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目標設定のための病棟・病室評価とは?

脳外臨床研究会会長 作業療法士 山本秀一朗
セミナーレポート作成 言語聴覚士 yucco

フルリカバリーを目指し、全国のセラピストと共に成長し続ける脳外臨床研究会メンバーとともに活動するyuccoです。

脳外臨床大学校オンラインサロンでは、日々たくさんのセミナーが展開されており、オンラインサロン内だけで留めておくのはもったいない!!
全国の悩んでいるセラピストや困っている患者さんの力になる学びを届けたいと思い、セミナーレポートをお届けしています♪

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《はじめに》

リハビリの初回介入の時、病室で患者さんの身体機能評価をすることが多いと思います。その時にベット周りの環境や物品から、患者さんの個人因子・環境因子を理解し、リハビリの目標設定に活かせるのです!!

《初回評価にて》

患者さんお会いするときは病室で会うことが多いですよね。
皆さんは、病室見たときにどんなことを見ていますか?
実は、病室を見ることがとても重要で、A D L評価をする視点がたくさんあります。

《目標設定》

目標設定はなんのためにするか?
目標は2つあります。

目標と目的
目指す的を目的(フルリカバリー:再び適した状態)
そこに進む軌跡のことを目標(めじるし)

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《ICFの考え方》

その目的設定がどんな状態なのか、そのために必要なことは何かを考えるときに、<I C F>を使って考えます。

運動(心身機能)、動作(活動・できるA D L)、行為(参加・高次脳、しているA D L)、個人因子(ポジティブ、ネガティブ)、環境設定(ポジティブ、ネガティブ)
生活主体は病棟、病室に患者さんの生活の全てがあります。

行為を長期目標にしていて、最終ゴールはフルリカバリー!!

《病室の評価》

一番に評価しがちなのが身体機能、
どんな介助量が必要かなど見る人が多いと思います。

実は一番初めに見るべきなのは、患者さんの個人因子、環境因子をみます。
病室では、その患者さんの生活背景やバックグラウンドが見れます。
家屋調査は結構するけど、実際この人がどんな人なのか家族さんとの関係性はどうなのかなどは、病室を見ればわかります。
全ての情報はこの病室に集約されており、見ていく必要性があります。

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《クッション・衣服》

まず、病室に言ったときに物がどれだけあるかを把握します。
物から何がわかるのでしょうか?

クッション、枕、服をみると、年代がわかります。かわいいクッションやキャラクターもののクッションがあれば、お孫さんとか娘さんが持ってくることが多いです。

普通の枕置いてあったり、生活用品がきっちり置いてあったり、奥さんが来てくれる人はすぐ会えることが多いです。
生活用品がしっかりあると家族がしっかりしていると推測できるので、介助者を選ぶことができます。

例えば、患者さんが80歳、若くても奥さんは65歳以上なので、介助者として量を求められません。
娘さんなどがいれば、介助量の助けになるかなどが検討できます。

180日のゴールを考えるとき、家族のバックグランドからどれだけ助けてくれるかが推測できます。どれだけのものを準備していくるかを見るとどれだけ助けてくれるかがわかります。


病院のものしかないってなったときに、もしかしたら家族構成あったとしても、関係性薄いかもな、介助のことを考えてないかもなと推察できます。
家族さんの意思をしっかりと聞く必要があります。

患者さんが女性だった場合、老夫婦の場合、旦那さんに何持ってきていいかわからないので、何が必要かを伝える必要があります。
60代以上の人はまだ団塊の世代。
旦那さんは何を準備したらいいのかわからない、熱心な人は聞いてくれるが、男性の人は話しにくくて足が遠のいてしまう。

早い段階からリハビリの中に取り込んで一緒にしていかないと、帰るときに初めて現状を知ってあたふたすることが多いです。

《病室から栄養状態をみる》

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