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「母の味」にレシピは必要?

あなたの母の味はなんですか?と聞かれて、私が思い出せるのは4つほどしかない。2種類のハンバーグと、炊き込みご飯と、カブ菜のおかか炒めだ。

今朝そのうちの一つ、カブ菜のおかか炒めを作った。大根菜やカブ菜を1cm幅に切り油で炒め、醤油・みりん・塩で味付け、おかかとごまをたっぷり入れて完成。これだけで、ごはん何杯でもいける。慎ましくていばらない、生活の味がする。

繰り返しになるが、私が再現できる母の味は4つしかない。その事実に対して、どちらかといえばさみしい感覚を抱いていた。もう1つや2つあってもよかったなと。

でも母は、忙しい中で料理を作ってくれていた。それもまた紛れもない事実だ。

ところが母に「何を作ってたか思い出せる?」と聞くと、「炒め物とか煮物とか…あんまり覚えてないや」と言う。

きっと母は、好きな食材や冷凍庫の残り物を使い、名もなき料理を作り続けていたのだと思う。つまり、今の私と同じなのだ

たまに母の料理を食べると、はっきりと母の味がする。そして、私が好きな味であり、私が作りそうな味がする。

母の味は、確固たる料理名やレシピがなくとも、食材の組み合わせ方や、味付けの仕方としても存在しうるものなのか!と静かにはっとした。母の味は、数えられないほど私の舌に刻まれていると思うと、さみしかった気持ちはさっぱりとなくなった。

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山口祐加/Yuka Yamaguchi

料理家、ライター、自炊を応援する人/日常の食を楽しく、心地よくするために普段は #今日の一汁一菜 を作り、ハレの日は小さくて強い店を開拓。おすすめの店は定期購読マガジンの「たらふく通信」へ/料理初心者に向けた自炊レッスンや週3日の自炊で食材を使い切る #週3レシピ を毎月公開中。

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