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沖縄のおばぁが作る料理には型がある

沖縄生活が始まって1週間。3人のおばぁに料理を教えてもらった。

那覇の中心地で自然食品店を営むおばぁ、老舗喫茶店のおばぁ、沖縄郷土料理のお店を営むおばぁ。口頭でレシピを聞いたり、実際に食べさせてもらったりしながら料理を学んでいる。

沖縄の料理はいたってシンプル。例えば、沖縄家庭料理の代表選手「ゴーヤチャンプルー」。チャンプルーは沖縄の方言で「ごちゃまぜ」という意味で、炒め物のことを指す。ゴーヤなどの野菜の場合には大抵豆腐を合わせるが、ソーメンや麩のチャンプルーには豆腐は入れない。
それ以外におかずといえば、パパイヤイリチーなどが有名な「イリチー(炒め煮)」、ナーベラ(ヘチマ)ンブシーなどの「ンブシー(味噌煮)」がある。つまり沖縄料理は「食材名」+「調理名」でできている。

写真は沖縄郷土料理のお店を営むおばぁに教えてもらったゴーヤンブシー。初めて食べる料理だけど、懐かしい味がした。

老舗喫茶店のおばぁは「私は毎日チャンプルーしか作らないよ」と言っていた。でもきっと毎回食材を変えながら、炒め物料理をおかずにしているのだろう。

これって、私が普段発信している「料理名のない料理」そのものだと思った。おかずの型≒味のレパートリーは少ないけれど、食材を変えれば飽きがこない。日常の料理は、これで十分。

この日はクレソンを使ってチャンプルーを作った。例に漏れずおいしい。

汁物は鰹と昆布でとった濃いだしを使ったみそ汁か、お吸い物の二択。みそ汁は具材を入れた普通のみそ汁以外に、かちゅー湯という鰹節とみそをお椀に入れて熱湯を注いだだけのインスタントみそ汁もある。急な来客で何も出すものがない時や、料理を作る人が疲れているときでもさっとできるから重宝されている。


お吸い物はアーサー(海藻)汁や、野菜を入れて煮込んだ汁がある。いずれにしても濃いだしをベースにしているのが特徴的。

老舗喫茶店のおばぁが好意で出してくれたのは、昆布・鰹節・椎茸のだしで煮込んだ具沢山スープ。赤い具材を聞くとなんと「すいか」!食べ終わったすいかの甘くないところを入れているとのこと。家庭料理らしいアイデアがいい。

数種類のおかずと汁物。あとはご飯があれば完成。「これで十分」という言葉が似合う食卓だ。

最後に

9月5日から始まるNサロンの講座「料理名のない自炊入門」では、料理の基本はもちろん、参加者それぞれにあった料理の型を見つける時間にしたいと思います。料理初心者、苦手な方も大歓迎。食卓から暮らしの豊かさを広げたい方、ぜひお待ちしています!

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