シン・シティ 復讐の女神

個人評価★★☆☆☆(2.5)

 原作自体が『アメコミ』ではなく『グラフィック・ノベル』という「既存の価値観からの脱却」を目指した作品なので、この映画自体も「既存映画からの脱却」という挑戦は前作からあったと思う。

 止め絵で見ても綺麗な、モノトーン(一部カラー)で表現された映像は芸術作品として閲覧することも可能な感じ。そういえば一時期、フランスのバンド・デシネ界隈でモノトーンが流行ったような気もする。そういう映像美を楽しめる作品ではある。

 が、言いかえれば「物語を楽しむ作品ではない」とも言えて、そこは好み別れるところかな。例えば同じ様に映像美を楽しむ作品である『アバター』は、映像美を邪魔しないように物語は『外部からもたらされる危機を救ったのは同じ外部からの英雄』という、神話などでも使い倒された完全王道で余計な解釈を封じたけど、シン・シティに関しては物語にもある程度含みを持たせることで、映像だけ楽しめばいいのか、中身も吟味すべきかどっちつかずになってしまった感は否めない。

 熱狂的なファンがつくであろうポテンシャルももちろんあるんだけど。

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