見出し画像

女と子どもに危険な街「秋葉原」に女性ライターが行ってみた!|「2023年のアキバは売春の巣窟!児童ポルノにあふれている」のは本当か?

筆者は過去に仁藤夢乃氏が代表を務める一般社団法人Colabo問題について書いてきた。

だけど、しばらく更新しなかったのは、筆者の中では「法改正しかない」と結論が出ていたからだ。

2023年1月30日の段階でした未来予測は、今になると正しく、やはりColaboはそのまま活動し続けている。

https://note.com/yu_iino/n/n6d2a002c9547?magazine_key=m7c1ec9c17ab5

介護・福祉系ライターの筆者からすると、社会福祉法人にしろ、それをゆるくした一般社団法人にしろ、ザル会計なのも内部留保が問題になっていることも、今に始まったことではない。

そこで圧力をかけられてまで書く意義を見失っていた。暇空茜氏は現在、「共産党を手下にしているのが公明党だ!!」といった論調にシフトしている。

https://twitter.com/himasoraakane/status/1704364770965799081

介護・福祉の歴史と共産党・公明党の関わり

介護・福祉視点から見ると、介護保険法(2000年に施行)・障害者総合支援法(2013年に施行)前に、高齢者や障害者を支援していたのは誰なのかという話になる。その歴史を知ると、公明党や共産党がColabo(というよりも福祉ジャンル)に絡んでいるのは不思議なことではない。

法施行前は、主に社会福祉協議会が中心となり、福祉系大学などの学生がボランティアで家族や当事者をサポートしてきた。現在、50代以上の支援者に取材をすると「ボランティア後に自己批判の時間があった」「統括があった」などの声はざらに聞く。そういう成り立ちなのが介護・福祉の世界。筆者自身もボランティアで困窮者支援をしたことがあるが、協力してくれるのは公明党の議員さんたちだった。障害当事者の中には「共産党の議員さんに手続きを助けてもらった」などの感謝の声は多い。それだからといって、公明党や共産党のシンパになったとか、入党しましたという人の方が少数だ。筆者自身も公明党のシンパになったわけではない。単に「自民党の議員さんは動いてくれない」というのが感想だ。

興味をまた持ったきっかけはX(旧Twitter)の投稿だった

アキバ界隈に詳しい やん氏の投稿やnote記事読んでいた筆者は純粋に秋葉原への興味をそそられた。

https://x.com/skd7/status/1701510149700239871?s=20
2023年9月11日 の仁藤氏の投稿
https://twitter.com/colabo_yumeno/status/1701204756306579837
2023年9月11日の仁藤氏の投稿
https://twitter.com/colabo_yumeno/status/1701204169179500718

日本政府は20年前から児童買春に何の手も打たず、秋葉原は性的搾取の現場

Colaboの仁藤夢乃氏は、著書『難民高校生 ― 絶望社会を生き抜く「私たち」のリアル』の中で「秋葉原のメイドカフェでメイドをしていた」と書いている。調べてみるとその主張自体が怪しいのだが、Xでの投稿を読む限り、日本政府は20年前から児童買春に何の手も打たず、今も秋葉原は性的搾取の現場となっているようだ。

https://amzn.to/3ET1ciD
amazon.co.jpより引用

X'(旧Twitter)でも「キモイ」を連発して秋葉原・オタク叩きをし、国際問題にまで発展させた仁藤氏だが、その前提条件である秋葉原は2023年9月現在も、児童買春の現場なのか。彼女が支援すべきはそういった少女たちであり、秋葉原は支援すべき人であふれているはずだ。

しかし、筆者が確認する限り、2016年1月16日の段階で、ITジャーナリストの本田 雅一氏は「秋葉原"少女売春が放置されている街"の真実‘」の中で

“溢れんばかりの児童ポルノと児童買春・売春が集まる風俗の街・秋葉原というレッテルは、必ずしも正しくないというのが、実際にこの街を取材した筆者の結論だ。同じような光景は、世界中のさまざまな地域で見られる。”
と結論付けている。

やん氏にガイドをしてもらって買春の巣窟 秋葉原へ

周囲の男性たちの声ややん氏の記事を読んでいても、その前提自体が実態と異なるように感じていた。百聞は一見に如かずだ。筆者はやん氏にガイドをしてもらい、実際の秋葉原を見に行くことにした。

