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「取材慣れしていない社員」をインタビューするときのコツ

一口に「インタビュー」といっても、その対象者によって気をつけた方がいいこと、現場での立ち振る舞い方などはかなり違います。

著名人や経営者に対するインタビューのノウハウについては、たくさんの書籍やメディアの記事がありますよね。

しかしいま、企業主導のコンテンツ制作や情報発信が当たり前になりつつあり、現場での社員インタビューなどに手を焼いている広報や人事の担当者の方が多いように思います

うっかりつぶやいたら、すごく反応をいただいたので、本当にみんな困っているのだなと……。

わたしは5年以上、そういうインタビューをメインの仕事にしてきたので、自分で実践してきた細かいノウハウをざっくり、まとめておきたいと思います。

「取材される方の気持ち」を、インタビュアーは意外とわかっていない

まず、ここからです。

みなさんは、インタビューを受けたこと、ありますか? ご経験のない方は、友人知人でも同僚でもいいですし、ごく短い時間でいいので、「インタビューを受ける」経験をしてみることをおすすめします

それは、なぜか。

「インタビューを受けるにもスキルが必要なのだ」と、身にしみてわかるから。

①相手の質問の意図を、瞬時に汲み取るスキル
②伝えたいトピックを脳内でまとめ、わかりやすく話すスキル
③アウトプットをイメージして、求められる回答をするスキル

著名人や経営者で、しょっ中メディアに出ている方、つまり「インタビュー慣れ」している人の中には、取材した音声をそのまま書き起こせば記事になるんではないか……? なんていう、すぐれた話術をお持ちの方もいらっしゃいます。

でもそんな人は、本当にひと握りしかいません。だいたいの人は取材なんか受けたこともありませんし、上記のスキルも持っていません。

だからこそ、インタビュー時には丁寧な工夫が必要になるんです。やりすぎてちょうどいいくらいだと思っています。


1)「何のための取材か?」を念入りに伝える

意外と多いのが「何のための取材か」その目的を、インタビューを受ける社員の方がきちんと理解していないまま取材がはじまること

採用のため、広報活動のため、企業が主導でコンテンツをつくるのですから、何かしら「目的」があるはずです対象となる社員の方には、必ずそれを伝えましょう。

しつこいくらい繰り返し伝えて、ようやくちょうどいいくらいだと思います。

その記事を読んだ人にどんな印象を与えたいのか、企業側の意図も合わせて具体的に伝えられるとなおよいです。

コツ①:インタビューの目的は、事前にしっかり伝える。しつこいくらい伝える。念入りに伝える。


2)「誰に読まれる記事になるのか?」も念入りに伝える

取材される側になるとき、なかなか難しいのが「どの目線・レベル感で話せばいいのか?」ということ。

例えば同じ採用のためのコンテンツでも、まだ事業のことを何も知らない学生向けのものと、幹部候補となる経験者採用を目的としたものでは、前提となるレベル感が変わりますよね。

コツ②:そのインタビューは誰に読まれる記事になるのか、具体的に伝える。


3)「当日、聞きたいことは何か?」をあらかじめ伝える

著名人や経営者などを取材する場合は、あえて質問項目を送らないケースもあります。(予定調和を崩し、記事を面白くするため)

しかしそれは、思想や行動が日常からして面白く、常にエピソードが満載なインタビュイーだからこそできること。

繰り返しますが、そんな人は本当にひと握りしかいません。

社員インタビューを「当日まで何を話すのかわからない」状態で進めてしまうのは、時間の無駄にしかなりません。

あらかじめ「当日はこんなことを聞くから、エピソードとか思い出しておいてね」と、主要な質問項目を共有しておくことをおすすめします。

コツ③:主要な質問項目は先に送るべし。話すことをある程度、想定しておいてもらう。


4)当日は、質問をはじめる前に不安要素を取り除く

ここからは、わたしが実際にインタビュー時に気をつけることを挙げていきます。

まずは質問をはじめる前に、(1)の目的と(2)の読み手は誰かを、再度伝えることが多いです。最後の確認ですね。

そしてもう一つ大事なのは、できる限り不安要素を軽減すること

取材慣れしていない方は、どうしても「インタビューの場」自体に緊張して、構えてしまうものなんですよね。

●取材慣れしていない方が、不安に思いがちなこと
・すごくうまく話さなければいけないのではないか?
・失言や不確実な発言もそのまま、記事にされてしまうのではないか?
・自分なんかの話が本当に役に立つのか?

