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    🐱だから、ふしぎなことをしゃべるよ

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このヤマはふたり要る

流れ出る赤い血の冷たさときたら あんただって凍えるほど 永遠に喪われた かつて一緒に見た夢なんて このヤマはふたり要る おれと、そしてあんたみたいな 血も凍るような殺し屋が ふたり要るんだ 与えられたもの──墓穴、或いは、約束 それが隠れていればこそ、烏は高く飛ぶもの この世界があなたの手の内にあるのなら 墓標に何の意味があるだろう かつてふたりが夢見たもの 永遠に喪われたもの ともにみた夢 だからこのヤマはふたり要る おれと、そしてあんたみたいな 血も凍るような殺し

    • Hateful Peopleになりたかったかも知れない

      "Spoon"で韻を踏みなさい。"Moon"ではいけない。 第二次世界大戦の後詩を書くことはツェラン的な方法以外は蛮行であるとされていたらしい。詳しい背景はわからない。ただ、それもドグマだよなと思う。 ある日わたしは恵比寿駅のホームで"ここでこの朦朧とした意識のまま線路に倒れ込めば楽になれる"と思った。数年後、同じ恵比寿駅のホームに非常用の柵が設けられていて、"うっかり死ぬにも一苦労する"と思った。 なぜ恵比寿駅のホームなのかと言うと小説教室が恵比寿で開催されていたから

      • もうみんな苦しんでる。苦しんでないのはおまえだけ

        これは LipersInSlums Advent Calendar 2023 スラム社会実装の理論と実践〜もうみんな苦しんでる。苦しんでないのはおまえだけ〜 の 最後の記事である。 最近何もわからないと言うか、何もわからないのは最近に始まったことではないのだが、殊更わからなくなって来たため、自分が何者かすらよくわからなくなる前に書き留めておく。 早速だが、以下のふたつの文章を読み比べてもらいたい。 ジョンは顔を洗い、そして歯を磨いた。 ジョンが死に、そしてメアリーが死

        • 新年早々悲嘆にくれる、或いはLuckとPluck

          学がない僕は何が罪なのかわからないんだけど おそらく生まれて来た事とかそういう話なんだ  新年のおみくじで大吉以外を引くことが稀であるわたしですが、7年程正念場をやっております。そろそろ実りの秋が来て欲しいのですが、おみくじによると「悪い人に邪魔されて仕事も恋愛も何もかも上手くいきません」などとあり、なるほど、それなりに自分の守り方を学ぶべき時期かも知れない……などと。  いやいや、『ダーク・ナイト』じゃあるまいし、わたしを是が非でも失脚させねばならないと欲望されるような

        このヤマはふたり要る

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          時にはMetalの話をしようか

           わたしの「時には昔の話をしようか」はカラオケの十八番であり、ちょっとしたものですよ。どれほどちょっとしたものかと言うと音声学の先生に「上手い! 特に声門の締め方が良い!」と褒められた程です。  音声学者というのもままならないものらしくて、フィールドワークが主戦場であり、ある語族の平均寿命が80才を越え、愈々その言語が滅んでしまうという喫緊の問題があったため毎回の講義の口から変な音を出す練習を放り出して中国かどこかの山奥へ飛ぶなどされておりました。  Heavy Metal

          時にはMetalの話をしようか

          貴種流離譚、或いは物語類型をまとめるよ

           キシュリューリたん! これは流行らなかったご当地ゆるキャラの十把一絡げのひとつです。多分佐賀じゃないかな。あそこは何もない荒野、いや、虚数空間だからな。わたしは『ライオンキング』が嫌いだ。王だから王なのだ、と言われるとスカーが可哀想になってくる。後天的才能は無益なのかよ。西欧だから西欧なのだとアジアを侵略していい謂れはないでしょう?  さて、どうやら普遍的な物語というものは存在しないらしいぞ、とある界隈は慌てふためいているとのこと。まあ、そうかもね。『伊豆の踊り子』で学生

          貴種流離譚、或いは物語類型をまとめるよ

          村上春樹を膝に受けてしまってな

          「大森望に会わせようか?」と畏友に言われ「え、なんで?」と返答したのはご当人に思うところがあったわけではなく、単にわたしがSFを知らないのでお会いしたところで話すことがないからです。メタルバンドの中に変にイルミナティだのUFOだのを取り上げたがる困った連中がいるんだけど、SF界の人にそれをボヤいてもな……と一頻り頭を巡らしてみた、あれはわざわざ渋谷くんだりまで行ったけれど誰も渋谷的なお店を知らなかったので結局サイゼリアで飲むこととなった2年くらい前のこと。 『三体』の潮流か

          村上春樹を膝に受けてしまってな

          今年は今年で慚愧に耐えない

           ウリャオイウリャオイウリャオイウリャオイ(これはこの12月30日まで全くのノーアイディアで走る羽目になるとは思っていなかったなあ、ということを表現しています。それはそれとして今年のベストアルバム500など方々で見る様になったものの、そんなに聴いてなかったので3程引いて終わろうかと思います) 貴方が望む僕を僕は特に望んでいない 貴方の望みだけ注ぎ込まれているようだ  一体どういうわけか今年全く望まぬことを続けるという、月曜早朝の近所の公園の砂場にひたすら拳を打ち付け、南米

