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PTA役員と仕事の両立が不安に思っている人へ

春からPTA役員として活動を開始する人は、仕事との両立で少なからず不安を抱えているのではないでしょうか?
PTA役員に選ばれた人の中には、積極的に立候補した人もいれば、やりたく無かったけど選ばれてしまった人もいるでしょう。
特に昨今のPTA活動は、新型コロナウイルスの影響で活動することが困難な状況が続いています。
私は令和2年度に小学校のPTA会長を経験しており、その中で学んだことは多く、仕事にも活かせている自覚があります。
そんな経験を元に、これからPTA役員になる方へ応援の意味を込めて書かせていただきます。

両立はできるのか?

結論から言うと、両立はできます。しかし、仕事との距離感人それぞれです。
PTAの活動と自分の仕事を両方とも完璧にやることは難しい
ですが、どちらも真剣にやることはできます。
私が思う両立は、どれも完璧にやることではなく真剣にやるということです。
完璧を目指すと、心がしんどくなり、良い結果にはならないでしょう。
PTAでどのような役を担当するかによりますが、おそらく複数人のチームになっているはずです。
その中で助け合うことが重要で、決してひとりで背追い込まないことです。

また、職場にも一定の理解をしてもらう必要があります。やはり、仕事を休まないといけない日が少なからず発生します。
ここで大切なのは、仕事内容を見直すことでしょう。自分が休んでも業務に支障がないように、普段から準備しておく必要があります。
職場で難しいのは、完璧を求められることかもしれません。
ですが、完璧を目指すと、やはりしんどくなります。
職場でも大切なのは真剣にやることです。ポイントとしては、労働時間で貢献するのではなく、成果で貢献することです。
しっかりと仕事で貢献できれば、会社としては問題ないはず。
あとは、労働者の休む権利を使えばいいのです。
個人的には、こういった事情を理解してくれない職場には良い未来は無いと確信しています。
人それぞれ職場での立場が違うので、一概に正解を言えるわけではありませんが、PTA活動との両立に関係なく、普段の仕事のやり方を見直すことはとても重要なことです。

PTA活動と仕事の両立はできます。しかし、完璧を目指すのではなく、真剣にやることが大切です。

PTAとは?

そもそもPTAって何?という人は多いのではないでしょうか。
何のために存在しているのか気にしてことのある人は少ないと思います。
PTAとは『Parent(親)-Teacher(先生) Association(協会)』の略です。

PTAの元になる団体明治時代に日本各地で設立されました。「後援会」「保護者会」などの名称で活動をしており、学校の経済的な支援が目的で、教育活動に関わることはほとんどありませんでした。
その後、戦争の時代になりこれらの団体の活動は一時停滞します。
しかし、終戦後に荒廃した学校や教育を支える団体の活動が各地で再び始められました。これが後のPTAの精神を先取りするような活動や運動に発展していきます。

PTAの誕生は、終戦後にGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)からの要請で派遣された教育使節団が作成した報告書に、いくつかの箇所PTAの理念に及ぶ考え方が示されたことから始まっています。

その後、日本国内で様々な議論がなされた後、現在のPTAが出来上がりました。
PTAは教育を本旨とした団体であり、営利を目的としてはいけません
また、PTAは「任意加入の団体」であるため、結成・加入を義務付ける法律の規定は存在しません。
よって、結成・解散および参加・脱退することができます。
しかし、現状はPTAに加入することが暗黙のルール化しているような印象があるのは事実です。学校はPTA会費で集めたお金の一部を学校教育で必要な物品購入に使っているところもあります。

メリットとデメリットは?

