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アフリカのサミット「キリマンジャロ」で人力タクシーに乗る#2

7月のキリマンジャロは乾季、サマーシーズンということもあり、登山客が多い。感覚だが、ほとんどがヨーロッパからの顧客に見えた。アジア人もごく少数いたが、コロナの規制等でまだまだ旅行できる人は限られているようだった。
ゲート内には様々な展示があり、キリマンジャロの噴火の歴史やキボ(キリマンジャロの最高地点)がなぜ常に雲に覆われているかなどが書かれていた。様々な言い伝えがあるようだ。

キリマンジャロの3つの火山(Travel Galleryサイトより)

キリマンジャロは3つの峰から成る成層火山で、古いものから順にシーラ峰(3962m)、マウェンジ峰(5149m)、キボ峰(5985m)で形成されている。キリマンジャロのピークはキボ峰にある。
標高の高いキボ峰の頭頂部には、氷河が存在する。この氷河は、縮小傾向にあり「2030年代には完全に消滅する可能性がある」と言われている。
ちなみにマウェンジ峰は岩肌の山でロープがないと登れない。よほどの人でない限り行くことはないだろう。(いつか挑戦したいが…)

しばらく展示を眺めているとランチBOXが運ばれてきた。BOXの中にはサンドイッチとフルーツがたんまりと入っていた。
昼食を済ませるとポーターたちが準備をし始めた。ポータは全員の5日分の食事、調理器具、その他登山道具などを全て持つ必要がある。そのため、例え登山客が1人のケースでもポーターは3人程度となる。
私は65Lの登山ザックをポーターに預け、軽量の20Lリュックのみを運ぶことになった。とても心強いと思った。と同時に、ポーターは自分のザックを持っていたため、どうやって運ぶか疑問だった。
次の瞬間、疑問は驚きに変わった。彼は私のザックを袋に入れ、そのまま頭に載せた。そう、頭に載せて運ぶ。これが彼らのスタイルなのである…笑

頭に荷物を載せて運ぶポーター

ポーター自身のザックが20kg、私のザックが10kgなので彼は30kgを担いでいることになる。これを担ぎながら5,000m近くまで登ると考えると、いかに凄いことかは想像がつく。

初日はマラングゲート標高1,700mからマラングハット標高2,720mまで約1,000m標高を上げる8kmのルートだった。最後まで森林ゾーンで豊かな自然を味わうことができた。ハット周辺ではフクロウや猿を見ることができた。

ハット周辺で発見したフクロウ

ちなみにタンザニアには様々な種類のサルが生息しており、今回の山行でもいくつかの猿に会うことができた。とても色鮮やかで綺麗だった。(ベルベットモンキーらしきサルに遭遇したが、あの色は確認できなかった笑)

人馴れした猿
尻尾が白い猿

初日の山行は特にトラブルもなく、ハイキングのような気分で終えることができた。
午後4時にマラングハットに到着すると、山小屋のようなロッジがたくさん並んでいた。4-5人ごとに泊まれるようになっている。登山客が多いため、相部屋になるようだった。

マラングハットの様子

ロッジに入ってくつろいでいると誰がか入ってきた。今夜のルームメイトだ。なんとたまたま部屋が一緒になった男性は、日本人だった。ドバイに駐在していて今は1週間ほど休暇中らしい。久々の日本語での会話は楽しいものだった 笑 お互いの人生計画などについて1時間ほど話し込んだ。
日の入りは午後6時頃で小雨が降っていたこともあり、少し寒かった(最低気温10℃以下)。しかし、暖かい夕食と厚めの寝袋が功を奏した。

ハットでの夕食(ウイスキーを飲んだことは内緒)

午後9時前にはやることを終え床に着いた。この時点では特に体調の変化を感じることはなく、山行は順調のように思われた。
翌日に起こる体調への変化を知る由はなかった。
#3へ続く

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