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男性育休のすべて。あるいは”忖度”と”ゆとり”について

このnoteは第一子の出産に伴い、会社で初めて男性育休(2ヶ月)を取得した私の体験記になります。男性で育休を希望している方を想定読者とし、感じたことをリアルにお伝えすることで、「男性の育休」について手触り感をもっていただくために書きました。

実体験を可能な限り伝えたく、網羅性を優先したため長いです。どうしても伝えたい要点だけ先にお伝えさせていただきます。

このnoteで伝えたいこと

・育休は家族と仕事の両方を大事にするための休業制度。
・出産直後のday1が重要。ふたりで悩み、取り組めるといい感じ。
・妊娠/出産/育児、身体的にも期間的にも女性に負担かかりすぎ。
・男性育休は自ら期限を短くする「忖度育休」になりがち。
・経営者やマネージャーの方は積極的な「ゆとり育休」の提言を。

ここから本題になります。今回の育休における全体像は以下のとおりです。

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Q.そもそも育休とは?

A.子を養育する労働者が法律に基づいて取得できる休業
☓:育児休暇、○:育児休業

まず、多くの人が勘違いしており、私自身も検討するまで知らなかったこととして、育休は『育児休暇』ではなく、『育児休業』が正式名称です。

実体験としても休暇ではなく、「育児がてんやわんやで労働している余裕が無いので休業します」という感じに近いです。

休業することで、一番不安なのはお金の部分ですが、育児休業給付金というものがあり、実質8割相当の金額が得られます。

大手やベンチャーなど、取得されている男性をちらほら見るようになり、令和2年度には取得率が12.65%まで伸長したことが話題になっています。それでも8人に1人なのが生々しいのですが、社会、会社、個人のためにも、もっと加速したほうが良いと思い、このnoteを書きました。

Q.なぜ育休を取ろうと思ったのか?

A. 以下2つの理由になります
①しっかり子育てをしてみたかった
②可能な限り、夫婦でフェアに育児に取り組みたかった

難しいことは考えず「取りたかったので取る」それぐらいのスタートです。

周囲にも男性育休の経験者が一定いたので、最初から漠然と育休願望はあり、「両親」という言葉のとおり、ふたりで育てるのが当たり前という感覚でした。どちらかに依存することなく、どちらもが育児に対して責任をもって臨める状態を目指したいとぼんやり思っていました。

また、私が所属するサイカでは、理想の従業員体験(Employee Experience)が定義されたXICA EXというものがあり、その中にも「生き方・働き方を、自らの意志で選択することができる」という項目があり、せっかくの機会なので、しっかり活用しようと思った次第です。

育休取るぞ!のおきもちが整ったので、取得までのプロセスを紹介します。

実際に育休を取りにいくまでの流れ

おきもちは整いましたが、社内では男性育休の事例がなく、いつから何をすれば良いかは具体的にはわかっていませんでした。整理すると、育休を取るまでのステップは大きく4ステップです。

1. いつ、どのぐらい取るかを決める
2. 会社に相談する
3. 引き継ぎを行う
4. 書類を提出する

1. いつ、どのぐらい取るかを決める
いろいろな方の話を聞いていく中で、大きく2つの選択肢があることがわかりました。

①出産直後に取得
②妻の復帰タイミングで入れ替わりで取得

①はベーシックな選択肢で、育児のスタートラインを揃え、夫婦一緒に走る方式です。②は上級編でそれぞれが独立して入れ替わりで育休を取ることで、夫婦間での育児と仕事のバランスをフェアに扱う方法です。

結論としては、「①出産直後に2ヶ月取得」としました。夫婦で話し合った結果、第一子ということもあり、妻の産後の回復を第一に二人で育児がんばる方針としました。

期間については、エイヤで決めた感じです。仕事も大事な時期だったので、3ヶ月か2ヶ月で迷い、結果的に2ヶ月にしました。ただ、これは後で詳しく書きますが、誰かになにか言われたわけでもないのに、自分の中になんとなく短く取得する「忖度」バイアスがかかっていたと思います。