PTA役員を経験することにはメリットデメリットの両方があります。
良いこともあれば、良く無いことも当然あります。
ですが、メリットの方が多いと思っています。正確には、「メリットが多いと思うようにする」ですね。

デメリット
・会議の回数が多い
・古い制度が残ったまま
・多くの時間を使う
・前例が無いことに弱い

メリット
・発言の大切さが分かる
・伝え方の大切さが分かる
・お金の大切さが分かる
・資料作成の練習になる
・組織運営の基礎が学べる
・視野が広がる
・普段からの立ち振る舞いが変わる
・人脈が増える
・教育現場への理解が深まる
・子どもたちへの考え方が変わる

言い出すとキリがないくらいありますが、メリット・デメリットを要約すると、やはりデメリットは無駄が多いことでしょう。
「無駄が多い」とは、「古い制度のままで、時間がかかることが多い」ということです。
昔からのやり方が今も変わらず残っていることが多々あります。例を挙げると、手紙などを紙で配布することや、毎月の会議などです。
会則で定められていいるものも多いので、簡単には変更ができないことがあります。
また、前例が無いことには弱く、保守的になりやすいことも挙げられます。
例えば、新型コロナウイルスの影響で予定している行事をどうしていくかなどです。
私が会長を務めていた頃は、初期の感染拡大の時期でした。世界中で感染が広がり始め、このウイルスが一体何なのかがわからない状況です。
そんな前例がない状況下ではPTAとうい組織は機能しませんでした。
一般的な会社であれば、活動しづらい状況でも何とか活動する方法を探すでしょう。しかし、PTAとうい組織はとても弱く、保守的な組織だったのです。

一方でメリットは組織運営の基礎が学べることと、考えが深まることにあります。
多くの方は組織の中で働いているでしょう。ですが、組織を運営する立場になる経験はあまりないかもしれません。特に本部役員となれば発言の機会が増え、影響力があります。また、本部役員ではなく各部の一員として参加する場合でも、発言の力は強い傾向があります。
その発言をするためには、考えをハッキリさせておく必要と、色んな意見を受け入れる必要もあります。
結果、物事の理解が深まることになり、視野が広くなります。
そのように積極的な発言や姿勢が組織に良い影響をもたらすと、デメリットで述べた「前例が無いことに弱い」などの状況も改善できます。
良い発言をし、議論を重ね、最善の判断をして、前に進むことが可能になるのです。

このような貴重な経験は仕事の上でも役に立ちますし、私生活でも必ず活かせます。
課題発見・情報収集・議論・判断・実行・検証など、ビジネスで必要なスキルを責任ある立場で経験できるのです。

活動の本質を大切に!

PTAの活動をしていて、つい忘れがちなのが活動の本質です。
皆、仕事や家事など何かと忙しい中でPTA活動に参加しています。
なので、発言や議論の内容が大人の都合になっていることが多いのです。
本来は学校に通う子どもたちの教育環境を支え支援することが目的であり、その教育環境を維持もしくは向上させることが本質であると思っています。

よくある話に、会議の回数が多いや行事が多いなど「PTA活動には無駄が多い」という人がいます。たしかに、PTAの活動には古くから続くやり方が残っており、今の時代に合わないことも多くあります。
そうしたことを今の時代に合ったやりかたに変更しようとすることはとても良いことでしょう。
しかし、その変更の理由大人の都合になっていることが多いのです。
当然、PTAを運営していくのは大人です。その大人が活動しやすくしないといけないのは確かです。ですが、何らかの変更を議論する場合は、それが子どもたちのためにもなるのかを合わせて議論する必要があるでしょう。そしてこういった議論は深く考えていかなければいけません。

変更したことによって、子どもたちにどんな不利益があるかをしっかり考える必要があります。
例えば、感染予防対策として行事の中止を判断した場合、子どもたちから経験が一つ無くなります。
それが年間通して何回もあると、ものすごい量の経験がなくなっているのです。
子どもたちはPTAの行事だけではなく、本来なら楽しく過ごせていたであろう校外学習や修学旅行、給食の時間や課外活動など、十分とはいえない環境の中で過ごしているのです。
そうしたことも頭に入れて変更の議論をすることが好ましいでしょう。

最後に


PTAは各地域ごとでやり方や役割が異なります。
仕事や家事で忙しい中、PTAの活動をやっていくのに自信が持てないのもわかります。
ですが、決して悪いことばかりではありません
これからの仕事や生活で役に立つ経験を積めるチャンスでもあります。
むしろ、チャンスと捉えたほうが気持ちも楽になるのではないでしょうか。
きっと前向きに活動に取り組めると信じています。

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