつ」「どんな思いで」活動しているのかを伝える

ストーリーを生むには「発信」が必要です。そして発信するストーリーは事実に基づく必要があります。

発信する手法は、無料でできるものから、専門家へ依頼をする方法など数多く存在します。

SNSやブログなどで発信を続けることが大切です。


※少し切り口は違いますが「発信」について記述をしていますので、何か参考になれば幸いです。



体験の先にある「満足」の提供でファンを獲得する

一度訪問してもらえても再訪してもらえなければ地域活性化へはつながりません。一度の訪問では味わい尽くせない魅力を提供し、奥深さの演出をすることが重要になります。

ここでいう「奥深さ」とは瞬間的な「体験」とは異なり、トータルで見た時の「満足度」や外部要因と組み合わせた時の「可能性」を指します。

体験の先にある「満足」を提供することで「また来たい」と思える要素を生み出し、愛着へと繋がります。

ファンを生み出すには心を奪う必要がありますが、この「心を奪う」という状態に転換させるには一瞬の「体験」だけでは起こりえません。

・移動という体験
・サウナに入るという体験

例えば上記のような体験は「新しいサウナ施設へ行く」ということに対する体験の提供であり、サウナーの好奇心を満たすことはあるかもしれないが、「また行きたい」には繋がらない可能性があります。

「また行きたい」には「その施設に行かなければ味わうことができない奥深さ」が重要になります。

・歴史的要素、地理的要素を利用する特殊環境/体験
・施設のホスピタリティの高さ
・コミュニティとしての要素
・満足度の高い「食」の提供


また、ターゲットを地域周辺にいるサウナーへと狙いを定める場合は「通いやすさ」や「日常生」も重要になります。

「体験」と同じぐらい「日常へ溶け込むこと」も重要で、近場にいる人をファンにする場合は「コミュニティ性の高さ」はファンを生み出すポイントとなります。



サウナ以外の価値を提供

「地域活性化」へ繋げるためにはサウナ施設以外の地域の魅力にも気づいてもらう必要があります。

そこでポイントとなるのはサウナ前後に利用しやすい「副次的な要素」を強みとして掛け合わせる方法があります。

代表的なのは「サウナ飯」で、人気施設には「サウナ飯」は付き物な存在まで重要な要素となっています。

また、「コワーキングスペース」のような要素もサウナ利用以外で「行きたい」を生む要素です。

また、サウナとは直接関係なさそうな「本屋」「服屋」「家電販売店」「雑貨屋」「理髪店」「スポーツ施設」などもサウナと掛け合わせることは可能で、サウナーにとって居心地の良い街へと転換することができます。

歴史的な建造物や地理的要素、特産物のような地域に存在するコンテキスト(背景)もまた、サウナ施設と掛け合わせることで、人を呼ぶ要素となり、観光名所の一部としてサウナを活用できます。

何かしらの副次的価値が提供できればサウナという要素以外でも「満足」を与えることができ、地域活性化へと繋がっていく可能性が考えられます。


まとめ:サウナは地域を救う可能性がある

サウナには人を呼ぶ力があります。

そしてその強い集客力をうまく利用することができれば地域活性化へ繋がる可能性があると考えられます。

サウナの持つ可能性は個人が受ける恩恵だけでなく、地域が発展する可能性も秘めています。

ただし、注意点としてサウナの持つ可能性を利用して「露骨な商売」へと舵を切るとカルチャーそのものへ胡散臭さが充満し、信頼が下がりサウナー人口そのものが減る動きが起こる可能性も考えられます。

バランス感覚を守り、サウナの持つ価値を正しく活用することで地方の活性化や地域創生、新たな雇用を生むといった結果につながっていくと私は考えています。

価値を掘り起こし、Webを活用しながら情報を発信し、「行きたい」を生み出し、地域活性化へと繋げて日本を元気にしていきましょう。


【パーソナルデータ】
名前:Uto
職業:Webマーケティングコンサルタント
趣味:サウナ、アート鑑賞、一人旅、音楽Dig
特技:和太鼓

【連絡先】
メールアドレス:yy.edih.xx@gmail.com
Twitter:@hd2OimM
LinkedIn:プロフィール


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