ホットケーキを焼くのが下手
めちゃめちゃ雨が降っていて外に出る気にならず、冷蔵庫にあるもので昼食をどうにかしようと思って納豆とチーズのチヂミみたいなやつを作りました。見た目は散々でしたが美味しくできたので良かった。
村谷由香里です。
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お好み焼きとかチヂミとかホットケーキみたいな、粉を焼いて作る料理がずっと下手でした。間違いなく火力の問題なんだけど、外は真っ黒で中はべちゃべちゃが基本。
ホットケーキが特にひどかった。もう10年くらい経つんですが、大学時代に自分が作ったホットケーキの不味さはいまだに覚えています。
自炊に慣れていなかったころ「食える」「美味くはないが食える」「食えない」の3つを行き来していました。レシピ通りに作るのをめんどくさがるからダメだったんですが、全然美味しくないごはんを1人で食べる惨めさったらなかった。
恋人と2人で炭みたいなホットケーキを「これ何……」って言いながら食べるのもまあ地獄と言えば地獄だったけど「不味いね」と言える人がいる分マシでした。その後10年くらいネタにされるとしても。
大学時代の友達にホットケーキを焼くのがすごく上手い子がいて、それは先日コインランドリーを芝居にしてくれためぐみちゃんなんですが、彼女の家に泊まりに行くたび「昼はホットケーキを焼こうか」って言われるのを楽しみにしていました。
ふっくらとした、ほんのりと甘くて香ばしいホットケーキはわたしと彼女の12年の象徴的な味です。少なくともわたしの中では。
一時期、彼女と2人で暮らそうかと思っていたことがありました。山口市でルームシェアをして、わたしは小説を書いて彼女は芝居をやる。ときどき2人で何にもならない無駄なことをやる。そんな生活。
結局わたしは恋人が暮らしている福岡に出ることを選んだんだけど、叶わなかった生活を今でも夢見ることがあります。
無駄なことをしたいね、と言ってこの前も別れました。評価とかお金とか知名度とかそういうのを求めるんじゃなくて、ただ自分たちが楽しいだけのこと。
いつか焼いてもらったホットケーキを2人で美味しいねと言って食べた記憶みたいな、そういうものに、ずっと飢えているのかもしれません。
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