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平均年齢30代の組織における"これからのキャリアアップ"を考える

TL; DR

本記事では以下について取り上げます。

30代スタッフなどのキャリアアップ方法が見えない問題

キャリアが見えない問題は大きく以下の2つ取り上げます。

・IT企業特有のシニア層の欠落
・情勢の移り変わりが早すぎて5年先も予想しづらい

解決策は以下のように考えます。

・外部のコミュニティで師匠を見つける
・計画的偶発性理論を心がける

上に挙げた内容を少し長いのですができるだけわかりやすく書いてみます。
※本記事は自分の主観や弊社の状況が大きく関係しているため、もし誤っている箇所や、違う角度でのツッコミなど歓迎しています。

はじめに

自分はいまIT企業のデザインチームで中間管理職のポジションとして身を置いています。
案件をこなしながらチームビルディングや採用活動に参加し、チームメンバーに対して面談をする機会も存在します。

この記事では同じような問題に直面しているチームの少しでも手助けになれば幸いです。

キャリアが見えません

面談ではたまにこんな議題が上がります。

「自分の今後のキャリアが見えません」

この由々しき悩みは30代以上のスタッフと話すと多く見られます。
人生設計を考えたときに、やり直しがきいた年齢を過ぎれば、決断が慎重になったり、時として未来に対して悲観的になってしまうのも当然です。
そして自分はこの問いに対して、当初明確な答えを出すことができませんでした。うまく答えられずその場しのぎの回答をしてしまった記憶があります...。

なぜキャリアが見えないのでしょうか。
なぜキャリアを提示できないのでしょうか。

なぜキャリアが見えないのか

ある一定のポイントから先のキャリアが見えないことについて、これには様々な事象が起因していると考えますが下の2つが大きく影響しています。

・IT企業特有のシニア層の欠落
・情勢の移り変わりが早すぎて5年先も予想しづらい

先にシニア層の欠落から考えてみましょう。

シニア層の欠落から見る影響

IT業界は昨今「35歳定年説」なんて囁かれ、現場には40~60歳の大ベテランと呼ばれる人材が少ないのが事実です。
自分はこの40~60歳のいわば「生けるレジェンド」的人材が必要だと考えます。

例えば、脈々と技術を受け継いでいる伝統工芸の職人を思い浮かべてください。
彼らの技術は歴史の長さも去ることながら、下積みは10~20年は当たり前の世界です。一線で活躍する職人は人間国宝にも定められ、徐々に人が少なくなっている情勢はありつつも若者からシニア層までが活躍している業界です。
若手メンバーからすれば、師匠に求めているのは自分よりも高いスキルがあり、キャリアとともに人生観も含めて尊敬できる人物が望ましいでしょう。

IT企業も全てがそうなればいいかと問われると判断に迷いますが、若者のキャリアプランという観点で考えると、40~60歳のお手本になるスタッフが存在することによって自分の職種の到達点が見えるようになっていることが重要です。若者は師匠をお手本にして、師匠と同じかそれ以上に自分が成長するイメージができるようになるのです。

こうした文化がIT企業には少なく、シニア層が欠落することによって、実例が存在しなくなってしまうことがキャリアを考えることの難しさに繋がっています。面談でキャリアを相談する相手(管理職)も同じ30代なんていうのはザラで、まさに自分がそのような環境下に今も身をおいています。

ところでIT企業にも全くシニア層がいないのかといえばそんなことはありません。
役員や管理職などのポジションにはシニア層も多いでしょう。
そのポジションにつくことができれば、また新たなステージで挑戦することができます。しかし、役員の座を手に入れることができるのは限られた人数で、能力・実績・運などが当然必要になり、当の本人が経営に興味があるかはまた別の問題です。
もしその立場までたどり着くことができなければ、と考えてしまえば目指すことにリスクを感じることにもなるでしょう。

