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町の魚屋さんに感動した話

私の住んでいる地域は、住んでいる方の年齢層が高めなこともあってか個人商店のお魚屋さん、お肉屋さん、電気屋さん、クリーニング屋さんなどがまだ生活の中にしっかりと浸透して残っています。車を持っていない年配の方にとって、歩いて行ける馴染みのお店は大変便利で、生活になくてはならないものなのです。

そんな中、ご近所さんから「〇○○スーパー(小さな町の八百屋さんのようなところ)に入っているお魚屋さん、すごく美味しいと評判だよ。遠くからもお客さんが来てるよ」という情報をいただいたので、初めてお魚を買ってみることにしました。

お店には70代くらいの元気なお母さんと、40代くらいの優しいお兄さん。ケースの中には色んなお魚が並んでいます。いわし、はたはた、甘えび、かれい、鯛、もずく、あじ。。。

私は買うものを決めていなかったのでケースをふむふむと覗いていたら、お店の方が「甘えび、子持ちで大きいの入ってるよ!」「はたはたはこんな風にして食べたら美味しいよ!」などと声をかけてくれました。

お魚屋さんで魚を買ったことがなかった私は、「甘えびは殻をむいて、はたはたは自分で頭を落としたりしなきゃいけないんだよねぇ、、、出来るかなぁ(苦手)」と思っていた矢先、なんと甘えびも、はたはたも頼めば下処理をしてくれると言います。

そこで、お言葉に甘えて、はたはたと甘えびの下処理をお願いしました。

手際よく、はたはたの頭とワタを切り落とすお母さん。お兄さんの方は、甘えびの頭を落とし、一尾ずつ丁寧に卵を取り外し、殻をむいた甘えびは綺麗に並べてパック詰め。頭と卵は別の容器で渡してくれました。

手際よく作業をしながら、美味しい食べ方、こんな風にも食べられるよ、と色んなアドバイスをしてくれて、楽しくお話している間に出来上がり!

わたしはその丁寧な仕事ぶりと、美味しく食べて欲しいという魚への愛情、そして無料でここまで丁寧に調理をしてくれるのか、ということに胸が詰まるほど感動しました。

そして「商品」ではなく「いのち」として魚を食べるんだな、という気持ちになりました。それは、いわゆる一般的なお魚販売コーナーのあるスーパーでは感じたことのない感情でした。

どちらのお店から買っても「いのち」をいただいていることには変わらず、全くの当たり前のことなんですが、すでに切り身となって大量にパック詰めで並べられている魚に対しては、「商品」の一つとして見ていたんだな、、、と。

きっと、お魚屋さんお2人が魚を扱うときの動作一つ、一つや会話の節々から、いのちとして魚をいただくことへの感謝の気持ちが、自然と溢れていたからなのではないかなぁと思います。

そんな人との出会いがあり、この町の魅力がまた一つ増えて好きになりました。まだ行ったことのない個人商店さんもちらほらあるので、ぜひ足を運んでみたいと思います。

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