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災害に遭った障害福祉サービス事業所の備え

障害福祉業界を明るくしたい行政書士の篠原です。

昨夜は最大震度5強の地震が発生し、関東の方は不安に感じた方は多かったのではないでしょうか?

クライアントからも「無事です」という連絡を頂き、安心しております。

昨夜の地震を前震と捉えている方もおり、本震が来ることを恐れている事業所も多いことと思います。

取り越し苦労になれば幸いですが、災害に対する備えはこれを機会に見返しておきたいですね。

事業所に役立つ災害対策については以下にまとめております。

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今回の地震で被災した時の復旧資金に関する情報は現時点では発表になっておりません。

地震を始めとした災害により大きな被害が見舞われた場合には災害救助法に基づく支援策が実施されます。

①特別相談窓口の設置
②災害復旧貸付の実施
③セーフティネット保証4号の適用
④既往債務の返済条件緩和等の対応
⑤小規模企業共済災害時貸付の適用

令和3年8月の大雨に関する支援策は以下となります。

災害救助法の適用が発表になった時に備えて以下で支援策をご紹介しております。

特別相談窓口の設置

日本政策金融公庫、信用保証協会、商工会議所等に特別相談窓口が設置されます。

こちらの窓口では被災した事業者が事業継続、事業再開に関する相談を受ける窓口となっております。

こちらの窓口は災害救助法に基づく支援策が実施となった時に経済産業省から発表されます。

一般社団法人で事業所を開設した場合ですと、信用保証協会では利用対象外の法人となっており、相談に乗ってもらえない可能性が高いです。

一般社団法人の場合でしたら日本政策金融公庫か商工会議所に相談されるのが良いでしょう。

災害復旧貸付の実施

災害復旧貸付は日本政策金融公庫が実施する融資となります。

被災した事業者を対象に運転資金や設備資金の融資を受けることができるようになります。

被害の大きい事業者でしたら、金利が引き下げになる可能性もあります。

台風19号の被災事業者へは金利が引き下げられていました。

貸付限度額も通常の限度額に加えて上限額が決まってますので、いくらまで貸付がされるのか確認しておくと宜しいかと思います。

セーフティネット保証4号の適用

セーフティネット保証4号は信用保証協会が通常の保証限度額とは別枠で融資額の100%が保証される仕組みとなります。

4号というのは災害(豪雨・地震・台風等)で経営の安定に支障を生じている事業者が対象となります。

セーフティネット保証4号を受けるためには以下の3つの要件が必要になります。

・災害救助法が適用されている地域で1年以上事業を継続している
・この災害で直近1ヶ月の売上が前年と同じ月と比べて20%以上減少している
災害後2ヶ月を含む3ヶ月間の売上が前年の同じ時期と比べて20%以上減少が見込まれる

セーフティネット保証4号が適用されたのは直近ですと令和3年8月の大雨による被害を受けた地域と令和元年10月の台風19号で被害を受けた地域となっております。

既往債務の返済条件緩和等の対応

おそらく大半の事業者は既に別の融資を受けており、その返済に追われているかと思います。

既に受けられている融資に関しては返済条件を易しくするように日本政策金融公庫や信用保証協会に要請されますので、既に受けている融資の返済に関する相談にも乗って頂けるかと思います。

小規模企業共済災害時貸付の適用

こちらの貸付は中小企業基盤整備機構が実施する小規模企業共済の契約者でないと受けることができません。

宿泊業や娯楽業以外のサービス業ですと従業員数5名以下という決まりがありますので、2つ以上事業所を開設している事業者ですと、対象にならない可能性が高いです。

さらにNPO法人、社団法人、社会福祉法人も対象外となっておりますので、障害福祉サービス事業者はほとんど受けられる事業者はありません。

これらの支援策を受けるために忘れてはならないのが災害救助法が適用される各市区町村で罹災証明や被災証明を受けることです。

災害による被害状況を写真で撮影しておいて下さい。

災害による被害ではなく、利用者が破損してしまった箇所では罹災証明を受けることは難しいので、きちんと状況を窓口に説明しましょう。

通常であれば罹災証明書は1、2週間で発行されますので、その罹災証明書を基に災害救助法に基づく支援策を受けて下さい。

初めにもお伝えしましたが、昨夜の地震に対する災害救助法に基づく支援策はまだ実施されておりません。

前震である場合には本震が来る可能性もありますので、被害に対する備えを今のうちからきちんとしておきましょう。

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