FANTOMが復活した

 Roland社のFANTOMが復活した。(たぶん)5日前の話題である。話題に乗るのが遅い。が、シンセスキーの優碧さまとしては、見逃せない情報である。

 『優碧はデジタルが嫌いである』……そう思っている人は、恐らく結構な数存在する。とんでもない誤解である。
 そもそもボク、デジタル直撃世代です。確かに、事あるごとにディスりまくっているような気がしないでもないけど、よく思い返してみて欲しい。それは、簡単に言えば、『デジタルでなくていいものをわざわざデジタルで再現することに意味があるのか』という話なのであって、デジタル技術を否定したことなんて一度もない。PCだってスマホだって、存分に活用している。ネットだって、大好きである。デジタルがなけりゃ生きていけない。シンセだって……あ、これはYAMAHAのMONTAGEしか今は手元にはないや。

 ※寄り道
 YAMAHAさんへ。そろそろMONTAGEのアップデートしてください。フラッグシップなのに、後発廉価版であるところのMODXに負けてる部分ありますよ。まだまだ使っていきたいし、使い倒したいので、ぜひ手を加えてください。なんなら新しいプリセット作りますよ。

 そうじゃない。
 例えばだけど、いまの技術には、大きく分けて二通りある……と、ボクは考えている。
 ひとつは、人々が便利になる系。なんだそりゃ(笑)。要は、人が使う道具のこと。スマホなんかがいい例である。
 もうひとつは、人の変わりになる系。コイツが曲者だ。確かに、便利ではある。技術の進歩にも大いに貢献する、素晴らしいものだと思う。が、それらが行き切った先には、一体何が待っているのだろう。何が生まれ、何が消えているのだろう。……という曲があるので、ぜひ買って聴いてくれ。2017年当時の、大変な自信作である。2019年の自分的には、それはもう、若いなと思う。いまこの若さは、恐らく出ないし、出せない。

よかったら買ってね(BOOTHのページに飛びます)

 どちらにせよ、技術の進展というものは、人々をわくわくさせるものだ。でも、現状……自分の人生を振り返ってみるが、昔ほどシンプルにわくわくする出来事が、ここ最近であったであろうか? オトナになっちまったってのも、もちろん理由としては存在するだろう。ただ、それ以上に、そして何よりも、与えられすぎてしまったんだと思う。最初はありがたいと感じていたことでも、慣れちゃうんだよね。いまさら『スマホからホログラムが飛び出してくる』とかなっても、たぶん「そっかぁ、すごいなぁ」で終わってしまいそうなのが、こわい。いや、すごいとは思うよ、マジで。
 技術者の方には、どんどん革新的なものを生み出していって欲しいと思う。その為にお金が必要ってんなら、出してもいいと思う。

 毎度のことながら、話が思いっきり反れるのは悪い癖である。反省は毎回しているんだけど。思考というものは、ひとつではないから。シカタナイネ。

 一方で思うことがあれば、もう一方では別のことを思う。たとえそれらが両極端のものだったとしても、そのふたつの思考の間には、さらに無数の思考が存在し得る。意識、無意識、そして、潜在意識。自分の現在の思考が、それらのどこに当てはまるのかなんて、誰にもわからない。それらの事柄を踏まえ、自分としての、表面上での結論を導くことは、確かに可能ではあるが、それすらも、本当に自分の答えであるかどうかなんて定かではない。
 そう、これこそがまさに、優碧さまが言うところの『アナログ』なのである。数値で表すことなど、到底不可能なのだ。同じ行動をとったところで、完全に同じになることなど、ありえない。だから、アナログなどというものは、ポンコツであるし、面白いのである。いくらデジタルで、そのポンコツさの再現を試みたところで、アナログにはなり得ないのである。ただ、これも今後はわからないけどね。

 意識、無意識、そして、潜在意識。人が人として生きていく上での、重要なテーマのひとつである。
 意識をコントロールしているのは、本当に自分なのか。仮に自分だったとして、それは本当に意識的なものなのか。無意識はコントロールできるものなのか。コントロールされた無意識は、無意識と呼べるのだろうか。真の意味での意識とは、一体何なのか。……という曲があるので、ぜひ買って聴いてくれ。2016年当時の、大変な自信作である。2019年の自分的には、それはもう、若いなと思う。いまこの若さは、恐らく出ないし、出せない。

