見出し画像

ミュージカルと演劇を観てきた話

先週はミュージカルと演劇を1本ずつ観てきました。何年ぶりだろう。感染対策に関するアナウンスも特段なく、いつの間にか声を出して笑っていい仕様になっていた。

というか本来はそれをしに劇場に行くものだったよな、と思うなどしました。たくさん笑ったしたくさん泣いた。日常生活ではできない経験だったからとても有意義に思えた。普段の生活にも意義はあるんだけどね!

劇団四季『リトルマーメイド』

1件目は劇団四季のミュージカル『リトルマーメイド』です。原作はディズニーの中で一番好きな映画かも。舞台は水中の表現がとても美しかった。

アリエル役の木村奏絵さんの声と歌がとにかく良くて引き込まれた。少し空気の入ったハスキーな声で、それでいて艶もあって美しかった。

原作映画ではアリエルの声を奪った海の魔女アースラが、美しい人間の女に化けて王子をたぶらかすシーンがあるんだけど、私はその悪女がとても好きで、てっきりアリエル役の人が一人二役で歌ってくれるものと思っていたのでそのシーンがなくて残念。

ミュージカル用に改変された筋書きもそれはそれで好きなのですが、私はファム・ファタール(悪女キャラ)フェチなので観たかったな〜!と思いました。

歌や音楽、美術や演出の可能性を感じる素敵な演目でした。舞台セットが陸と海の行き来をする時の演出がとても好き。海の深さを感じられる。

セバスチャンの役どころが、物語の登場人物でありながらあくまでも物語の案内人のような感じだったのもよかった。出番も仕事も物凄く多い役なのに、安定感の塊。アンダーザシーのパレード感も楽しかった!

タクフェス『晩餐』

写真撮影タイム(本編中)

こちらは別日にも当選した親族に2人分のチケットを譲ってもらったので、事前情報なしで観てきました。

テレビや動画の中でしか見たことのない人たちが自分の街までやってきて、こうして目の前でお芝居をして見せてくれているってことに感動してしまいました。

当たり前だけど毎日同じ家にいるだけでは出会えない現場だし、声の大きさや立ち振る舞いにも華があって役者さんって凄いな〜!とあらためて実感しました。

その役者さんたちが、編集技術とかCGとか使わずに、時間経過を表すための緩やかなライトの点滅+セリフなしのスローモーションとかをやっていて、これ人力でやるの!?と驚きました。

時間にして30秒もない、何気ないシーンなのですがこれがまたよくて……観客の想像力を信じていないとああいう演出はできないよな〜と思いました。

最後はホロリと泣けて面白い舞台でした。本番中に観客も写真OKの撮影シーンがあって嬉しかった。感想に写真が添えられるとSNS映えするな〜と思いました。うまい。

■ 経験に証人が必要な人もいる

今回2つの舞台を見て、自分自身驚いたことがあって。それは、見知らぬ大勢の他人(観客たち)が、自分の見たものや感じたことがそこに存在することを証明してくれる存在のように思えたこと。

これを自覚したのは初めてで……昔からそういう場面は人生の中にあったのだろうけど、約4年前のパンデミック以来、割と証人のいない日々を送ってきたのだろうなと思いました。そんなん孤独が深まっちゃうよね。

それまで自分はギターの弾き語りでライブ活動をしていて、会場にいた全員がお互いの証人になっていた。その上で写真や動画やSNSに活動の記録が残り、誰かの手元にも残っていた。語弊を恐れずに言うなら、それはある種の絆のようなものだったと思う。

創作にまつわる孤独に耐性のある自分ですらこんな感覚になるのだから、突然自分の人生の証人を失って社会から切り離されたような感覚になった人は本当に多かったのだろうなと思った。

■ おわりに

まあそんなわけで!
実際に会いに行くのは無理でも、SNSやネットを駆使して証人を作るのは今の自分にもできるよな〜と思いました。というか既にやってる気がする。

逆にたくさん証人がいたら(精神的に)困ることはひっそりやってます。このnoteとか。投稿してもXにアドレス載せないこともある。

だからここまで読んでくれている人はほんとに貴重な証人です。辿り着いてくれてありがとう!

新作リリース前の大事な作業が残っているので今日はここまで。
ではまた次回!

■ 関連記事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?