デートアプリDine(ダイン)の中の人に本気で伝えたい、たった一つのこと

ツイッターでは書ききれないので、noteにも載せておきます。経緯としてはこちらのtogetterにまとめましたが、デーティングアプリであるDine(ダイン)というアプリの公式アカウントが非常に不適切な発言を行い、それに対して運営会社の上條景介社長も「何が問題なのか全くわかっていない」という件についてです。

今(2019年7月16日)も、このツイートは削除されることなく残っており、また謝罪や声明なども一切出されておりません。「問題ない」と判断されているのか、「何が問題なのかわからない」のかはわかりませんが、以下わたしが思う問題点を書きます。

何が問題なのか?

デーティングアプリDine(ダイン)公式の元ツイート発言はですね、そもそも「性的同意」を徹底的にないがしろにしてる点だと思います。「そんなつもり(セックスするつもり)じゃなかった」というのは、本来、いつ・どこで表明したっていいし、尊重されるものです。

ところが、Dine(ダイン)さんのように、「ホイホイ着いてきた」とか「被害者ヅラ」とか評価することで、「女性がノーという言うまでの行動(例:家まで来てること)が不適切(危機管理がなってないか)ではないか?」と批判されたり、その行動自体が「被害者ヅラ」などと言われ、貶められる…その結果女性の「そんなつもりじゃない」という意思表示自体が大事に取り扱われなくなったり、下手すれば、そのような価値観を内面化した女性がノーと意思表示すること自体が難しくなってしまうんです。

こういう価値観を持っているのはDine(ダイン)さんだけではありません。今、日本では「性的同意」が非常に軽視されています。

「二人で飲みにきてここまで酔いつぶれるってことはOKのサイン」

「家に行ったんだから、わかってるだろ」

「そこまで抵抗してないってことは“そういうこと”だろう」

こんな言葉が平気で、実際の性被害者にも投げかけられます。被害者にさらなるダメージを与える「セカンド・レイプ」です。

Dine(ダイン)さんの元ツイートは、性行為自体がない場面を想定されているとはいえ)発想自体は実際に事件が起こってしまった時に被害者を責める「セカンド・レイプ」にすぐつながりかねない危険な考えなのです。

Dine(ダイン)さんはその後、以下のような釈明ツイートを行い、上條景介社長も、以下のようにツイートすることでレイプという犯罪行為を肯定していないと主張しています。



しかし、レイプがダメなんていうのは最低限というか、当たり前のこと。Dine(ダイン)さんは、表面上はレイプを否定しながらも、「自衛」だとか「密室に行かない」ことばかり強調し、実質的には女性の「性的同意」を尊重するということを軽視しています。このようにデート・レイプ・さらにセカンド・レイプに繋がりかねない姿勢を示しているからこそ、批判されたのです。

性犯罪のツールとして使われるデーティングアプリ

Dine(ダイン)さんの発言がさらに問題だと感じるのは、これが「デーティングアプリ」の運営から発された言葉だということです。

Dine(ダイン)さんはそもそもアメリカとカナダで先にローンチしてから日本で展開しているようなので、海外におけるデーティングアプリの置かれた立場については認識しているはずですが、諸外国では、Tinderなどのデーティングアプリを利用して、連続的な性犯罪を犯すケースは複数報告されており、それに対して、プラットフォーム側の責任を問う声も上がってきています。

今のところ、デーティングアプリ側に法的責任を認めた例はありませんが、もしも、当然社会的責任を問われます。具体的には、ユーザーの身元調査をしっかりすることや、過去に犯罪歴のあるユーザーをバンすることなどが議論されています。

またデーティングアプリ側も「安全なデートの手引き」をユーザーに周知することで、犯罪の抑止を図っています。

例えば、Tinderには、「Dating Safety Tips (安全なデートのコツ)」というコーナーがあり、「急いで会わない」とか「密室に行かない」などの自衛を呼びかけるセクションもありますが、「同意」についてのセクションがしっかりとあります。※ゲイ向けアプリのGrindrにも類似のコンテンツがあります。

Consent
All sexual activity must start with consent and should include ongoing check-ins with your partner. Verbal communication can help you and your partner ensure that you respect each other’s boundaries. Consent can be withdrawn at any time, and sex is never owed to anyone. Do not proceed if your partner seems uncomfortable or unsure, or if your partner is unable to consent due to the effects of drugs or alcohol. Read more about it here.

同意はいつでも取り下げられること、相手が居心地悪そうだったり、微妙そうだったり、お酒やドラッグなどによって同意できない場合もやめること、などが説明されています。

つまり、はじめは「そんなつもり」で部屋に行ったけれど「やっぱり気が変わった」っていうのも全然ありなのです。それを「ホイホイついてきて」「被害者ヅラ」なんていうほうが、おかしいのです。

Tinderは、セーフティーチップの最後に、性暴力やDV被害者向けのホットラインのリストも載せています。このような説明書きはTinderが「性的同意」を尊重するという姿勢の現れでしょう。

Dine(ダイン)さんに考えてほしいこと

別にTinderの真似しろとは言いません。

でも、もし今、仮にDine(ダイン)さんがきっかけとなったデートレイプ事件が万一起こってしまったとしたら。あなた達は何というのでしょうか?「ホイホイついていった」「よく知らないのに密室に行ったのが悪い」と言うのでしょうか?

そんな酷いことは、言わないはず、と信じたい。

でも。

これまでのDine(ダイン)さんのツイートでの対応を観ていると、なんだかそんな風に言いだして、被害にあったユーザーの方を「セカンド・レイプ」しかねない……そんな危うさを感じてしまうのです。

Dine(ダイン)さんが、単なるいち個人ではなく、「会うこと」にフォーカスしたデーティングアプリの企業だからこそ、お願いです。一度、ユーザーが御社のデーティングサービスを安心して使えるために、必要なものは何なのか考えてみてください。

そして、今、多くの性暴力被害者たちが「ホイホイついていった」と自分を責めたり、そう言われることを恐れて被害を訴えることすらできない現状を考えてみてください。

一人でも多くの人が、安心して「デート」を楽しめるように。

デーティングアプリにできることって、きっとあるはずです。

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イチカワユウ

アメリカ在住ブロガー。セクシャリティや反差別関係のことを書いていきます。 http://www.atashimo.com/
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