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「私と妻の醤油抗争」

私は九州出身なのでやっぱりインスタントラーメンは「うまかっちゃん」

プレーンな豚骨味に醤油を少し足して食べるのがタイプだ。醤油は九州の甘い濃口醤油で決まり。異論は認めない。

先日妻がいつもと違う醤油、キッコーマンの醤油を買ってきた。普段は何も言わないが、今回ばかりは男として、いや、漢として嫁のチョイスに異議を唱えた。 

「俺は甘い濃口が良い」

と。

よし。良く言ったぞと自分の中のリトル逸夫に褒められ嫁からの返事を待つ。 

「醤油は味見出来んし、こだわり無いから次から自分で買って来て」

無情にも精一杯の心の叫びは自身で解決する様に突き放されたのだが一つ言いたい。

キッコーマンは大体甘く無い。何故なら東京の会社だからだ。そんな事は誰だって分かる。

何故俺がわざわざ買わねばならないのか。ここは九州男児として食い下がるところだと心の中のリトル逸夫。

世の中の男性の意見を俺が代弁してやると意気込んだが、口から出た言葉は 

「分かった」

であった。

不思議なぐらいすっと出た言葉だった。

人生の先輩から教わった夫婦間のhow to 先祖代々深く刻まれたかかあ天下のDNAが言わせたのだろう。

これで良かったんだと、自己暗示し今夜のうまかっちゃんにキッコーマンを一滴。

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