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オプトーバー8 第2回公演「エンティティ・オブ・ザ・デッド」が最高だった


前回、第1回目の公演が1月。
その時の記事はこちら。


第1回がそれはもう最高だったので、第2回公演のスケジュールが出た時の嬉しさといったら。
(2024年4月24日公演。記事公開時点で配信期間終了済み)


神保町よしもと漫才劇場所属の精鋭コント師、
オフローズ、ピュート、定点計画の3組8人のユニット『オプトーバー8』。

第2回公演は、ゾンビの話。


※ オフローズ、定点計画はトリオ。ピュートはコンビ。計8人。

オプトーバー8 第2回公演
『エンティティ・オブ・ザ・デッド』
開場20:15|開演20:30|終演22:00
【企画ライブ】オフローズ/ピュート/定点計画

オフローズ・ピュート・定点計画による演劇ユニット『オプトーバー8』 第2回公演。
新型ウイルスの爆発的感染により、人々がゾンビになる現象が起きた。
とあるビルのバーに集まった8人の、恐怖に満ちた一晩が始まる。

神保町よしもと漫才劇場スケジュールより


フライヤーがまたすごくオシャレで。洋画みたい。
脚本は、第1回に引き続き、定点計画の司場才蔵さん。




あらすじ

新宿の雑居ビル5階のバー。
マスターのTKは、常連客の「監督」と呑んでいた。
そこに同じく常連客の「レッド」もやってくる。
いつもの他愛無い会話。

そんな中ふとラジオから流れてくる、ノイズ混じりのニュース速報。新宿のよくある話……かと思いきや、どうやらゾンビウイルスが蔓延する緊急事態に陥ってしまったらしい。

成り行きでバーに集まった様々な8人は、ゾンビに囲まれたこの場所で、一体どうなってしまうのか……??



どう生き残るのか、脱出するのか、戦うのか。
ゾンビって、人って、その境はどこなのか。
人間の「存在」って何なのか。
くだらないルールを守って、破って。



それぞれの配役が、また絶妙で。

今回大きくメイン主人公的な立ち位置だったのが、ピュート竹内さんの演じる「レッド」。
スーツアクターのレッドをしていることから、ニックネームは「レッド」。

※ バーでは本名ではなくニックネームで呼び合うのが、マスターの決めたルール。


レッドは戦隊モノの主人公だが、登場した時の「レッド」は何だかあまり主人公っぽく無い。

それが公演最後には、まさしくヒーローに相応しい立ち居振る舞いと意識に変わる、成長の物語に見えた。最後のシーン、銃をリロードでガシャッと空薬莢飛ばすところは さすがにあまりにもかっこよく、とても絵になっていた。



オフローズ宮崎さん演じる「監督」もキャラクター好きだった。ゾンビ映画を撮っている彼は、ゾンビのあふれる今の現状にワクワク夢と好奇心いっぱい。ゾンビ映画の有識者としての活躍もいい。

バーのマスターTKの定点計画三部さんはしっかりマスターとしてクセありまくりのお客たちをまとめてて、諍いや騒ぎを抑えるのはいつもマスターだった気がする。そしてお客さんに謎のあだ名をつける。


アイドルの「九楽アナ」の高杉さんは真っ直ぐな希望の光だった。いつだってここにいる8人全員で生き残りたいって、純粋に。あなたの大声が、最後のピースを手繰り寄せた。
司場さんはキリッとSP「岡田」で銃を構えれば様になるし、真面目で堅物で現実主義的な性格かと思えばお茶目に二度目をやってくれたり。ラスト見事な倒れっぷりだった。

ミリタリーオタクのオフローズ カンノさん「軍曹」は、変わらず愛されキャラ。出てきた時の安心感が違うし、緊迫した場面にクスッと笑えて自然と笑顔になるような。

明賀さんの「教祖」はかなり胡散臭い。でもかなりキーパーソン。座席遠くてよく見えなかったけど、きっと目が黒くて笑ってないタイプ。記憶を無くしてるのに、たらいトラップのアイデアは一体どこから湧いてきたんだろう?