また、最近では育休を2回に分けて取ることもできる「パパ・ママ育休プラス」というのもあり、妻が仕事を始めるタイミングで再度検討予定です。

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引用:厚生労働省 パパママ育休プラス

2. 会社に相談する
次に会社に「子どもが生まれること、育休を取りたいこと」を打診しました。妊娠発覚時点で、転職して3~4ヶ月と日が浅いこと、私が所属するサイカでは男性の育休事例がなかったことなどもあり、安定期を迎えたタイミング(出産予定日から6ヶ月前)で上司に相談しました。

正直、どんなリアクションが返ってくるかわからず、恐る恐る報告したのですが、CTOの是澤さん、CEOの平尾さん(その他役員の皆さん)ともにその場で祝福、快諾いただけて、すごくホッとしたことを今でも覚えています。

過去に事例は無いものの、就業規則に育児休業規定が定められていたので、取得そのものは比較的スムーズに進みました。規定上は1年未満の従業員は対象外とすることもできるみたいですが、一定期間の業務なども加味してOKをいただきました。柔軟に対応いただけてありがたかったです。

なお、入社1年未満の育児休業の取得は、企業によって扱い方が異なる可能性が高いです。完全にNGという会社もあるかもしれませんが、政府でも積極的な取得を進めている状況です。労使協定など、規程類を読んだ上で相談してみても良いかもしれません。

3. 引き継ぎを行う
マネージャーという立場だったため、関係者にも早めに周知を行い、体制移行を前提とした取り組みを取得5ヶ月前(24週目)から少しずつ始めました。具体的にはマネージャー代理に相当する方の採用を行い、取得2ヶ月前より参画。オンボーディング、引き継ぎを経て、自分がいなくても組織として前に進める体制へと移行しました。

4. 書類を提出する
育児休業申請書を提出し、無事完了!なお、出産後の扶養やこどもの保険証の申請はSmartHRでサクッとできました。めちゃくちゃ楽でした。

【出産】立ち会いからの育児キックオフ

引き継ぎも終わりが見えてきたタイミングで、いよいよ出産です。うちは出産予定日の3日前のお産になりました。緊急事態宣言下での出産になりましたが、立ち会い可能な産院だったため、無事立ち会うことができました。

へその緒が首に巻き付いたり、体の向きが直角で吸引分娩に切り替えたり、出産後に新生児黄疸がでたりといろいろありましたが、出産の不安と喜びを妻と一緒に体験できたのは、以降の育児においてもよかったです。

また、母子同室で家族も宿泊可能だったため、Day1を家族3人で過ごせたことが個人的にはすごく大きかったです。小さすぎて抱っこするのもままならない中、夜中に泣き出し、夫婦揃ってうろたえながら育児がキックオフしたことを今でも強く覚えています。

男性は妊娠、出産において、どうしても当事者意識を持ちにくいですが、出産~育児の最初期を一緒に体験したことで、一気に父親の自覚が芽生えた感覚があります。これから出産を迎える方には、「立ち会い、宿泊可能な産院」を選ぶことをおすすめします!(ご時世的に難しいのですが・・)

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【育児】成長、変化、怒涛の毎日

育児については、2ヶ月の中でも時期によって感想が異なりますが、全体を振り返って一言で伝えるのであれば「怒涛」でした。

ど‐とう〔‐タウ〕【怒×濤】
荒れ狂う大波。また、はげしい勢いで押し寄せるようすのたとえ。

- 生後0週~2週 - 
当たり前の話ですが、退院後はいきなり3人での暮らしがはじまります。準備が完璧にできているわけもなく、退院後、最初のミルクで、泣き叫ぶ我が子を横目に、哺乳びんの煮沸消毒、ミルクの温度チェックでいきなりわちゃわちゃしました。祭の始まりです。

