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8月歌会報告

8/26(土)に行われた九州五行歌会の歌会報告です。

まずは一席歌のご紹介です。
写真は筑前町あたりの風景だそうです。(phote by 稲本さん)

8年過ぎるまで読めなかった日記……それだけの長い時間が必要だったのか。
父親とはこういうものか、というコメントも。
また、ちょうど七年とも言われる蝉の地中の命の長さとも重なりイメージが重層的に広がる、とのコメントもありました。
作者は、当時日記を覗いてみたけれど、家族への情愛の深さと生への執着の強さに圧倒され、時が過ぎないと向き合えなかったそうです。
「蝉が鳴く」は盆の入りの頃を表わしたかったそうですが、この最終行で素晴らしい転換ができていますね。

さて、なんと今月は同点三席が3首もありました。
なので、当日のコメントや作者のお話はごくごく短く書くことととします。
読まれた方それぞれが自由に感じ取っていただければ……。

二席・紫野作品
人生の中の局面か。
作者曰く、遊びのことだけではない、正直にルールを守って待っていたのにみんな帰っちゃった……ショックでもあり怖くもあり、と。

三席・島 作品
映像が鮮やかに浮かぶとともに、未知へと進む力強さを感じる。
作者は、若い人と違って先の短い自分は未来が見えない……とご謙遜。

三席・甲斐原作品
とても共感を呼んだ歌。
工作なら段取りは必要だが、結果がわかっていることにも根回しとか面倒な手続きが要る。
特に日本人は段取り好き、と言う作者。
歌のタネを聞いてみれば、自治会の役員決めが発端とか。

三席・石川作品
優れた映像性で読む者みなが美しく気持ちの良い絵を思い浮かべた歌。
作者は佐賀城のお濠でこの夢のような時間を体験をしたそうで、「蓮の一生の中を行きましたよ」と。

今回は11名の参加でしたが、約半数の5首が三席までに入るという結果に!
そして5首のうち3首に、数字が入っていることに気づきました。どれも効果的に使われています。

さて、ここからは余談です。
九州歌会は、超が付くほどキャリアの長い人も、始めてからまだ3〜4年くらいの人もいます。
この日の歌会で、五行歌歴の比較的短い参加者からこんな発言がありました。
『五行歌を始めてから考え方がシンプルになった』
『人に対しても、物事の受け取り方についても強くなった』
『多分、歌を作ることで浄化できているんだと思う』

たかが詩歌、されど詩歌。
自覚できるほどに、よい方向に変わったというのが素晴らしいですね。
とても嬉しい言葉だったので書いておきます。
ご興味ある方は、ぜひお近くの歌会に足を運ばれてください。
最初は見学だけでも大歓迎ですよ。


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