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コラム

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制作にまつわること。絵を描くのに向き合った言葉たち。日記。
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記事一覧

気枯れ

「漫画を描く」ことをやっている つかはらゆき というものです。 しばらくずっと漫画原作の映像化にまつわる事件…事件で良いのかな?から 望む望まぬにかかわらず、目が離せなくなってしまい とても、とても心からエネルギーが奪われていく感覚があります。 今やっている仕事、今までやってきた仕事、 そのどれもが「オリジナル作品」と「脚色」に関わるクリエイティブで その在り方をひどく考えさせられています。 今まで自分が遭った齟齬を反芻して、どうしようもなくクリエイター同士が傷ついた結果に

2023忘れられないことー地震と心が震えた言葉

書こう書こうと思っていて、年末のせわしなさに負けて筆を進めずにいたら「まさか」の年始。 自分の「締め切りがないとやらない癖」をこんなに悔いたことはない。 2023年ライブハウスを取り巻く環境は以前の活気を取り戻してきた。 チケットが取りづらくなったり、思いっきり歌う輩のせいで演奏が聞こえなかったり、いやな部分もたくさん戻ってきたが まぁそれは置いておいて「行った」ということを発言しても咎められなくなったのは、何よりも良かったなと思う。 年間63本。2022年が58本なので

実感をもって言葉を知る

その言葉や物語を知った時にはピンとこなくても、のちに身を震わせるほどその文章を実感する… というような事がある。 1.キッチン 初めてそれを感じた経験が吉本ばなな「キッチン」だった。 私の母は読書が趣味で、文庫で発売された「キッチン」もそうやって母が買ってきたものだった。 それを読んでいた母が文字通りキッチンでビックリするほど泣いていた。 今でも覚えているくらいの泣きっぷりがおかしくて、その原因が「本」だというのも当時の私にはおもしろくうつっていた。 そんなに泣くのが

行きたくないー #8月31日の夜に

「8月31日の夜に」むけて当時のことをふわりと思い出した。 そういう日常にいる少年少女たちへ書き残しておこう、と思った。 子どもの風邪は一気に悪化する。 というのは、よく聞く話。 大人が体調悪くて無理するのとは別で、子どもに無理をさせると一気に全身症状になって命にかかわることもあるそうだ。 いやまぁ「大人も体調悪いの無理すんなよ」とは思うけど。 そんな話から思い出した「からだ」と「きもち」を大事にできなかった話。 イジメにあっていた わたしは小学4年から中学2年にかけ

AIイラストを「使えなかった」2つの理由

こんにちは。つかはらゆきです。 久しぶりに「イラスト・漫画」を描いている人らしいnoteを書いてみようかと思います。 基本的なAIイラストに対する姿勢学習元に使われて著作権うんぬんとかはあるのですが、大枠として特にAIイラストに対してネガティブなイメージは持っていません。 デジタル作画が始まった頃(というか今でもテレビ番組に出ている著名作家でもいますが)アナログ手書きの作画が優れていて、デジタルはダメだという「アレルギー」が強くありました。 それと同じようなことがAIでも起

年始早々、ロックンロール

あけましておめでとうございます。 今年も何卒よろしくお願いします。 ヘッダーだけ新年よろしくウサギにしましたが、まったく新年関係ないnoteです。 12月に発売されて以来、他のアルバムが聴けないほどの良いアルバムに出会ってしまった。 町田直隆「不良の音楽」サブスクは上のリンクからどうぞ。 町田直隆さん、ちょこちょことライブにお邪魔していて、今やっているmoke(s)というバンドは結構な頻度で通っていた。 音楽活動25周年。11年ぶりの全国流通盤。アルバム制作期間3年。

「アニメの世界に入る体験」でVRの新しい未来を開きたい!

