ゆき

20代の社会人。恋愛の事、多めです。

ゆき

20代の社会人。恋愛の事、多めです。

最近の記事

繋がれたイヤホン

私の髪の毛は先っぽ5センチくらい、黒髪の中に少し明るい茶色の髪が混ざっている。 私の髪の毛が全て茶色だったあの時、隣には煙草が好きな彼がいた。 いや、彼がいるようになってから茶髪にしたんだっけ。 煙草を吸う人は嫌いだったけど、好きになってしまってから居酒屋で「吸ってもいい?」なんて言われちゃってから、何でもない日のプレゼントに、いつも吸ってる煙草をプレゼントしたら喜ぶかな、なんて、胸ポケットから見えた英語を覚えて携帯にメモした。 電車の中ではよく一緒に音楽を聴いた。

    • 親知らずを抜いた。痛い。

      痛くて眠れない。鎮痛剤が効くまでの間、自然に眉間にシワが寄ってしまう。 いだい。どでもいだい。 「いずれ抜きましょう」と言われていた左右2本の親知らずを、仕事が落ち着いているこの期間に抜くことに決めた。 家族も友人も、「そんなに痛くなかったよ」と言うのでヨユーぶっこいていた。父は「下の歯だったけど鎮痛剤ひとつも飲まなかったよ」と。なーんだ全然平気じゃん。 確かに抜歯中は麻酔のおかげで何も感じなかった。 なんだなんだ、やっぱり全然大丈夫じゃん!親知らず! しかしどう

      • 私がゲームをしない理由

        ゲームは好きだ。 家でじっと本を読んだりネットサーフィンをしたり、SNSを見たりするのが好きな私はゲームだって好きだ。 しかし、時間があるこんな時でも、一切手を出さない。暇で暇で仕方ないのに。 理由は、「極めるまでやってしまうから」。 性格からなのか、一度始めたゲームは極めるまで何百時間でもやってしまう。 しかも、やるからには一番でありたい。 うーん、面倒くさい性格だ。 仕事は全く完璧主義じゃないのに… ディズニー「LINEツムツム」をご存知だろうか。 例により、最

        • step by step.大嫌いな英語。

          stay home. よし、英語の学習をしよう!そう思った人も少なくないでしょう。私もその1人だ。一緒に頑張りましょう。 あ、これは「英語が上達する方法」を書いたわけではない。 英語が嫌いで苦手な私の、無理矢理やらざるを得なかった「英語学習」において、印象に残っている英会話の先生のことを思い出したので、ちょっと書いてみる次第です。 70歳近いニュージーランド出身のおじいちゃん先生は、私がただ知っている単語を並べるだけのカタコトの英語を一生懸命聞いてくれて、絶対間違ってい

        繋がれたイヤホン

          好きな人に会いたい。

          そろそろ寂しい。しかし彼はそうでもないみたいだ。それを余計に私を寂しくさせる。 *** 私達は週に2度は会っていた。 会社が終わると、時間によっては待ち合わせて一緒に帰り、彼の家で夜ご飯を食べる。週末はどこかに出掛け、出掛けない日は彼の家で映画を見た。ベッドの中ではいつも優しく愛の言葉を沢山かけてくれた。 はっきり言って幸せである。 しかしある日を境に会えなくなった。 「ある日を境に」というのも「会わなくなった」と言うのも少しおかしいが、ある日の話し合いを最後に暫く会

          好きな人に会いたい。

          彼の面影

          近所のコンビニで買い物を終え、外に出ようとした時、入れ替わりで1人の男性が店に入ってきた。 …あれ? 灰色のパーカーを着たその人は、大学生の時に付き合っていた人の、あの頃の姿に似ていた。 彼とは家が近かったから、彼もこのコンビニに寄ることは十分に有り得る。 反射的に私は、買い忘れたものを思い出したかのように引き返し、その人に近付いた。 そう、反射的に。 その人はお弁当の陳列棚をじっと見つめ、なかなか動かなかった。 結局その人はマスクをしており、横顔の、更に前髪に半

          彼の面影

          CHANELの残り香と、あなた

          私が大学生の時、年上の、スマートな男性とお付き合いをしていた。 私には持っていないものを全て持っている彼は私の憧れの人でもあった。私は彼に何ひとつとして勝てなかった。 彼は私の知らない洋楽を、高級レストランを、お酒を、芸術を、ファッションブランドを、大人の考え方を、私に教えてくれた。 オトナを知らない私は、彼に少しでも近づこうと、そして愛想をつかされないように毎日努力した。背伸びしていたが、そんな自分が嫌いじゃなかった。 「香水とか、つけないの?」 ある日彼が聞いて

          CHANELの残り香と、あなた

          自分甘やかしDAY

          私は2ヶ月に一度ほど、「自分甘やかし&メンテナンスの日」を作る。 休日に、例えばマッサージ、整体、美容院、渋っていた歯の定期検診、エステ、基礎化粧品を買いに行く、などなど… これを2つ3つ組み合わせて、丸一日たっぷり自分と向き合う日を作るのだ。 元はと言えば、どうせ外に出るなら「時間がある時に行きたいけどなかなか行けない」予定を全部まとめてしまおう、と始めた事だったが、これが良い。 歯医者に行けば、歯を清潔に保つ方法を改めて教えてもらえる。 エステに行けば、自分の肌の