筆者が通っていた高校は渋谷近辺、大学は池袋だった。渋谷・新宿・池袋などは今もターミナル駅として利用する

だけど、秋葉原で働いている・住んでいる・いわゆる「オタク文化」が好きでもなければ、山手線圏内の駅を利用していても下車したことがない人も多いのではないか。

筆者は少なくともそうで、初の秋葉原だったのだ。

やん氏との約束より早く到着した筆者は、どんなにいかがわしいところなんだろうとビクビクしながら駅周辺を見渡した。まず目に入ったのは、駅前で客引きをするコスプレ女子と外国人観光客の多さだ。

駅前で客引きをする女性(違法)

後からやん氏から「駅前での客引きは違法です」と言われるまで「かわいいコスプレの女の子がいっぱい」とテンションは上がりまくった。

ガイド やん氏の到着 秋葉原巡りスタート

駅前に到着したとガイド やん氏から連絡が入った。やん氏の写真は「小指でもダメですか?」「後ろ姿もダメですか?」と聞いてみたけど、NGだった。

秋葉原について発信しまくっているやん氏。仁藤氏曰く「女の子に群がるキモイオタク」的な人なのかと思っていたが、どこの街でも見かける線の細い会社員男性といった感じだった。

周囲を見回しても、「The オタク」みたいな男性が多いわけでもない。観光客もいれば、子連れの親子もいる、ビジネスマンもいれば、かわいい女の子もいる。コスプレ女子もいる。筆者のような一眼レフを首にかけて、ICレコーダーを持ったおばちゃんも溶け込める秋葉原駅前。正直、渋谷や新宿・池袋に比べたら、物騒な感じがなくむしろクリーンな印象を受けた。

いよいよ秋葉原の中心地へ

客引きをするメイドさんやコスプレの店員さんが路上にたくさんいた。

路上で客引き・ビラ配りをする少女たち

やん氏「今は規制が厳しいので路上にはみ出して客引きしている子はいないでしょう」

その言葉の通り、道の端に整列して、客引きをするかわいいコスプレ女子。見回す限り、その女の子たちに群がる「キモイ男性たち」はいない。

やん氏「そういう男の人がいるにはいるけど、“ごきぶり”と言われて、ビラ配り・客引きのキャストたちに嫌われています。ただ、秋葉原の街視点で見ると“ごきぶり”はそのビラ配り・客引きをしているキャストたちのこととも言えます。
“コンカフェやメイドカフェを使わないけど、秋葉原に来る”という人たちの中には、男性でも、この手の店への嫌悪感を強く抱く人たちがいます。見張り役が女の子たちをガードしているので、キャストをじろじろ見たり誘ったりはできません」

それはそうだろう。筆者がそこまで写真撮影をしていないのも、さすがに見張り役の男性たちを撮影する勇気がなかったからだ。そして、秋葉原といえば、電気街というイメージが強い人も多いだろう。そこに住んでいる地域住民だっている。そういう人から見れば、ビラ配り・客引きをしている側の人間が“ごきぶり”だ。

また、最近では、見張り役を女性がやっているケースも多く、その主な目的は「バイトの女の子たちがサボらないように見張ること」なのだ。どんなバイトでもそうであるように、JK(女子高校生)のバイトなんてそんなものだろう。思い返せば、筆者もバイト中にいかにサボるか考えていた。

夜は更け夕方~夜の秋葉原

一般的にどんな街も昼間にはダークサイドは見えない。渋谷でも、特定の場所の道路が注射針だらけ……といった状態になるのは夜だ。

百聞は一見に如かず。やん氏に取材をしながら、動画を撮影した。

0:25秒あたりから、客引きの女の子たちが映っているが、やはり道のはしに整列し規則正しく並んでいる。法令を遵守して働く少女たちがいた。「少女たちをいやらしい目でじろじろ見ているキモイ男性」も存在しない。やん氏は、秋葉原にはメイドカフェやコンカフェ(コンセプトカフェ&バー)とよばれる店は飽和しているという。筆者の目にもそう見えた。

悲壮感があるとしたら、歩道に出て客引きを表立ってできない女の子たちだ。時給を引かれるのか、ノルマはあるのか、そっちのほうが気になった。

ただ、そういった労働基準法違反行為をする業者がいたとしても、それは「初めてバイトするのならば、きちんとお店を選ぼう」という話だ。初めてのバイトがブラック企業だった。それはどの業界でもある話だ。