沐浴やげっぷなど、ひとつひとつの初めてを3人で体験しつつ、新生児ははじめの2週間ぐらいは1日16時間近く寝てくれます。まずは妻の体力回復を優先しつつ、少しずつ育児に慣れていく期間でした。並行して、区役所への出生届などの書類対応、出産前に検討していた車の購入をドタバタしながら進めました。怒涛。

子育てアフロ田中を履修済みだったので、一番の敵は「睡眠不足による共倒れ」とし、夫婦で別の部屋で寝るようにし、ひとりは寝室、ひとりは息子と一緒に寝る運用を採用しました。赤ちゃんと一緒に寝る日を「夜勤」と呼び、体調、体力を鑑み、夫2日、妻1日の交代制で夜勤対応をしていました。

私はどんな環境でもしっかり寝てしまうタイプなので、自分が寝ていて妻が一方的に負担を負う構図は事前に想像できたので、この夜勤運用はとても良かったです(それでも別室の妻が起きるパターンはありましたが)

- 生後3週~4週 -
徐々に育児に慣れてきて、少しずつ余裕が出始めたころに「魔の3週目」というものがやってきます。五感の発達とともに、このとき初めて自分が胎内にいないことを知覚し、パニックになるとのこと。息子の真の目覚めです。

これが結構しんどかったので、母体の回復&最初の難関を夫婦で乗り越えるために育休は最低1ヶ月取れると、良いスタートダッシュが切れるのかなと思います。

その後もメンタルリープと呼ばれるものが定期的にやってきます。魔の3週目以降、該当週はかなり怯えてすごすことになりました。なにかいつもと違うことが起こるたびにメンタルリープかと怪しんでました(笑)

- 4週~8週 -
1ヶ月検診も無事に終え、育児も定着してくるのがこの頃です。2ヶ月の育休も折り返しに差し掛かり、夫婦で話し合いながら、それぞれが自分の時間を確保するための実験や復帰を見据えたプランニングに取り組みました。

具体的には「ワンオペの練度を高める」「意図的に育児を忘れる時間を設ける」ことを目的に、午前/午後など、交代制でひとり時間を謳歌する「おひとりさまタイム」を取るようにしました。これはめちゃくちゃ良かったです。

バッティングセンターやヒトカラ、読書など、ひとりの時間を思いっきりリフレッシュしながら、持続的に子育てを楽しめるようになりました。3時間会わないだけでも、子どものことが気になり、「みてね」を開くのはいかにも親バカという感じですが、週に1~2回、まとまったひとりの時間があるのはすごく良かったです。

話はそれますが、こどもが生まれてから「みてね」と「ぴよログ」をすごく使うようになりました。ウィジェットもばっちり追加済みです。みてねを介した親族とのコミュニケーションも増え、素敵なプロダクトに感謝です。

育休最終週は初めての予防接種を受けました。泣き叫ぶ息子を拘束し、針を3本刺すのを見届けて育休フィニッシュです。息子、がんばっててえらい。

【家事】ひとりで全部するのは無理

家庭でやることは育児だけではありません。家事の話にも触れておきます。まず最初に出産前と出産後で大きくブレたことを告白します(笑)

出産前:妻の回復が最優先!育休もとるし家事は全部やる。ばっちこーい
出産後:育児、家事、出産後の諸々の対応、めっちゃ大変。タスケテ

もともと家事は、料理が妻、それ以外が私で分担していたため、育休を「料理をうまくなれる機会」と楽観的に捉えていたのですが、出産後は(洗濯など)家事の量が増え、書類や申請などの対応もあるので、早々にギブアップし、料理は妻に担当してもらいました。