          今年は今年で慚愧に耐えない

          「あたいの夏休み」に物語の構造を見出す実験

           クイズです。その踊りを踊ると必ず雨が降る。それはどんな踊りでしょう?  近隣に客をイメージしたカクテルを出してくれるバーがあるわけですが、「ねえ……夏の終わりのあたいってイメージのお酒作ってよ。そう、夕暮れ」などど言える胆力がわたしに備わっていたら、それはわたしではなく別の誰かでしょう。 「さっぱりめがいいですか」 「はい」 「キール入れていいですか」 「はい」 「炭酸は」 「入れて下さい」 「レモン絞ります? ライム?」 「……ライムで」  それは何処でも飲めるジン

          「あたいの夏休み」に物語の構造を見出す実験

          上半期ベストをアレする

           フローレンス・ナイチンゲールが特別な理由もなく「よし、看護やろう」となったのと同じ様な感じで「もうみんな上半期ベストをやっている。上半期ベストをやってないのはおまえだけ」と云う天啓が降ってきたのでやります。順不同です。  多少正気を欠いているのはしょうがないね。狂気とは正気しかない事です。 nemo asakura 『THE BEST』https://nemoasakura.bandcamp.com/album/the-best 「ある声優に向けた歌で、最高の憎悪表現

          上半期ベストをアレする

          コンサル語をしゃべれるようになろう!

          「ロジシンをやれ」と言われた時、わたしは「はい」と答えました。ですのでアウトプットする次第です。フッサール発現象学からレヴィナスへと至らんとする道筋にこのような躓きの石があろうとは、あの頃のわたしは想像していませんでした。  ご存知ですか? 『全体性と無限』って対義語なんですよ。 『問題解決プロフェッショナル』を題材に取り上げます(そもそも前段として『ライト点いてますか?』という至宝の書があるのですが……)。とりあえず限られた短い時間で確からしいことを述べねばならない場合

          コンサル語をしゃべれるようになろう!

          2019年のやべえPVベスト5を振り返る

           掘れば掘るほどやべえセンスのやべえPVが出土するヘヴィメタル界隈ですが、2019年も豊作でしたね。蝗大発生の趣きがありました。  本当はもっともっとたくさんあるはずなんですが、わざわざ野壺に手ぇ突っ込んで糞尿からよりやべえ糞尿を選び出す作業って、端的に精神刑としか思えない為、5つに縛りました。 UGA UGA / "UGA UGA UGA"  目頭が熱くなるほど知性を感じさせない絵面というものもなかなかないわけですが、スカムな音楽を割ときっちり演奏していて及第点というの

          2019年のやべえPVベスト5を振り返る

          Valhallelujaを和訳してみんなで歌おう!

           嫌ですね、嫌です。  思い返せば、あれは確か2019年の末。「ありきたりなクリスマスソングは聴き飽きた? ならヴァルハレルヤを聴け」、「もうみんなヴァルハレルヤしてる。ヴァルハレルヤしてないのはお前だけ」等々地獄の様相を呈した某界隈。  要するに”Valhalleluja”と題されたヘヴィメタル・クリスマスソング的なものが投下されて騒ぎになった訳です。ヘヴィメタル村のみんなが地獄にいる訳じゃない。お前が地獄そのものなんだよ。  “Valhalleluja”とは”Val

          Valhallelujaを和訳してみんなで歌おう!

          あけたげな

           あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。  経験則上、この時期去年も一昨年もあけましておめでとうだったので来年もあけましておめでとうなのだ……と最早牧歌的に信じることは出来ない、2020年でありまして、各所では2010年代の総括なども行われている様子ですが、わたしはわたしで折を見てのんびり振り返って行こうか、などと。  とにかくわたしの去年は激動の年であり、現職にお誘い頂いたところ、お仕事を進めていく最中、Github(世界的インターネットサービス

          あけたげな

          第二十九会文学フリマ

           以前お話ししました通り、第二十九会文学フリマに出店いたします。  詳しくはこちら。  なんと申し上げれば良いのか。 「書きます?」 「あ、はい、書きます」  ……などと取り敢えず「ハイッ!」と応えてしまう日本人で本当に良かった。このような営為にオールイン出来る悦び、そして畏れに打ち震えておる次第です。  この表紙からして、常軌を逸しているのです。詳しくは"迷宮(Labyrinth)"と"迷路(Maze)"の違いを調べてみるのもまた、愉しいかと存じます。  文字通り

          第二十九会文学フリマ

          甦る事(黄泉に帰ること)

           わたし達ボンクラ達が心の故郷にしてしまっている映画のジャンルに「スタイリッシュ・ガン・アクション」というのがありまして。例えば、ジョン・ウーの『男達の挽歌』シリーズだとか、レイ・ブラッドベリの『華氏451度』を下地に作成されたらしい『リベリオン』だとか。  そのような血筋に『ジョン・ウィック』シリーズをおいても良いかと存じる次第です。このシリーズでは『リベリオン』のガン=カタ(銃撃と空手が融合した新しい格闘術)の向こうを張って、合気道と銃撃を融合した新しい格闘術といったと

          甦る事(黄泉に帰ること)