ピュートのポイントさんは「マサくん」。マッドサイエンティストを略して。白衣着てるし。
「科学者じゃねぇってつってんだろ!!」と、
本人曰く「医療従事者」で「医者みたいなもの」。訳ありな発言が登場当初から節々に出てきて、きっとキーパーソン。



今回もすごくキャラクターが魅力。
演じる本人との相性抜群に良くて、それに全員演技抜群だから色々な背景や感情を表現されてて。

竹内さんの目の動きと体の動き、本当に細かくて見ていて面白い。ポイントさんは台詞なくてもずっと「マサくん」で、それにしても今回も難しい台詞多めでは? 「微妙だなあ〜……」と相変わらず動きがシンクロするピュートは観ていて楽しい。

明賀さんのあの動きは何??? 本当にゾンビになったことある? 記憶喪失の時のふわふわ感と、取り戻してからのはっきりした差とか、本当に何でもなれる明賀さん。


みんなでスローモーションになるところも好きだったし、今回 特に照明の演出多くて明暗表現が素敵だった。



あと、ダモクレスの時をセルフオマージュしてる?と思ったやり取りのシーンがあったり(三部さんとカンノさんの「なにあいつ感じ悪ぅ」)、
ダモクレスでは「一度会ったことありますよね?」と尋ねていたポイントさんが、今度は明賀さんに「見覚えがあるんです、会ったことありますよね」と言われる反対の立場になっていたり、
多分気づけていないだけで、色々小ネタがあったような気がする。
自分の記憶力ポンコツなので、うろ覚えで拾いきれてない。

「夢の新薬」とか、(被験者じゃ無くて)"被験体"という呼び方とか、記憶消してくる上層部とか、流石に国の組織ではないよね…? 後ろ暗さしかないブラックで激怖研究とゾンビって、やっぱり相性いいのかな。ゾンビ映画の定石とかも色々入ってたのかも?


前回は脚本書きメインで出演少なめだった司場さんが、今回はたくさん動いていたのも嬉しい。何だか美味しいかっこいいところ、たくさん持って行ってた気がする。



あと、今回はなんと台本の販売あり。
出演者全員のサイン入り。豪華すぎる。

それはもう残業している場合ではないので、さっさと定時で上がって買いに行った。
コンティSPの時はB5サイズだったが、今回はちょっと大きめA4サイズ。

欲を言えばダモクレスの時の台本も読みたい……
何で第1回は販売なかったんだろう。
是非機会があれば読みたい。


「おつかれサマンサベガです」

「ええー、いい、ああ……」「君からもらい泣き?」

「初めての否定にTK困惑してます」

「電気ビリビリ、ゾンビこげこげ!」

「あなたのお父さんは人間の"存在"をかけて戦ってるって伝えます」

舞台中 台詞より(うろ覚え…)

印象的な台詞が、たくさんあって。
もちろん台本から、演者が言い回しとか変えてるところがあって。
今回ちょっと時間無くて、台本読みながら配信見れなくて悔しい。
本当にFANYの配信短い……



また、配信には稽古風景の特典映像がついていた。
普段は見れない台本読みや稽古での様子が見られて楽しい。

本読みに台本忘れちゃう明賀さん。竹内さんのラストシーンの工夫とか、カンノさんがワニに噛まれてカメラに向かって戯けてるところとか。


稽古最終日の映像で、舞台上で司場さん宮崎さんポイントさんがずっと相談しているのが、何だかイメージ通りだなと思った。演劇人っぽいというか、なんだろう、多分シーンに関係あったからとかだろうけど。

最近、劇場の配信には特典つくことがあって、ついつい劇場で観た公演でも配信買ってしまう。



第2回があったってことは、今回チケット完売してたし、もちろん第3回もあるってことでOKですか…?

次はいつだろう。同じ間隔なら1月→4月ときて、7月?

脚本書くのは司場さん固定では無いとラジオで聞いたので、宮崎さんやピュートの2人が書く脚本のオプトーバー8も観てみたいなと思ったり。


オフローズ、ピュート、定点計画の3組8人が本当に最高の組み合わせで、もっと色んな脚本の色々なキャラクターと物語を観たい。

お笑いはもちろん好きで、3組はコント師で。
でも「演劇」してるのも好きだなと、改めて思った。

次回も楽しみ。
是非また劇場に観に行きたい。

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