やはり夜にもいるおサボり少女 スマフォに夢中

ここで気づいていただきたい。筆者がやん氏とともにこの写真や動画を撮影していたのは、19時~21時の間だ。やん氏は前述のとおり、マッチョで強面の男性ではない。筆者は身長153㎝の小柄なおばちゃんなのだ。その2人が歩いていて、「売春の巣窟」のような場所で、誰にもとがめられずに撮影できるのか。

これが新宿・渋谷・池袋であれば、筆者は撮影をためらった。人が多くてぶつかるし、ぶつかった相手が怖い人なんてことが起きるからだ。撮影できる時点で、かなり安全な場所だといえるだろう。

そして初のメイドカフェ

やん氏は複数のメイドカフェを挙げてくれたが、歩き回っていた筆者はお腹がすいていた。さらに行くのならば、写真も撮影したい。そう伝えると、案内されたのは、「Jam Akihabara」だった。

昭和レトロな雰囲気の「Jam Akihabara」

中に入ると男性は多めだが、女性の1人客もいた。メイド姿の「妖精さん」と呼ばれる女性店員さんがお迎えしてくれた。きゃぴきゃぴした感じで「お帰りなさいませ!お嬢様!」みたいなものを想像していた筆者は、落ち着いた店内に逆に驚いた。

メニュー表に書かれた「お帰りなさいませ ご主人様 お嬢様」の文字
エロというよりもファンシー

「妖精さん」に聞くと「もう15年も働いているんです!ヤバいですよね!」とのこと。バイトを始めたのが16歳(高校1年生)としても、30歳は超えている妖精さん。昔の森高千里を彷彿とさせるまっすぐでキレイな足に目が行く。とてもじゃないけど、30歳を超えていると思えない、かわいらしい女性だった。

「妖精さんの萌え萌えオムライス」を照れながら注文した。

頼むのに気恥ずかしかった「妖精さんの萌え萌えオムライス」
目の前で描いてもらった田口さまと猫のイラスト

「何て描きましょうか?」と問われ、何も思い浮かばなかった筆者は「田口でお願いします!」と回答。「田口ですか?!他の言葉じゃなくていいんですか?」と戸惑う妖精さんに描いてもらう。筆者には10歳の息子がいるが、子どもが喜びそうな演出だ。

店の奥では打ち合わせをしている男性グループもいる。やん氏によると「同人誌を作ってる人やバンドのメンバーが打ち合わせに使うことがよくある」とのこと。

フリーWi-Fiでコンセントもついている席は、打ち合わせに使う人もいるだろう。近所だったら、原稿の締め切り前に利用したくなるような昭和レトロな雰囲気。オムライスもおいしく
大満足だった。

やん氏撮影 筆者

アキバの健全なところだけに行っている?

そう思う人もいるだろう。しかし、やん氏はそういった「健全」な場所だけを選んで筆者を案内したのではない。

渋谷・新宿・池袋にもあるように、秋葉原にも風俗店はある。

風俗店が入居するビル

コンカフェ(コンセプトカフェ&バーの略)にも入店こそしなかったが、客引きの黒服に値段等、聞いた。

男女2人な上に、筆者は首から一眼レフを下げている。さすがにやん氏に指摘され、ICレコーダーはバッグにしまったが、どう見ても怪しい。

値段を聞くやん氏と「女性でも入れますか?」と聞く筆者。
黒服のお兄さんはものすごく戸惑った顔をしながら「女性も歓迎です!」と答えたものの、男性のやん氏に小声で「ブルマー祭り」の話をしていた。チラチラと筆者を見ていたが、その目は明らかに嫌そうだった。当たり前だ。女の筆者に「ブルマー祭り」の話を喜んでする方が変態的な行為だろう。