また、子どもが生まれるタイミングでクルマも購入したため、それに伴う自動車保険選びや各種申請なども重なり、当初の目論見はまさに絵に描いた餅に終わりました。

というわけで、私の担当する家事は掃除、洗濯、皿洗いなどになります。現代の3種の神器と呼ばれる「食器洗い乾燥機」「ロボット掃除機」「ドラム式洗濯乾燥機」を結婚時から導入していたのが効果的でした。※ただし、ベビーマットを引いてからはルンバは使わなくなりました

また、以前は洗濯物は畳んでいたのですが、引っ越しを機にそのままハンガー掛け、下着やこどもの服は畳まずそのまま突っ込むようになりました。このあたりの家事の最小化については勝間和代さんの以下の本が詳しいです。

【お金】補助はあるが、それでもかかる

まず出産に伴い、出産育児一時金として、42万円が国から支給されます。退院時の支払いで病院が国に申請してくれる直接支払い制度というのがあり、出産に伴う費用は実費ベースでは数万円でした。

また、育児休業中の収入は企業からももらう形ではなく、国から育児休業給付金という形で支給されます。支給額は給料の67%支給になりますが、所得ではないため所得税が発生しません。なので、手取りベースで換算すると8割近くの収入に相当します。

ただし、実体験として、育休終了時まで育児休業給付金は振り込まれず、手元に届くまでにラグが発生するようです。育休開始から2ヶ月後のタイミングから支給が始まるみたいです。

また、後から気づきましたが、育児休業給付金には上限があり、想定していたよりは少なかったです(調査不足)ですが、2ヶ月休んでお金もらえるなんて、冷静に考えるとすごい。

あわせて、車の購入や住民税が個人支払いへと切り替わるなど、体感としては支出が多い期間でした。出産に伴う入院費用や出産後になにかと買うものなどが出てくるので、一定の蓄えがあると安心して臨めると思います。

【復職】2ヶ月とはいえ、最初はソワソワ

育休中は月に1度、上長との1on1を実施していました。全社や所属組織についての近況を伺いつつ、復帰後の業務や育児などの雑談をしてました。

仕事のことを綺麗に頭から忘れるには2ヶ月という期間は短かったので、定期的に状況をアップデートできたことは良かったです。また、時世的にも育児的にもなかなか外出できず、家族以外の人と話す機会も限られていたので、そういう意味で会話の機会はとてもありがたかったです。

復職後は社内のドキュメントに目を通しつつ、最初の1週間はいろんな方と話しながら、徐々に仕事モードに切り替えていく期間に当てました。最初の何日間はMTGでも、なかなか頭が追いつかず、キレの悪さがあったのですが、1週間が終わる頃には気づいたら直ってました。

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フルリモート環境で業務を行っているので、息子が泣いていると一瞬で集中が切れます。友人にも聞いたのですが、すぐに慣れるとのことでした。スキマ時間で息子に会い、充電してまた仕事するみたいな流れになっています。

復職とともに、育児面は妻に負担が寄るため、朝の育児は私が担当し、ミルクや(汗のせいか湿疹が出るため)シャワーをしてから仕事をはじめています。慣れるとなんとかなりますが、夜はヘロヘロです。復職してからは子供を育てながら仕事に励む同僚をもれなくリスペクトするようになりました。(子供ふたりとか3人とか今はまだ想像できない・・)

【所感】実際どうだったか(子育て編)

ここからは私自身が感じたことをまとめます。

◯こどもはかわいい
もう全部かわいい。一挙手一投足すべてが見てて飽きない。眼福。ここまでいろいろ書きましたが、育児は楽しいし、意外となんとかなります。

こどもは2ヶ月でめっちゃ成長します。変化の大きなこの時期を一緒に過ごせたのは圧倒的多幸でした。iPhoneのカメラロールがとんでもないことになり、α7ⅲのシャッター音は鳴り止まなかったです。

◯いつ生まれるかは誰にもわからない
当たり前の話ですが、いつ生まれるかは誰にもわかりません(笑)