よかったら買ってね(BOOTHのページに飛びます)

 さて、またもや話がそれたので、なんかもういいかなとなってしまっている(笑)。
 シンセの話も、技術の話も、思考の話も、これらすべては今後いくらでも触れる機会があるだろう。そのときに、どれだけ深みに入れるかは不明だが、改めて触れてみてもいいのかもな……と、現段階では考えている。

 さすがに今回の話題についてくらいはまとめよう。デジタルシンセの最新型が出ますよーって話だった。レビューとかできたらいいんだけどなぁ。実際に触ったわけではないからなんとも。なので、今回は、あくまでインプレってことで。

 そう、ここでのミソ。デジタルシンセなのである。こればかりはもう、最新型が勝つ。だから、新しければ新しいほど、良いものなのである。高けりゃ高いほど、良いのである。が、本当にそうであろうか? ただデジタルなだけだったら、プラグインシンセで十分である。場所とらないし、安いし、クオリティも桁違いだし。

 では、デジタルシンセのメリットとは、一体何なのか。
 結論を先に書くが、それは、『アナログのパーツで組み込まれていること』『手で操作が可能なこと』である。このふたつに尽きる。と、ボクは考える。あとは、もうなんと言っても、所有欲(笑)。
 たとえば、アウトプット端子。恐らく、殆どのユーザーが意識していないであろう。しかし、ここのパーツは紛れも無く『アナログ』なのである。今日日、当たり前のようにUSB端子が付いている。ここからデジタルインしてしまえば、そのデジタルの音が、そのままデジタルとしてPCに取り込まれる。所謂、『そのまんまの音』である。が、それだったら、プラグインシンセを使い、PCで直接鳴らせばいい。

 ※寄り道
 Roland社であれば、JD-XA(これはハイブリッドではあるが)、YAMAHA社であれば、MONTAGEのアナログアウトからの音を、各廉価製品のソレと比べてみればよい。その違いがわからないようならば、ハッキリ言って、出直してきたほうがよい。

 ツマミだってそう。マウスでぐりぐりするのと、直接ぐりぐりするので、果たしてどちらが便利なのか。利便性が売り(?)であるプラグインが、実機に便利さで負ける可能性のある、稀有な例である。
 ただ、勘違いしないでいただきたいのは、これら全て、『人による』ということである。どっちが良いかなんて、ヒトソレゾレだし、ハッキリ言って、どうでもいい。
 デジタルのほうが良い音であると、誰もが信じて疑わなかった時代が長く続いたが、結果はどうであったか。デジタルの音の方が良いのか? いえいえ、そんなことはない。じゃあアナログ? いやいや、んなこたぁない。
 ツマミ云々にしたって、実機が便利なのは、リアルタイムで動かせるからであって、オートメーションを駆使する用途であるなら、PC単体でやったほうが、どう考えても便利である。
 この手の判断は人に任せてはいけない。そして、人の判断を否定してはいけない。どちらも正しいのである。そして、自分の考えこそが唯一、正しいのである。

 ※寄り道
 音が良い悪いの話をするなら、VENOMやSODOMの一枚目を聴くといい。それも、オリジナルのレコード、CD化された直後のもの、そして、CDのリマスター版。全部聴くといい。人の心を動かすとはどういうことか、なんとなくわかるんじゃないかな。それこそが真の意味での『良い音』なのである。


 では(ようやくである)、今回の復活FANTOMについて触れよう。なんでSODOMの話なんかしてんだ(笑)。

 当然、アナログ回帰時代を少なからず意識した作りになっている。
 まず、アナログフィルター。これはもう、今後のデジタルシンセのスタンダードになっていくんじゃないかなと、ボクは考えている。結局、数字じゃ限界があるんだよ。多くは語らないが。
 あとは、CV/Gate端子。よくやったと思う。制作の中心という大義名分を掲げているだけの事はある。といっても、Roland社は、モジュラーに首を突っ込んでしまったという過去がある手前、捨てるに捨てきれない面もあるんだろうなぁというのが、正直な感想ではある。それと、コッチに付けるなら、後日発売されるJUPITERにこそ付けろよとも思ってしまった。まぁ、あれはアナログの代用だから、そこにアナログの要素は必要ない≠アナログを切り捨てたいという気持ちも少なからずあるのかもしれない……と、予想する。

