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ビル的な納まりと住宅的な納まり

失礼を承知で近くでみた家並みについて感じたことを書いてみます。

上の写真ですが、とても立派なお宅だなあと思うのと同時にちょっと「ビルっぽい納まりだなあ」と感じます。もうこれは好き好きの問題としか言いようがないのですが。色々な部分が石の床とタイル貼りの花壇、石の床と石貼りの門などが全部「硬いもの」と「硬いもの」がぶつかる納まりのことを「ビルっぽい納まり」と私は呼んでいます。多くのゼネコン(大手の工事会社)がやるとこのようになるだろうなあっていう納まりのことです。

ちなみに「納まり」というのは細かいところの作り込み方と言えばいいでしょうか。実は建物や門周りの印象を大きく変えるのでとても重要です。

例えばこちらのお宅をもし私が設計した場合こんな感じに門周りを作るかなって思って描いたのが次のスケッチです。

間違い探しのようですが変えたところ。これはあくまでいろんな可能性があるという例ですので参考に読んでみてください。


1)おそらく車椅子対応だと思うのですが左の入口のところがスロープになっていたのをステップにしました。(これはあくまで見た目の話なので、状況次第ではスロープにしないといけないかもしれません)ちょっと話がそれますが、スロープは車椅子にとっては良いのですが、一般の人にとっては長いスロープって案外歩きにくく疲れるものです。今は元気だけど将来の為にとスロープにする方がいますがそれはあまりお勧めできません。

2)右の門へ続く道と左の間に植え込みを設けてそこにシンボルツリーを植えた。元の写真では左の花壇の中に大きくなる木が入っていて窮屈そうでした。

3右のゲートを奥行きが感じられるR状にした。全体にカシっと硬い感じを少し和らげてみました。(もちろん好みの問題です、どちらがいいというのではありません)

4)右の花壇を少し低くした。

どうでしょうか。写真と絵という違いはありますが、全体に柔らかくなったと感じませんか?そうなのです。石と石など硬いもの同士をぶつけないでその間に植物を入れることで、景色が柔らかくなるのです。

「住宅っぽい納まり」になりました。

細かいことだけど大事な「納まり」についての話でした。


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