我が家は出産予定日の3日前に陣痛が始まり、翌日に生まれました。「初産は予定日より遅れて生まれる」みたいな神話がなんとなく頭に残っており、のんびり構えていました。

出産が土日だったため、週明けの何日間かで最終引き継ぎを行い、本格的な育休に入りました。1週間前倒しで動き、予定日前からおやすみを入れておくと、周囲も含めてバタバタせずに余裕のある引き継ぎになったと思います。

といいつつ、「出産予定日の数日前から有給取りたい。けど、子ども産まれると病気とかで休みとることになるので、うかつに使いにくい。」みたいな葛藤は自分の中にありました。これについては、出産予定日前の特別休暇など設計できないか会社と相談しようと思っています。

◯専門家はいない。わたしたちしかいないんだ。
私が好きな「エラスティックリーダーシップ」の一節です。育児もこれに尽きます。

ふりかえると、Day1で夫婦で同じ体験ができたのがとてもよかったです。はじめての夜泣きとともに、「今日からこの生活が始まるのか・・・!」と親であることを改めて覚悟できた瞬間でした。

男性は妊娠/出産において体を痛めることがないため、いまひとつ実感が持ちにくく、ふわっとした気持ちでスタートすることが多いと思います。特に里帰り出産でなかなか会えない場合、育児における夫婦間の経験に偏りが生まれ、いざ一緒に子育てをするとなっても受け身になってしまうこともあるのではないでしょうか。

我が家で大事にしていたのは「夫婦どちらかしかできないことを0にする」でした。ミルク、寝かしつけ、お風呂など、育児におけるToDoにおいて、どちらかに偏りが出ることで、不在時などに育児が機能しなくなるのを避けるようにしていました。

答えを求めるのではなく、一緒に悩み、一緒に考える。そんなスタンスで腰を据えて子育てに専念できたのは大きかったです。

なお、そうはいっても得意不得意はあります。私はチャイルドシートへ着席させるのは得意ですが、うんちを出させるのはへたくそでした(今はできるようになりました)

【所感】実際どうだったか(仕事と家庭編)

◯夫婦でフェアにするのは不可能。だからこそ、忖度しない。
これは主に休業期間を指しています。下の画像は、夫婦における休業期間の差を明示的に表してみたものですが、どれだけ日々の育児家事を均等にしても、休業期間に差がでると、どうしてもバランスは崩れます。

うちの場合、妻は産休+育休で約1年、私は育休2ヶ月なので、そもそも休業期間に10ヶ月近く差があります。土日にどれだけ頑張ってもトータルの負担は妻によります。しかも妊娠期間を除いてこの差分です。なんてこったい。

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そして、育休期間の検討時に自分が感じたのは、「育休期間を短くする圧力」を他でもない自分自身がかけていることでした。周囲への後ろめたさや社会、会社から取り残される不安などが漠然とあり、育休によって得られるものが見えにくく、失うものが想像しやすいというのがあったと思います。

自己申請で自由に伝えられたにも関わらず、結果的に育休期間は3ヶ月から2ヶ月へと短縮され、育休の「忖度」をしていました。それによって得られるちっぽけな安心は、パートナーの負担と不安になるとも知らずに・・・。

少しおおげさに表現しましたが、私以外にもこのケースは多くあると思っています。半年より3ヶ月、2ヶ月より1ヶ月、1ヶ月より2週間みたいな、重力が無意識にかかる男性は一定いるんじゃないかと思います。

次項でも述べてますが、仕事は自分がいなくても進みます。家族は自分以外に代わりはいないです。どちらを優先するかは自明です。

忖度育休を防ぐには、理想を掲げ、初志貫徹することです。夫婦で会話し理想を確認したうえで、育休期間を決めましょう。そうでなくても理解が得られず、期間の短縮を要求される環境もたくさんあると思います。