 JUPITERの話題が出たので、ついでに。
 結論から言うと、めっちゃ欲しい。そりゃそうだ(笑)。
 フルサイズ鍵盤とミニ鍵盤とで、計二種類存在する。どちらも非常に興味深い。当然、でかいほうが欲しいが(当然、理由もない)、場所をとらないミニ版も捨てがたい。が、ちっこいほうには、どうも鍵盤にアフタータッチが搭載されていないようで(確かな情報ではない。間違っていたら後日修正する)、その時点で、優碧さま的には選択肢から消える。ので、買うとしたら、でかいの一択。ま、機材はでかいほうが良いに決まってるから!笑

 アナログもデジタルもという流れは、2020年代に入ったら、よりいっそう加速していくことであろう。両方良いものなのだから、共存すりゃいい。それだけの話である。誰も文句ないだろう。
 ただ、である。本当に個人的な感想だし、それが悪いと言っているわけではないというのを前提にしていただきたいのだが……。アナログの再現。こればっかりは、どうにもポジティブな感想が抱けない(シンセに限らずだが)。再現にウツツを抜かしている暇があるのなら、デジタルでもアナログでも、どんどん新しい製品を生み出していって欲しいと考えてしまう。手軽にゲットできて、手間いらずで管理もラクというのは、十二分にメリットと言えるし、捕らえ方によっては、それこそが最高で最大のメリットにもなり得るだろう。技術の進歩という意味でも、大変有意義なことであると思う。が、なんか、つまらない。欲しければ、手間がかかろうが、金がかかろうが、どんな方法を用いてでも、オリジナルを手に入れる。だからこそ、価値がある。

 気軽に何でも手に入る時代になった。万人が恩恵を受けている。努力した先人による、努力の賜物であろう。疑う余地はない。
 が、そうなった結果、どうであろう。誰も何もありがたがらない時代になっちまったよなぁ、と。有って当たり前で、無いと文句を言う。それも、何も努力をしていない我々が言っちゃうんだから、性質が悪い。

 繰り返すが、ボクはデジタル製品が好きである。実際、いくら再現系が好きでないとは言っても、実際にその類の製品は無数に使っているし、大いに活用している。ギターアンプにしたって、実機はそこそこ持っているけど、今現在ライブで使っているのは、紛れもなくデジタルである。それでも、自信を持って「良い音だ」と言える。
 結局、自分がどこに比重を置くかってだけである。だから、人には決して文句は言わないし、言えない。そして、言われる筋合いもない。

 物事は、進めりゃ何だって良い方向に進むものである。が、果たしてソレが、未来の自分たちにとって、本当に良いものであるのか。それは、未来の自分たちにしかわからない。自分たちの人生の中だけでは、答えが出ないかもしれない。だからこそ、我々は努力をしなければならない。努力をした結果、努力が必要なくなる日が来るのかもしれない。そうなったとき、我々はどういった行動をとるのだろう。また文句を言うのかな。それとも、努力するための、別の何かを生み出すのかな。はたまた、人に代わって努力してくれる何かが、努力ができなくなった我々の保護でもしてくれるのかな。わかんないよね、そんなこと。成り行きでしょう。考えても仕方がない。
 全てを数字で表した結果、数字で表せないものは、どうなっていくのでしょうか。そして、残された数字は、どうなっていくのでしょうか。……という曲があるので、ぜひ買って聴いてくれ。2017年当時の、大変な自信作である。2019年の自分的には、それはもう、若いなと思う。いまこの若さは、恐らく出ないし、出せない。

よかったら買ってね(BOOTHのページに飛びます)

 手に入れて初めて気付くこと。失って初めて気付くこと。なにが違うんだろうね。ヒトの変わりになるようなものって、みんなは欲しいと思う? 必要だと思う? 低学歴のボクにはわからないや。

 さて、明日も頑張って早起きしよう。
 おわり。

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