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“片付け一つで世界平和に”整理収納アドバイザーM's Arrangement代表、岩城美穂さん

■岩城美穂さんのプロフィール■
<資格>
ハウスキーピング協会認定整理収納アドバイザー1級

<メディア出演>
2017/7/24 毎日放送「明石家電視台」
2018/4/11 フジサンケイビジネスアイ「すごい!活躍する女性達」掲載 など

<セミナー講師、教室実績>(順不同)
・公益社団法人生命保険ファイナンシャルアドバイザー協会(JAIFA)滋賀協会様 講演会
・アイフルホーム様 お客様感謝イベントセミナー講師
・住友生命保険相互会社 滋賀支社 栗東支部様 社員向け研修講師 
他に、小学校、幼稚園等講演多数

<執筆、連載>
・おおさかパルコープの子育て応援サイト「マシュマロCLUB 」コラム連載
・岩城美穂流お片付け道 ~子どもが5人いても片付く部屋作り~
・KTVハウジング コラム連載

記者:今日はよろしくお願いします。お片付けの仕事をされるようになったきっかけを教えてください。

岩城さん(以下、岩城 敬称略):私は元々、片付けられない人で家がぐちゃぐちゃだったんですけど、4人目の子を自宅出産したとき、産みながら客観的に部屋を見てしまったんです。目に入ったのが、服がかかりまくったジャングルジムだったんです。その横を見たら、ピアノの上も物だらけ、ソファーも使っていないのに高額だったから捨てられない。8畳の部屋で出産するのに、狭くて私の母も部屋に入ることができない。「こんな家で子ども4人とどうやって生活したらいいんだろう。生まれたらまたモノが増えるのにどうなのこれ!?」って思いました。それから片付けのことをやりだしたんです。
 3人目の子が生まれるまでは、保育士として働いていて時間も余裕もないし、片付けに目を向けることもできませんでした。当時、こんまり(近藤麻理恵)さんのお片付けが流行っていたのもあって、必要に迫られて片づけをやり始めました。モノを増やして解決するのではなく、減らすほうへシフトチェンジしました。

 これを仕事にしようと思ったのは、部屋を見た子どもの友達やママ友達が「みるみるきれいになる!」「来るたびに変わってる!」「私も片づけたいわ!」と言ってくれて、ママ友の家に遊びに行った時に片付けるところから始めたのがきっかけでした。そこから仕事として頑張ろうと思い、何も知らず、思いつきや行き当たりばったりで丸5年になりました。周りの人がいい人ばかりだったからやってこれたと思います。バリバリ働くとき、のんびりするとき、子どもの受験があったりと波もありますが、辞めようと思ったことは一度もないです。

記者:ご自身の経験とお仕事が一本化されて繋がっていったんですね。

岩城:そうです。本当に大きな転機だったと思います。片付けをしている人生としない人生では全然違いました。もし、片付けしないままゴミみたいな家にずっと住んでいたら、今でもやりたくない仕事をして、体を壊していたかもしれません。片付けをすることは、主体的に"自分で選びとる”練習を身の回りのものを通してできるんです。

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記者:今のお仕事を通してどんな社会をつくりたいですか?

岩城:大それたことのようですが、"世界平和”ですね。難しいことではなくて、社会の一番小さい単位の"家庭”が幸せなら、戦争は起きないですよね。片付けのように、自分ができるアクションからやれたらいいなと思っていて、「主人が片付けてくれない、子どもが散らかすんです」と家族の不満が漏れる奥さまが多いですが、意外と自分の事ほど後回しで、出来ていない場合があります。きついようですが、「他人を責める前に自分のことを片付けてください」と言うと、皆さんはっと気付いてくれます。

 また、片付けるときに「何を残したらいいのか分からない」という人も多くいますが、それは自分のことを見つめていなくて、自分を可愛がってあげてないんです。自分の好きな色やテイスト、自分の持ち物、自分のテリトリーに意識を向けていると、心が充実して不満が気にならなくなります。そうすると小言を言わなくなって、家族も「お母さん、いつも楽しそう。キッチンもきれいだし。ちょっと俺もしようかな、僕もしようかな」って伝染していくんです。だから片付けは、自分を大切にすることでもあるんです。お母さんの笑顔を家族の太陽にできたらと思います。

 モノが多いと視覚として情報が入ってくるので、実は言い争いも多くなって、”使われていないものから悪い念が出る”という人もいたりますね。心が荒んできたり、脳みそが疲れてきます。”金持ち、喧嘩せず”、”貧乏、言い争いが増える”だと思います。