こうした心理状態が取り除けないと、会話が盛り上がるまでに時間がかかります。

なのでわたしは、取材前に以下のことを必ず伝えるようにしています。

・「お話いただいたことをそのまま記事にするわけではない」
・「インタビューの内容は、適宜、編集と広報チェックを入れる」
・「(本人確認がある場合は)掲載される前に、ご本人もチェックできる」
・「オフレコの内容はあとからカットもできる」
・「まとめるのはわたしたち編集の仕事なので、うまく話そうとしなくてもいい。ざっくばらんに、リラックスして話してほしい」

などなど。

事前にその人の実績やテーマが詳しくわかっていれば、「●●さんはこういう経験をお持ちとうかがっているので、その頃のことをいろいろと聞かせてください」とか、「この製品については●●さんがお詳しいと聞いたので、技術的なことを教えてください」とか、ひとこと添えることもあります。

国民性なのかわかりませんが、けっこう「自分なんかの話には価値がない」と思っている人が多いので、「あなたの話が聞きたいんです」「大丈夫ですよ!」と背中を押すみたいな感じですね。

それらにプラスして、言葉ではないですが、自分がメインで取材するときは、できる限りニコニコ笑顔で質問する、適度に相づちをうって話を聞く、威圧感を与えないように黒いスーツとかビシッとしすぎた服は着ない、パソコンで猛烈にメモとかとらない、なども気をつけています。(まあ、ここら辺は人それぞれだと思います)

コツ④:はじめて取材されるときというのは、めちゃくちゃ不安。まずはそれを、にこやかに取り除くことからはじめる。


5)自分が聞かれて答えにくい質問は、言い方を変える

駆け出しライターの頃は、わたしもこれをよくやらかしていました。

例えば採用などでは、「最後に学生さんにメッセージを」なんていう質問をするのが定番になりがち。

でもよく考えると、ものすごい答えにくくないですか? もし自分が質問されたら。

質問をつくるときは、「こう聞かれて自分ならすぐ答えられるか」という基準で表現を見直してみるといいと思います。

ちなみに上の質問、わたしは頭を悩ませた結果、「学生の頃の自分に、今の自分からアドバイスするとしたら何て声をかけますか?」と質問するようになりました。

コツ⑤:質問内容は、「自分がされたら答えやすいか?」という視点で見直してみる。


まとめ

と、いうわけで。ざっくりと基本のところだけではありますが、取材慣れしていない人のインタビューで気をつけるポイントは、まとめると以下3点に集約されるかなと思います。

①めちゃくちゃ事前準備する(目的や読者の絞り込み、質問の用意など)
②準備した内容を繰り返し伝える(あらかじめ理解してもらう)
③当日、取材前に徹底して、当人の不安要素を取り除く

すべて、特別なスキルがなくてもできることばかりだと思いますので、社員インタビューがなかなかうまくいかない……とお悩みの方は、ぜひ実際にやってみてください。


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最後まで読んでくださってありがとうございます!

(*´∀`)ノ ありがと
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大島 悠

カイシャをつくる(のを手助けする)編集パートナー「合同会社ほとりび」代表。BtoB領域の中小企業やベンチャー、スモールビジネスで“もったいない会社”をなくすためにがんばっています。/1983年生/人生のテーマはハードボイルド

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コメント3件

インタビュアー側として、大変参考になりました。
ありがとうございます。
たまに、擬似インタビューみたいなものを書きたくなる場合があります。それで、読むことを前提として言葉を選ぶ、のでしょうか。今度オール「インタビュー」記事を書こうと思っております。8/28
これ、すごくわかります!すぐに答えが返ってこなくてちょっとシーンとしても畳み掛けずに相手が考える時間をつくってみる、とか、他の人はこんなこと言ってましたよ、と答えのイメージを伝えるとか、そう言われてみると、細かい工夫って色々ありますね。
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