はじめまして。 普段は3Dモデルの衣装デザイン&制作や企業広告漫画を制作している「つかはらゆき」と申します。 自身の総決算とステップアップをかけて「新たなクリエイティブをしたい!」という思い。1年ほど考えを巡らせていたことをお話しします。 #noteクリエイターサポートプログラム の応募に際してのnoteです。 VRで行ける/会えるアニメ作品(動機・理由)二次元の推しに会いたいと思ったことはありませんか。 推しに会いたいではなくても、あのアニメの世界に入りたいというのはど

3か月の痛み

猫が亡くなった。 別に飼っていたのではないけれど、家の庭に住み着き私にエサをねだり、家に帰ると構えと呼ぶ。 そういう猫でした。 飼わなかったことをある人は「無責任」と言う。 けれど、野生で育った猫が家の中で「暮らせるか」は難しいのではないか…と感じていました。 それは飼っていた猫を外に放置して野生に帰れるか…と同じくらいに。 なんだろ。 家族じゃないけど、ルームシェアくらいの感覚かな。 そういう存在だった猫が3月に亡くなりました。 ずっと悲しくてさみしくて塞ぎ込んで い

「鎌倉殿の13人」でそろそろ推しが出てくる雑記

そろそろ…とは言うものの、もう2回はちょびっと出てきているのよね。 とはいえ、ようやく推しの治世になったので本格的に登場を期待。 推し…後鳥羽院です。 大学3年生の時に彼の和歌に触れ、そのまま鎌倉時代の和歌文学に没頭。 卒論を後鳥羽院で書くまでになってしまった。 その前までは源氏物語やろうとしてたのに… とか言って、最初に後鳥羽院に触れたのは「浅見光彦」なんですけどね… 小説の方です。 まさに、才能に、人生に、感じ取れる人間性に「魅せられた」と思う。 まぁ…天皇に向かっ

仕事の話:ゴールをきめたその先に

建設業の方が話していたことで気づいたことがある。 いっぽう、クリエイティブな仕事(イラスト・漫画などなど)は一定の「検査基準」というものがない。 これは結構な違いだなと思ったし、基準があることは羨ましいとすら思った。 基準どころかクライアントから「ゴール」の設定が曖昧なことも結構ある。 ゴールとは「何をするためにそれを作り、だから何を必須にクリアするか」という内容である。 たとえば生徒募集のチラシを作って「4月末まで体験入学」を必ず伝わるように、とかそういうこと。 「検

冬季五輪で思い出すこと

母から今朝電話があった。 お風呂掃除してて気付かなくて折り返したら、いつになく早く出た。 「昨日スキージャンプ見たら思い出しちゃってね」 そう、母は言った。それは24年前の長野五輪の時のことだった。 命には優劣がない、という。 でもそれが「明日終わるかもしれない長くない命」と 「これからも続いていくであろう長い命」だった時 優劣はなくとも「選択」はしなければならなくて、選択によって結果的に優劣が生まれてしまうことはある。 何も高度な医療現場の「トリアージ」の話ではない。

自分を豊かにしてゆく歳

コロナ禍だから…というより フリーランスになって以後、困窮している。 とは言っても、使える制度や色々な仕組みをフルに使う能力くらいはある。 結構このお役所の申請関連を自力でできないという話も聞くが、私は何かに困ったことがない。 それと少しずつ何もしないで入ってくる収入…を作れているので、少しずつだけど状況は改善している。 困窮…といってもその状況を本当にわかる人は サラリーマンで月に相応の決まった額が入る生活をしていると、そんなにいない。 経験したことがあるかどうかもあるけ

私、小説化しました…!

こんばんは。 お久しぶりです。 本日はお知らせです。 と言っても、自分自身が何かを作ったとか描いたとかではなくて 私のことを小説のモデルにしていただきました。 こちらの小説、友達が執筆しているものですが、その中の第24イヴェ〜第33イヴェが去年の夏に実際に私が遭遇した【事件】をもとに書かれています。 事件とは…と説明すると、小説の楽しみを奪ってしまうのですが。 記事の最後に当時描いた絵日記(ライブレポ?)載せておきます。 他の章の物語も読むと、あの時この人がこうで〜とか

新学期に言うことば

8月31日。 9月1日は新学期が始まり学校が始まる。 私がいじめに遭っていた頃、夏休みは世間で言われるよりもずっと短くて 少なくとも8月25日くらいには学校に行っていたと思う。 だから新学期=9月1日という感覚があんまりなくって 新学期と共に不幸が起きる感覚はとてつもなくわかるんだけど 8月31日と9月1日に境目があることがいまいち感覚としてわからない。 いじめにあってから30年後。 30年前、世界が丸ごと変わってしまうことを祈り続けていて そうして実際、いま世界が変わっ