つまりキャリアが見えない理由を自分はこう感じています。

現場レベルでシニア層が欠落しているため、若手スタッフのキャリアを体現している人物がいない

そして、キャリアを提示できない理由を自分はこう感じています。

40~60歳が現場レベルで活躍できておらず、面談相手も30代など若手が多いから。

ではこの問題、どうやって解決すべきでしょうか。
自分は社外に目を向けることが大事だと思っています。

社外に目を向ける

社外に目を向けるというのは転職を考える、という意味ではありません。
社外のコミュニティなどでお手本になるような人物を見つけようという提案です。

シニア層の欠落を根本的に解決しようとすると、現場にシニア層が活躍できる状態を定常化させる必要があります。
しかし、それは簡単な話ではなく、それだけ優秀な人材が揃わないといけなかったり、社風や文化の壁も存在するため一筋縄ではいかないでしょう。
その文化を作っている間にキャリアを相談しているメンバーがシニア層になってしまっては本末転倒です。

IT業界ならではの師匠の見つけ方

社外に目を向けてほしい理由は、お手本になる人物を見つけてほしいと述べました。つまり優秀な人材をフォローすることをしてもらうのです。
メンバーから自主的に師匠を見つけていただき、その人物に少しでも近づけるように、または追い越せるように努力してもらうのです。
また、管理職もそういった人物をフォローしておくべきですし、人に影響を与えられる人物になる努力をすべきです。

ではどのようにして師匠や先生を見つければよいでしょうか。

今の時代はSNSやポートフォリオになるツールが多数存在しています。
例えば、このnoteというアプリケーションもその一例に挙げられますし、twitterやGithub、QiitaやDribble、podcastなど、デザイナー・エンジニアともに優秀な人材ほど各所で名前を聞くことが多く、その活動まで追うことができるでしょう。
メンバーが誰をフォローすべきかわからない場合、色々なところにアンテナを貼ってもらうのはもちろん、大きなセミナーやカンファレンスに参加することをオススメしています。

実際にカンファレンスなどで話を聞き、気になる人をフォローし、その人がフォローしている人をさらに追ってフォローし...そのうちにどんな人に感銘を受けるのか自分でも判断ができるようになっているのではないでしょうか。

お手本になる人物ができれば、その人物を師匠として、見えないところで技術を盗むことができます。そしてまた自分もいつしか誰かの師匠になれるかもしれません。

これからのキャリアアップ

これはwebという媒体に特化したIT業界にいる我々だけにできる成長プランです。そしてこれこそが「これからのキャリアアップ」と自分は考えています。

師匠から学んだことは業務に生かすことができます。
IT業界の風土として、会社にもよりますがチャレンジ精神旺盛なことが多く、挑戦しやすい土壌が存在しているため、社内で実績を立てることにつながります。

もし自分がなりたい理想像が社外の師匠を通して見つかり、それが今在籍している企業・部署では達成ができない場合、転職や異動も選択肢に入ります。
しかし、それも前向きであれば重要な一歩になるでしょう。管理職はメンバーの成長を最優先に考えるべきです。それが本人のためになるのであれば自分は応援してあげるのが正しいと考えます。

このように、決められたレールを歩くのではなく、アンテナを高く立てて、自分から情報を取得し、会社に還元できる人材が求められています。
その結果が自身のキャリアとしてついてくるのではないでしょうか。

次にIT業界の移り変わりが早い問題について考えます。

IT業界の移り変わりが早すぎ問題

我々がいるIT業界という世界は移り変わりが早いです。
技術の進歩が早いのは本当に素晴らしいのですが、キャリアを考える上で、自分の将来が見えにくくなっている問題も生まれています。

例えば、Node.jsが生まれ、javascriptの包括する範囲が劇的に広まったことで、フロントエンドエンジニアという職種が定常化しました。
これにはBackbone.jsなどを経て、React.jsやVue.jsを用いたSPA + SSRが当たり前になってきた背景が存在しています。
UXデザイナーという職種が日本にも浸透してきており、マーケティングやサービスデザインの手法は絶えずアップデートされています。
グラフィックデザイナーも見た目を作ることは当たり前で、徐々に情報設計やユーザー体験の質を求められることが当たり前になりました。ツールもPhotoshopやIllustratorではなく、AdobeXD、SketchやinVisionなど多様化しています。
ブロックチェーンを用いた仮想通貨や、ディープラーニングのようないわゆる機械学習についても数年前に予想できた人は多くないと感じます。

