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ネガティブ会

フリーランスになって半年くらい経ったある日、びっくりするほど仕事がなくなって近所のショッピングモールのテナントでバイトを始めたんですが、あんまりバイトに入らなくなった現在でもごはんなどに誘っていただくことがあります。

村谷由香里です。
noteをご覧いただきありがとうございます。

職場の人とごはんに行く、と言っても固定メンバーはわたしを含む3人で、あんまり食べずあんまり飲まずあんまり喋らない3人が、騒がしい居酒屋でひっそりと手羽先を食べる集まりになっています。

生きづらい大人たちが陰鬱さを隠すことなく、死んだ目で向き合っている図は、たぶん側から見るとちょっと異質な光景です。本当に3人とも虚無の目してたからね。自分でも面白くて笑っちゃったもんね。
いやしかしわたしはこの陰の極みたいな空気が心地よくて好きですね……。全員自分の手元見ておしぼりや割り箸の袋で手遊びしてる飲み会すごくないですか。わたしが一番元気なのでは疑惑まであった。

お互いの深い事情を特に知ることもなく、愚痴を言い合うわけでもなく、抽象的な生きづらさを共有できる場の有り難さを感じた夜でした。
「次に会うときはもうちょっと元気だといいですね」
と言って別れましたが、多分次回も同じなんじゃないかな……ネガティブ会の次回の会合はビアガーデンになりそうです。
眩しくてキラキラした夏が来ても別に心が救われることはないでしょう。辛いままなんですよね。わかってる。元気になりたいね。

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