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地域環境計画研究所代表 若狭健作さん

経歴
1977年大阪市生まれ。
関西学院大学総合政策学部卒業。
大学卒業後、㈱地域環境計画研究所に入社。
2001年から、尼崎南部再生研究室のスタッフと二足のわらじで活動。
尼崎運河クルージングの企画、フリーペーパー「南部再生」の発行
尼崎大学の企画運営など様々なプロジェクトに参画中。

記者 今日はよろしくお願いします。

Q 尼崎に関わるようになったきっかけを教えてください。

若狭 尼崎市役所の事業に関わったことが最初のきっかけ。尼崎市内の名所や名物をくまなく調査して、いろんな人との出会いが面白かったんですね。大阪市城東区で生まれ育ったのもあり、尼崎のごちゃっとした雰囲気が肌に合ったんだと思います。それと、ごきげんな人がいるまち、楽しそうにしているまちに住みたいと思って尼崎に移住しました。

Q 若狭さんは、尼崎の問題を解決するカードゲーム「ATTF」(尼崎フューチャーゲーム)の発案など、遊び心あるアイデアマンのイメージがありますが、どのようにアイデアを実践してこられたのですか?

若狭 誰か助けてくれるかもって思うんです。提案するときに、具体的に街の人たちの顔が浮かぶんですよ。この人はゲームマニアでヒントくれそう。面白がってくれそう。あの人は、教育に関心あるから粘り強く考えてくれそうとか。そんな街場の関係性が新しい事業を生み出しています。担当する尼崎市職員も本気で新しいことに挑戦してくれる。発注者と受託者という関係だけでなく、おたがいの信頼がないとユニークなアイデアは実現できません。2015年にはじまった市民で作る学校ごっこ「みんなのサマーセミナー」の実行委員会で一緒に汗をかいた経験は大きかったです。

”最初の10年は自分たちだけが頑張ってて、仲間がおらへんかった。自分たちのやりたいようにやって、まちの人が喜んでくれたらそれでいいと思ってました。次の10年。まさに今はまちの人と手を組んでやるほうがずっと面白い。幸せな感じがして達成感があるんですね”

”まちの価値を高めるために、クリエイティブな人たちを外から集めるのではなくて、実はまちの中にもともとそういう人たちがいっぱいいる。そういう人たちの才能が開花していくのを見るのがすごい好き。地元の人がブレイクする感じを見るのがすごく好きですね”

Q 普段、まちの人と活動するときに心がけていることはありますか?

若狭 そうですね。あんまり表に出ないように心がけています。取材とかで、これは自分がやりました的なことをするのが、苦手。まちのことなんか誰か一人でできるわけじゃなくて、いろんな人が関わってやったもの。だから、まわりの人と幸せな関係を維持できるように心がけてます。

記者 そうなんですか、目立ちたい思いとかはなかったんですか?

若狭 小学校の授業中に先生の言ったことを上手いこと言って笑わせようって、ずっとしてた子供だったんですよ(笑)。空気を読むというか。どうやったらクラスのみんなが気持ちよく授業を受けれるのか、無意識にそういうことを考えてました。ごきげんな空気をどう作るかって結構気を遣うんです。あとはグループの中で自分がどういう立ち位置なのかを察知するのが好きで、みんなが言いにくいことを言う仕事をしようって思ってます。

Q どんな心の在り方や認識の変化が今の活躍につながっていると思いますか?

若狭 今まで自分の信じていることがベストだと思っていたけど、たくさんの人とコラボしたときに、自分では出来ないことができて、自分では見れない景色が見えた経験があって、そこから関係性や仲間を求めるようになりました。

Q これからはAIが活躍する時代と言われていますが、AIが活躍する時代に必要なニーズとは何だと思いますか?

若狭 AIが活躍するとあらゆるものに最適解をすぐに求めるようになりますよね。斜め上行く答えとか、斜め上いく関係性とか、そういうカオスなものが生まれる場所が必要とされると思います。

カオスだけど居心地がいい。カオスを活かせることが、場作りとつながってる感じがしますね。カオスの状態のごきげんな場をつくるのが好き。そういうところに居たいなと思います。場を壊そうとする人がいたらすごくワクワクする。「なになにこの人―?めっちゃ怒ってるけど…」っていうのはすごく面白くてワクワクします。少年ジャンプじゃないけど、最初めちゃくちゃいやな奴って最後めっちゃいい人になるじゃないですか?そんな人の変化に立ち会えるのも好きですね。

Q このサイトのタイトルにもあるんですが、これからどんな美しい時代をつくっていきたいですか?

若狭 神主、僧侶、牧師のDJを務めるラジオ番組「8時だヨ!神さま仏さま」に9年かかわっているんですが(現在番組休止中)、一見ふざけたタイトルですが、それぞれの宗教的な立場を一旦置いておいてお互いに生や死について、ちょっとだけ真面目に考えてきました。そんな場がもっと増えると美しい時代になるじゃないかな。番組顧問を務めてくださっている宗教学者の釈徹宗先生の「お世話され上手」という言葉にも共感しています。普段は誰かの意見を聞き取って「お世話する側」に立っているけど、誰もがこの先「お世話される側」になることもあると思います。あるところでは自分は「お世話する側」で、別の場所では「お世話される側」とか、こういう色々な居場所や立場があるような時代になると本当にいいですね。

Q 最後に、読者の方にメッセージをお願いします。

若狭 自分で暮らす街に興味とか好奇心を持って欲しい。街や人とふれあうことで愛着がわいたり、ちょっとだけでも好きになることで人生が豊かになるんじゃないかな。「見た目が9割」なんて言うけれど、見た目だけじゃ全然わからない。第一印象でめっちゃいやな奴でも、時間が経ってまた会ったら全然違った魅力に迫ることができたりします。目の前にいる人や自分が暮らす街のことってわかってるようで分かってないんです。

若狭さんの面白さや発想のユニークさ、その背景を知りたくて沢山お話を伺いました。意外な一面を知っていただけたら嬉しいです。
益々のご活躍を期待しております。今日はありがとうございました。

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・尼崎南部再生研究室 http://www.amaken.jp/
・株式会社 地域環境研究研究所 http://www.ckkplan.net/

この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。 https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36