このように情勢の回転が早いため、5年後に何をしているべきなのかが見い出しづらいのが現実です。
ではこの問題をどのように解決すべきでしょうか。

先に申し上げると、この問題は根本的な解決ができないと自分は考えています。そもそも業界の予想がつかないのであれば、それはもうどうしようもありません。

だから、誤解を恐れずに言うと、予想することをやめることをオススメします。これには賛否両論あるのは理解しているのですが、「偶発性計画的理論」という考え方をご紹介します。

偶発性計画的理論

偶発性計画的理論はキャリア論に関する考え方です。
いくつかのwebページでは以下のようにまとめられています。

計画された偶発性理論(英語: Planned Happenstance Theory)とは、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提案したキャリア論に関する考え方。 個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される。その偶然を計画的に設計し、自分のキャリアを良いものにしていこうという考え方。
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計画的偶発性理論
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%88%E7%94%BB%E7%9A%84%E5%81%B6%E7%99%BA%E6%80%A7%E7%90%86%E8%AB%96
変化のスピードが速い現代では、10年以上先の未来なんて誰にも予測できない。 それなら、予測できない未来への計画というのはほどほどにして、いま想定できる出会いや出来事をベースに、キャリアを広げていこうという発想なのです
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キャリアの8割は偶然? キャリアプランに役立つ「計画された偶発性理論」とは | 20代の”はたらき”データベース『キャリアコンパス』- by DODA –
https://doda.jp/careercompass/compassnews/20150316-12000.html

キャリアを意識すると未来にフォーカスが当たりがちです。
計画的偶発性理論の考え方では、変化の早い業界では未来をよりもイマを意識することが大切だとまとめられていました。
その実践方法を次の項目でご紹介します。

「計画された偶発性」を実践するには

計画的偶発性理論では下に挙げる5つの心がけを行うようにします。

好奇心: たえず新しい学習の機会を模索し続けること
持続性: 失敗に屈せず、努力し続けること
楽観性: 新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること
柔軟性: こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
冒険心: 結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと

新しいことを怖がらず、失敗してもめげないで、直ぐに行動する習慣を持っていよう!という考え方です。そうした姿勢で常にアンテナを高く立てていれば、自分に有用な情報や人が向こうからやってくるというのが根底にあるマインドです。
少しオカルトですが、コミュニティで活躍している人物などは全てこの項目に当てはまることが多いのではないでしょうか。

また、この5項目を実行しようとすると、必然的に自分からアクションを起こすことになります。それは社外のコミュニティなどを筆頭に新しい技術や、自身の考察などを公開することになります。
それは自分をブランディングするための要素になるでしょう。
目にとまることがあれば登壇依頼や執筆依頼が舞い込むかもしれません。それはキャリアアップの1つの形です。

つまり、偶発性計画的理論は以下のようにまとめられます。

未来はわからないからイマできることをおろそかにしない。

月並みに聞こえるかもしれませんが、キャリアを考えたときに、この考え方は意外とたどり着きづらい境地にも感じられます。
自分はこれらをメンバーには伝えるようにしました。

まとめ

少し長くなってしまったため、まとめにします。

課題
キャリアが見えないのはなぜか?

原因

・シニア層としてお手本になる人材が社内に存在しない
・業界の変化が早すぎて予想がつきづらい

解決策
・社外でお手本になる人物を見つけてフォローする
・計画的偶発性理論にもとづいて行動をしてみる

もっと細かいところで様々な課題が存在しているため、本記事は課題に対するアプローチの一例として捉えていただければと思います。

自分と同じように部下や後輩に対してキャリアの相談を受け、何かしら提示することを期待されている立場にいる人の少しでも役に立てば幸いです。

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社内カースト最下層のフロントエンドエンジニアです
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