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フレップ主催「不登校についてのシンポジウム」に出て学んだこと#2

不登校生徒の良い支え方とは、一体どのようことなのか。

8月11日、八王子開催のフリースクール「フレップ」が開催した第二回シンポジウムでは、第一回に引き続き、代表の朴さん、スピーカーで不登校生徒であった経験を持つ、現在看護師の海老原さん、フレップに通う生徒のみなさんが不登校生徒の現実を語った。

さて、今回も問いから始めたいと思う。

いかがでしょうか。皆さまはこの問いに対してどのようにお考えになるだろうか。
私などは、教員としての自分の都合や、学校で教員同士で話していることをバックグラウンドに、業務の枠組みの中で声かけのタイミングを考えてしまう。
つまり、空いた時間に直接電話するか、家庭訪問で会いに行くかという枠で考えやすいのだ。
不登校生徒への指導で、もし、「早く復帰させなきゃ」とプレッシャーを感じている場合、赤信号である可能性が高い。

さて第二回の今回は、不登校の生徒への「良い声かけのタイミング」について的を絞って考えてゆきたい。

海老原さんによると、不登校生徒の心のエネルギー状態は次のような曲線で分類できるそうだ。

誰でもこうなるわけではないが、一般に良いサポートを受けている前提の不登校生徒の心理状況が表されている。

感情の波ともいうべき、この不登校の生徒の心のエネルギー図を見た時に、筆者は明らかに生徒が初期や急性期であるのにも関わらず、学校に来なさいアプローチをしてしまった経験がある。

生徒からすれば、「ほっといてよ」状態の時に、「学校にくるのが正!」を振りかざされれば、もっと沈み込んでしまうのは当然である。

一方で、教員は毎週のように担当学年の会議で、生徒の進捗状態が共有される。どのようにアプローチするのか、責任者の合意のもとで話し合われるのだが、もちろん生徒の心理状態にフォーカスが当てられた最適なアプローチ、とタイミングまでを考慮に入れた手法が選ばれるとは言い難い。

しっかりと時間をかけて、待つことが重要となる。

海老原さんによると、心のエネルギーが充電されてくる「慢性期」終盤から「回復期」には、「お母さん、暇〜」「最近つまんない」というようなワードが出るそうだ。この言葉や本人の様子から、「回復期」に移行することが見て取れた時、やっと保護者や教員が選択肢を提示できるというのだ。

しかし・・・じっくりと待ち、タイミングに乗れたとしても、もう1段階考えるべきことがある。

それが「心の土台」という枠組みだ。

前回も触れたこの枠組みをじっくりと見ていただきたい。

自分を保つ力がないのに、学習や人間関係、将来の話をいくらしたところで、積み重なってゆかないのだ。
#1に引き続き 、再度にはなるが、まずは「人っていいな」体験が必要になる。

自分を知ってくれる、ありのままを受け入れてくれる安心安全の場があって初めて、自分の上に何かを足していく余力が出てくる。

「ちょっと勉強してみようかな」という言葉が出たからと行って「じゃぁ学校に行ってみる?」は飛躍しすぎなのである。

不登校生徒への指導のゴールは、学校に行くことではなく、「その子が安心して、その子らしい生活ができる」こと。

筆者は、公園やシンポジウムに参加して「理解した気」になることが多い。
改めて、#1を読み返し、生徒の指導に当たりたい。

フレップ主催「不登校についてのシンポジウム」に出て学んだこと#1
https://note.mu/ytanaka3/n/n449509833808


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