さすがに中にいる男性たちにとり嫌がらせでしかないので、入店はしなかった。

ラストに行った洋菓子店

秋葉原巡りもラストに近づいていた。最後に行ったのは「みのや菓子工房だった。

みのや菓子工房
https://yasuominoya.com/

こちらでは店内の撮影を許可してもらえたので、撮影させてもらった。最近では、メイドカフェとうたっていなくても、メイド服を採用するカフェが秋葉原に出てきている。

入り口では洋菓子を販売していた
取引先へのお土産にもできそうな菓子類
女性オーナーが創り出す空間は清潔でおしゃれだった

みのや菓子工房」に着いたときには時刻は21時近かった。店内には、常連らしい男性客もいれば女性客もいた。常連さんと談笑するメイド服の店員さんにエロティックなムードはなく、街のカフェという雰囲気。

近所にあれば常連になるかもしれない。

メイドの衣装のお姉さんが明るく迎えてくれた

児童ポルノグッズやアダルトグッズに溢れている?売春の巣窟(そうくつ)?

街の中にはアダルトグッズを売るお店もあった。だけど、どこも18歳未満お断りの看板を出している。

アダルトグッズ店の入り口

買いたい人は買えるけど、目につくところに、あからさまにアダルトグッズが展示してあるとか、児童ポルノグッズがあるなんてことはなかった。

児童ポルノ系グッズは、商品の「萌え絵」が低年齢だなと思う商品もある程度で、全ての商品がそうなわけではない。だからこそ、秋葉原には子連れの家族もいれば、女性客もいるのだろう。

メディアで宣伝されているような「オタクの街」「児童ポルノに溢れる街」などでは決してなかった。

客引きの女性をいやらしい目で見ている男性も見た限りいなかった。メイドやコスプレ衣装に身を包む、JKたちの表情も明るい。女子高に入り込んだような雰囲気と言うのが筆者の印象だ。

これだけJKなり女性が集まっていれば、当然、売春をもちかける男性もいるだろう。絶対にあるはずだ。それはどの街でも同じこと。秋葉原に限ったことではない。それを「売春の巣窟」と呼ぶのはあまりに誇張がすぎる。

おとしめられた秋葉原のイメージ

秋葉原が「街」ではなく「人」で、これだけイメージが貶められていたら、名誉棄損罪レベルの話だ。それは、仁藤氏が著書の中で「友だちからヤリマンと言われ傷ついた」と書いていることと同じだ。街に対して「売春の巣窟」のようなレッテル貼りをすることだって許されない。そこには実際に生活をしている地域住民もいる。

そして、仁藤氏も人権団体の方々もどんな街だったら、満足なのだろうか。

東京に限らず街は日々変わり続けている。だけど、いまだに秋葉原の100倍は猥雑でアングラな新宿のゴールデン街には人が集まり続けている。再開発が進み、清潔で、きれいで皆が住みやすい街をつくると、その街が求心力を失うことはよくある。カオスで雑多な場所が落ち着く、楽しいと思う人は、減りつつあるそういった場所をわざわざ訪れる。

猥雑でアングラで危険な街には魅力があるからこそだ。

現状でもかなりキレイ・かわいい・清潔な秋葉原から、これ以上、何を奪えば気が済むのか。
そして、全ての猥雑な要素をなくした時、秋葉原はその街の魅力を失う。秋葉原は女性の筆者が訪れても楽しい街だった。

秋葉原を危険な場所だと主張する仁藤夢乃氏が現在、支援している場所は?

仁藤氏自身が「性的搾取の現場」と主張している秋葉原。それならば、仁藤氏は当然、秋葉原にバスカフェを出して少女たちを救済しているに違いない。

だが、やん氏によると、現在、仁藤氏がバスカフェを出しているのは新大久保だ。新大久保なら納得である。筆者も夜の新大久保に行ったことがあるが、立ちんぼの女性をところどころで見かけた。

自らが「性的搾取の現場」と言う秋葉原にバスカフェは出さないのだろうか。仁藤氏自身、本当に秋葉原が危険な地域であり続けていると思っているのだろうか。

「公金チューチュー」などキャッチ―な言葉でSNSで話題になったColabo問題。非営利法人は助成金・補助金だけで運営していくことはできない。なので、助成金・補助金を受け取り寄付を募ること自体に問題はない。しかし、支援実態が曖昧なColabo。そこが一番の問題なのではないか。

※続編のコンカフェバージョンも読んでくれると嬉しいです♪
「プチぼったくりコンカフェに行ってみた!|アキバ系インフルエンサー やん氏の発信は名誉棄損なのか?」


フリーランスなので応援してもらえるとありがたいです!いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!