ブレストのススメ−面白がれる人はつくる人

武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダーシップコース クリエイティブリーダーシップ特論 第8回 2019.06.05 ゲストスピーカー柳澤大輔さん(面白法人カヤック代表)の授業をまとめています。

面白法人カヤック代表・柳澤大輔さんとは?

面白法人カヤックのCEO(最高経営責任者)。大学卒業後、会社員として組織を学び、大学時代の友人3名と面白法人カヤックを設立。

そもそも面白法人とは?

大学時代の友人3人と起業した柳澤さん。卒業後の進路を考えていた3人は卒業後にこの3人で起業するということだけは決めていたという。さらに、当時ハマっていた漫画「サンクチュアリ」のストーリーに影響を受け、卒業の2年後に集結して起業することを約束し、それまでの進路を「サラリーマン」「大学院」「アメリカ放浪」の3役に分け、じゃんけんで分担したのだそう。起業をするときには「何をやるか」を重視することが当たり前の中、柳澤さんたちは「誰とやるか」だけを決めていたのだ。それはつまり、3人で「面白いこと」をやるということであり、その思いを面白法人という言葉に込めて、圧倒的に面白い法人格を作り上げたのである。

面白くあり続けるための組織文化

面白い会社を作りたいと考えた彼らは、まず最初に文化を作りたかったのだという。たとえば、カヤックのエンジニアはフルスタックを推奨している。生産性を追求すると組織は細分化した方が良い。しかし、個人の満足度を追求するのであれば、その逆で関与度を高められる環境を作ってあげる方が理にかなっているのだ。
また、文化は評価によって作られると考えているため、評価の仕組みにも様々な仕掛けがある。サイコロ給与はカヤックの代名詞とも言える給与形態であるが、こちれも「人が人を評価するのは限界がある」という着想から生まれた評価の仕組みだそうだ。

面白がれるひとは、つくる人

「つくる人を増やす」。これはカヤックの理念であるが、面白がれる人ってどんな人だろうかと考えてみると、「つくる人」つまり何かに主体的に関わっている人だということが分かったそうだ。この点はとても納得である。この主体的という姿勢は、自分の仕事へのスタンスでもとても大事にしている。しかし、それ以上に面白いと感じたのが、このクリエイティブリーダーシップ特論を通して、何人もの人が「主体的」「つくる側」ということがこれからの時代に重要であると話していたことだ。
「面白いから」「誰でも作れる環境が整ってきたから」など、入り口は様々であるが「つくる」ことの価値は確かに存在するようである。

面白がれる体質はブレストでつくれる

カヤックでは、面白がれる人になるためにブレストを積極的に取り入れているそうだ。ブレストには「性格がポジティブになる(脳が変わる)」「つくる人になる(視座が変わる)」「自分ごと化するのが得意になる」「面白がる人になる」という効果があるという。確かにブレストは強制的にそのことについて考えまくる必要がある。それは、いろいろな見方でそのテーマを捉える(視座が変わる)スキルが身につくし、そもそも何個もアイデアを考えるには主体性がないと取り組めない。そう考えると、ブレスト的に物事に取り組むクセがつくと面白がれる人になるというのはとても納得がいく。



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