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#2000字のドラマ

【第1章 _____cafe】

太陽が照りつけた暑い日。レイと一緒にカフェへ向かった。 ロンドンの高級ホテルの 1 階のティーカフェに訪れた二人。甘いものが大好きなアリスの ために、レイはこの店を選んでくれていたようです。

レイは、ムッとした無愛想な顔をしながら、アールグレイの紅茶に口をつけます。どうやら朝から紅組の〇〇と喧嘩をしてきた様子。アリスは、久しぶりのデートなのにも関 わらず、ムッとしながらだるそうにするレイに少し呆れています。

そんな中、ふっと一息ついて、レイはアリスに話しかけます。

レイ「ここの店は、俺が選んだんだ。いい場所だろ?」

 レイ「この席は、俺様がいつも使う特等席なんだぜ。

なかなか座れない席だから感謝しろよ な。」 そう言いながら、少し照れて視線をそらすレイは、なんだか嬉しそうにしている。アリスは その姿を見て、ほっとしていた。 

主人公「連絡来ないからどうしてるのかなって気になってた。忙しかったの?」アリスはそ っとレイに問いかける。

レイ「んー、赤組のエドガーが俺に最近厳しくて、なかなか外に出れなかったんだ。

本当は 会いたかったんだけど、どうも最近、調子がよくなくて。心配させたなら、悪かった。」

レイ「けど、これでチャラだよなー」 

相変わらず上から目線だが、笑うと優しい顔をするので憎めないレイだった。 

レイ「アリスをまた連れてくから。」


【第2章 _____kouen】
アリスは、公園でよく本を読んでいる。アリスの姉の影響で、姉から進められた本は、どれ も個性的で鮮やかに見えるのでアリスはとても姉の本が好きなのだ。

定期的に姉の家に足を運び、おすすめの本を数冊借りては、一人読書をする。以前、姉とロンドンのパブに行ったときに出会ったエドガーも本好きの一人。 今日は、エドガーにお気に入りの本を貸す約束をしている。

エドガー「ごめん、遅くなったね。アリスの本を借りに来たよ。実は、レイも連れてきたん だけど、一緒でも大丈夫かな?レイが一緒に来るっていうからさ。」

アリスは苦笑いをする。

アリス「いえ、気になさらないでください。これ、お貸しすると言っていた本です。バーもお話もすごく素敵なので、是非読んでほしいなと思って。」

 
エドガーを見ると、アリスはいつも上手く話ができない。
まともに顔を見れないのだった。

 
そんなアリスを見て、レイは少々苛立っている。


レイ「へーこの本面白いの?アリスは、本なんて読むキャラじゃなかったよなー?なんで急 に本なんか読みだしたの?」

なんとなく食って掛かるレイ。いつも負けん気が強い。


エドガー「いやいや、アリスはおねえさんの本を読むのが好きなんですよ。僕とアリスはよ く一緒に公園で本を読んでいるんです。」

今日は、本を借りる約束だったんですよ。」

レイ「あぁ?そうなのか。じゃあもう用事は終わったんだよな?アリス、俺とどっかに行く ぞ。公園なんていつでも来れるだろう。」

そう言って、レイはアリスの手を強引に引き、その場を去っていくのだった。


今日は、2 人で公園デート。

レイはアリスの手を引き、レンタルボート乗り場へやってきた。
なかなかタイミングが合わず、離れていた 2 人はやっと出会うことができた。

レイは、ロシアンブルーの飼い猫ベルを連れてやってきた。
公園に猫を連れてくるのは、レイくらいだ。

周りは犬がいっぱいいる中でロシアンブルーの 猫を抱っこするレイは、背も高くクールで一際目立っている。

アリス「公園に猫を連れてくるのは珍しいよね。レイくらいだよ。」

アリスは不思議そうに背の高いレイを、少し低い位置から覗き込み、顔色を伺いながら話 す。

レイ「猫も外に出たいかなと思って、連れてきたんだ。」

もちろん家で飼っておけばいいんだ けど。」

「犬だけじゃなくて、猫もたまには外に出たいんじゃないかなって思ってさ。おまえも そう思わねぇか?俺様は優しいからな。」

アリス「へー。いつも猫を連れてるの?変に見られたりしないの?」

レイ「特に無いかな。俺の家では普通だからさ。なんで?気になるの?」

アリス「ううん。別に。」

ただ周りは犬ばかり連れてるから、聞いてみただけ。」

レイ「お前変なこと聞くな。というか今日は、ボートに乗るんだったな。」

「俺様とボートに乗れるんだから、感謝しろよな。
ちなみに猫も乗れるの?」

「このボート。駄目ならボートに乗る ときだけ、預かっててほしいんだけど。」

ボートの係員の人に声をかける。

アリス「一緒に乗りたいけど、気分悪くなるのかな?猫が酔わないといいけど。どうなんだ ろ?」

係員「猫をボートに乗せた人はまだ一人もいませんけど・・・。預かっておきましょうか?」

 優しそうなお兄さんが困った顔で猫を眺めている。

私たち2人に気を使っているようだった。

レイ「じゃ、よろしく。ボート乗ってる間だけ、頼むな。」
「俺様が飼っている猫だから、気をつけて対応しろよな。」

アリス「すみませんが、宜しくお願いします。」

なぜ家で飼っている猫を連れてきたのか、アリスは首をかしげながら、ボートに乗る。

レイ はいつも少し周りとは違い、会うたびに違う印象をうける。

レイ「さー乗るぞ。」


レイは先にボートに足をかけ、乗り込んだ。

レイ「ボートが揺れるから気をつけろ。」


レイは言葉は少々荒いときがあるが、いつも優しい。

ぐらつく船にしっかりと足を踏みしめ ながら、手を差し伸べる。


アリス「わっ、びっくりした。」

ぐらつく船を押さえながら、船に乗り込んだ。湖は綺麗に澄んでいて透きとおり、日差しが差し込み、キラキラしている。


レイ「今日は日差しが照っていて、あったかいな。ポカポカして、アリスとこんな時間を過ごすのも久しぶりだ。また絶対来ような。」


アリスは静かに頷いた。


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