          自分甘やかしDAY

          12月26日

          クリスマスの翌日。 毎年何でもなかったこの日、今年はちょっぴり悲しく感じた日だった。 昨日まで溢れていた街のクリスマスソングがピタリと止んだ。 チキンのCMがお節料理のCMに変わった。 駅前の花屋がポインセチアからお正月飾りに変わった。 街の赤や緑のポスターが無くなった。 会社のロビーに置いてあったら大きなクリスマスツリーが、朝出勤した時には無くなっていた。 仕事納め〜とインスタのストーリーに楽しそうな動画を載せる友人が恨めしく感じ、急に「年末」に向かう世間に大して悲し

          12月26日

          私の、ずっと大切にしたい、味方。

          どんな事があっても、この人だけは自分の味方でいてくれる。そういう人が一人いるだけで、日々頑張れたりする。 なんて単純な女なんだろう。 ※※※※※ 休日の翌朝、出勤早々上司に呼ばれた。嫌な予感は的中。週末私が処理したものに抜けがあり、クライアントと上司にとんだ迷惑を掛けていた。 話を聞きながら自分でも真っ青になるのが分かり、出勤して暫くはその処理に追われた。 処理…と言ってももう私は上司に経緯報告と頭を下げることしか出来ず、相当、落ち込んだ。 一日、ガタガタになりそう

          私の、ずっと大切にしたい、味方。

          誰も知らない一日

          仮病を使って会社を休んだことが一度だけある。 そういう経験って、誰にでもあるのだろうか。 如何せん、同僚が風邪で会社を休んでも風邪だとしか思わないわけで、仮病を使っているかなんて本人しか知らないのだ。 ********* 私は高校3年間皆勤賞で卒業式で表彰された。部活も一度もサボったことは無いし、勿論今まで会社も休んだことがなかった。 ただ、ある日突然「明日会社行きたくないな」と思った。 そう、火曜日に休んだから、月曜日にぼんやりと思ったのだ。 細かく言えば、日曜

          誰も知らない一日

          女の上書き保存

          今日は元彼との記念日らしい。 毎日飽きずに書いている「5年日記」で、2年前の私が教えてくれた。 そう言えばそうだったなぁ、くらいに思った。 男は別ファイル保存、女は上書き保存、とは上手い例えである。 今までお付き合いした男性達を、私はそれぞれ心から愛していた。好きで好きでたまらなくて、永遠に一緒にいたいと思っていた。 しかし不思議な事に、今彼らを思い出しても、彼らと過ごしたカラフルな日々を思い出しても、あの日の自分の感情は全く思い出せない。 別れようと言われ流した大

          女の上書き保存

          大人になった女子高生。

          9月最初の月曜日。都心へ向かう電車に乗る人の平均年齢がグッと下がった。 彼らはGWやお盆明けのサラリーマンほど絶望的な顔をしていない。なんならちょっと生き生きしているかもしれない。というか休み明けのサラリーマンの顔が酷すぎるんだ。自分もそうだけど。 高校生。JK。DK。果たして「DK」という言葉があるのかは置いておいて、今思うと彼らは最強だ。 体力、精神力、なんでも知っていると思っているが何も知らない彼らに怖いものなどない。 かつて私も最強だった。 寒さ知らずの生足

          大人になった女子高生。

          SNS VS ブルーライト

          目を瞑っても、なかなか寝付けない理由は分かっている。 一日の終わり、1人優しい温もりに包まれた中で最早習慣と化したその行動は、至福の時間でもある。 「寝る1時間前には携帯から離れましょう。」そんなことは分かっている。頭では。 Twitterをはじめ、手元の画面に並べられたSNSのアイコンを慣れた手つきでタップしては、上下にスライドする。 敢えて言う。それらに特別な用はない。 SNSタイムが無くなろうと、明日の生活に特に支障が出る訳でもない。 いや、逆に、このSNS

          SNS VS ブルーライト

          仕事が忙しい父のこと。

          社会人になってからやっと気付いた。父、強し。 父は、私が寝てから帰宅する。 そして私より早く起きて会社に行く。 職場が遠く、私が寝るのが早いというのもあるが。 休日は家事を手伝ったり、車で母と買い物に行ったり(母は運転免許を持っていない)、たまに草むしりもする。田舎に住んでいる父の両親の面倒を見に、朝早くから片道4時間かけて出掛けることもある。 そして月曜日には、また満員電車に乗って会社ヘ行くのだ。 私が小さい頃には毎週公園に連れて行ってくれたし、受験前には付きっきり

          仕事が忙しい父のこと。

          朝帰りの女の子

          ちょっとほっこりしたお話。 片付けなくてはならない仕事があって、朝5時に家を出た。正直そんなに早く出なくても間に合うのだが、これが30分遅くなっただけで電車のシートは埋まってしまう。 座って通勤したいから早起きする、そういう人も少なくないはずだ。 そう、それで。朝5時に家を出て、駅の方から住宅街へ歩いてくる女の子とすれ違った。多分、大学生。 彼女は薄手の落ち着いたワンピースに、ちょっと大きめのグレーのパーカーを羽織り、手元の小さな画面を見て歩いていた。 私は勝手にゆ

          朝帰りの女の子