ポジティブにもネガティブにも同調圧力が作用する構造だと思うので、周囲に長期取得の事例が増えてくると、自然とちがう雰囲気になってくると思います。現にいまは、育休は当たり前みたいな空気になってきており、より意義のある育休について議論される方向にシフトしているような気がします。

そして、経営者、マネージャーの方は「もうNヶ月長くとれば?」という「ゆとり育休」を提案いただき、背中を押して欲しいです。メンバーの幸福度もあがり、会社へのロイヤリティにもつながり、他メンバーのチャレンジ機会も創出でき、良いことづくめです。

例えば友人が勤める10X社は、6ヶ月の育休を代表の矢本さん自身が推進されていて、ゆとりある育休へのポジティブな圧力が作用しており、文化として素晴らしいと思います。次は自分もチャレンジします。

話を戻して、夫婦間でフェアな状態を目指すのであれば、出産初期は一緒に育児をやる期間を設けつつ、2回目の育休を妻と入れかわりで半年ほど取得する形が理想だと思います。

※「夫が稼いで、妻が家庭を守る」みたいな家族もあると思いますので、理想のスタイルは家族によって違うと思います。念のため、補足。

◯仕事は思い切って忘れる。自分がいなくても仕事はすすむ。
最後に仕事について、個人と組織の視点から。

まず、一番大事なのは、Slackを消すことです。
今すぐやりましょう。

どうしても見たいときはブラウザからログイン。私は育休当初、どうしても仕事が切り離せず、実現するのに2週間ぐらいかかりました・・。Slackの表示名にも育児休業中であることを明記し、一部の方のみ必要なときはFacebookメッセンジャーで連絡とさせていただきました。

育休は仕事も家庭も大事にしたい人にとっての、大事な大事なオンボーディング期間です。私自身、(少し時間はかかりましたが)仕事を忘れて家庭に集中することで、長期的にワークライフを充実させるための足場を作ることができたと思います。

次に組織の視点で育休を捉えてみます。

組織においても育休によって、変化と発見がありました。1ヶ月なら誤魔化すこともできるのですが、2ヶ月あると、現行体制下で最適化が行われ、結果的に新陳代謝が起きたと思います。

自分がいなくても仕事は進むことを改めて実感するとともに、自身の引き継ぎが下手くそだったこともあり、周囲に迷惑をおかけしてしまった部分もありました。チームのメンバーを始め、関係者の皆さんにはとても感謝です。


理想論にはなりますが、育休は変化を促すチャンスであり、従来の自分の仕事をうまく引き継ぐことで、2つの機会を得られると感じました。

①引き継がれるメンバーのチャレンジ機会の創出
②(復帰に伴う)組織としての新しいチャレンジへの余白

企業のチャレンジとして、ゆとりある育休取得を推奨し、積極的な組織変化を促せると良いなと思います。仮にそのタイミングでうまくいかなかったとしても、復帰後にやり直せますし、退職と比較して、ダメージ小さく学びは大きいので、やらない理由は無いと思います。

【まとめ】育休は家庭と仕事の両立に向けた大事な準備期間。忖度せず、ゆとりある育休を。

家族のための時間が集中的に取れることは、とても有意義で幸せです。

文中にも記載しましたが、仕事も家庭も頑張りたい人こそ、育児休業の期間を準備期間と捉え、大事なものを持続的に大切にするために育休を活用してほしいです。

会社や業務の都合など、いろんな事情はあると思いますが、家族を守れるのは自分たちしかいません。出産に臨まれる奥さんや、これから生まれてくる子供のためにも、忖度ではなく、ゆとりのある育休を取得できる社会になると良いなと思います。

より詳しい話を聞きたい方がいらっしゃれば、Meetyにてカジュアル面談を公開しています。お気軽にご連絡ください!最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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https://meety.net/ma/matches/trBLsBkmhRXR

2021/09/24 追記:質問いただいたので、育休前後のインプットについてもまとめました




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