 実際、私もよく喧嘩して言い争いが日常茶飯事だったけど、「ま、そういうこともあるよな。コーヒー飲む?」って余裕を持てるようになりました。そういう意味でもスッキリしたお部屋にいる精神的メリットは大きいです。
片付けは、円滑な人間関係、精神的、時間的にも余裕ができて穏やかになれる。その観点から観ても、片付けで各家庭が幸せになってくれたらそれこそ殺人事件とか無くなって行くと思うし。自分なりの幸せをちゃんと見つけられて、家庭から世界の幸せにつながっていくと思います。いろいろ経験してみて”着地点は全部片付けだ”っていいながらやっています。

記者:今のお仕事を通して、一番変化したことは何ですか?

岩城:以前、私は被害妄想が激しくて、”悲劇のヒロイン”になりたがっていました。可哀想な自分に価値を置いて、人に「大変そうだね」と言われることに喜びを得ていたんですが、それって全然幸せじゃなくて、でも何をどうしていいか分からないし、「子どもが多くて大変ね」と言われることに価値があるんだと勘違いしてましたね。今はそんな風に見えませんと言われることが嬉しい。一人の人間として人生を謳歌しているんだって見てもらえることがすごくうれしいです。

主婦の方から「自由に使えるお金がないからできない」、「日々生活に追われて自分のことが後回しになる」などの声をよく聞きますが、私は違うと思っています。出費や収支が変わらなくても、自分の価値観で納得してお金を使うようになると、満足度が変わってくるんです。モノも、お金も、上手に自分でコントロールしていくことですね。

記者:自分が“悲劇のヒロイン”と思いやすいとおっしゃっていましたが、どう変わっていたんですか?そのきっかけは?

岩城:片付けるときに一つ一つのモノに対して「本当に必要なのか?」と客観的に問いかけていました。同じように、みんなに「可哀想」と言われることも「それって本当にそうなの?」と問いかけたのがきっかけで、きちんと理由付けできないものは、人の目が気になってどう見られるか、どう思われるかを気にして決めていることが多いことに気付きました。
それからは「どう生きたいか、どういう人生を歩みたいか、こういう事をしたい」というのを持つようにしました。だから今までやってこれたと思います。本当に悪いことを言う人もいるし、ポジティブに応援してくれる人もいるけど、自分で選択することが大事だと思います。

記者:
自分で選択しないで周りに流されることで、結果的に被害者意識になっていたことに気づかれたことが、変化のきっかけだったのですね。

岩城:普通の人は1日に5万回判断しているんですって。
人は無意識的になんとなく判断して決めているんですが、自分が人の目を気にして決めているのか、自分が決めているのか、ようやく分かったんです。

その1つ1つの判断が自分軸と繋がって、真剣に選ぶようになると、適当な理由で買わなくなるんです。本当に必要なものを選ぶので、1つ選ぶにもしっかり考えて選びます。目に見えないエネルギーの節約にもなるからモノ選びは大事やなと気付けるんです。食品ロスの問題から環境問題、水質の問題、原発の問題、安い労働力で働く発展途上国の経済問題にも目を向けるようになって意識が変わっていきました。

記者:すばらしいですね。片付け一つから家庭、世界が変わっていくんですね。

岩城:子どもたちをみていると、私もそうですが、母親に言われることに縛られるんです。母親に「こうしなさい」と言われた通りにやっていると、自分で決めることができなくなってしまう。ちゃんと選択させて、決められた道を進むんじゃなく、間違ってもいいから自分で決めて自分で責任をとることを子どもたちに伝えています。しっかりと自立して自分の軸で選びとって、失敗してもちゃんと責任をとれるようになってほしいです。生きていくって大変なので、人のせいにして「私の人生、こんなハズではなかった」となってほしくないです。

記者:そうですね。自分で決めて選択した人生と、言われたとおりにやる人生とは質も深さも違ってきますね。本日はお時間いただきありがとうございました。

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岩城美穂さんの詳細はコチラ↓↓
◆M's Arrangementホームページ
https://m-arrangement.com/
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≪編集後記≫
本日インタビューを担当した泊です。人生は選択の連続ですが、一つ一つの選択、思考一つさえも重要なんだと感じました。家庭から世界平和までつながるビジョンがわかりやすかったです。今後のますますのご活躍を祈念しております。ありがとうございました。

この記事は、インタビュー記事掲載サイト“リライズニュース・マガジン”にも掲載されています。