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すり合わせる

「ねぇ、あのちゃぶ台持ってきてくれないかな」(中略)「ほら、あの、ちょっと脚の高いやつ」
「あぁ、あのテーブルね」
「うん、そうそう」
「ちゃぶ台じゃ分かんないわよ」
「ちゃぶ台だろう、あれは。テーブルっていうのはもっと高いんだよ」
「何言ってんのよ。ちゃぶ台っていうのは、もっと全然低いんでしょう(略)

平田オリザ『演劇入門』(P.151ーP.152)

10年くらい前に読んだオリザさんの本にこう書いてあって、妙に心に残っていたシーンなのですが、本当にこんな感じなんですね。。
(演出・作家と俳優とのコンテクストの擦り合わせの例えとして書かれている箇所。この会話も特に戯曲からの引用ではなく架空の例です)

洗濯物の干し方。畳み方。
バスタオルを毎日洗うか、数日そのまま使うか。
調理器具のしまい方。箸置きを使うか使わないか。
掃除の頻度(これはほぼ一致していた)。
そして、何をどう呼ぶか。

こんなような日常生活領域の「違い」が無限に発見される。

お互いに妥協して、しらっとやりすごす。
突き詰めると育って来た家や家風とかの問題になるので。

バスタオルは毎日洗うようになりました。
気持ちいいですねー(笑)

こういう時でないと何かを変えることもないので、
変わることも楽しみながら慣れていきたい。
(もちろん相手方にもかなり受け入れてもらってます)

しかし、平田オリザのこれは至言だな。
オリザさんもきっとすり合わせしたことがあるんだろうなあ・・・。



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