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そのひと声が

朝、オフィスのビルで。
エレベーターの前で右往左往している女性がいた。扉に近づきすぎてるし明らかに困ってる雰囲気。よく見たら白い杖を手にしてる。彼女は壁づたいに↑行きのボタンを探していたようだ。近づいて肩をトントンして『ボタン押しましたよ』と伝える。
4台あるエレベーターのうち、ちょっど目の前のエレベーターの到着を知らせる音がピンコーン♪と鳴って、彼女が最初に乗り込んで一番奥まで行った。通勤時間のエレベーターは混んでて次から次へと大勢乗って満員になり扉が閉まる。ピンコーン♪今度は目的階に到着を知らせる音が鳴る。ゾロゾロとみんな降りて、そこから各自のフロアへ行く第2エレベーターに向かう。

最後に彼女が降りて来た時『エレベーターホールまで一緒に行きましょうか?』と聞くと、『ありがとうございます😊』と弾んだ声が返ってきた。私は彼女の左側に立っていた。彼女はサッと左手を出して私の右肘辺りにそっと触れた。指先が触れる程度だ。そして2人並んで次のエレベーターホールに向かって歩き出した。何階行きですか?から始まり、朝は人混みで歩きにくいとか、そろそろ左に曲がりますとか話しながら。セキュリティゲート前まで来たら、彼女はお礼を言いながら社員証をピッとかざして笑顔で入っていった。

今までは、どうやって声かけたらいいんだろう?助けを求めてないかもしれない…とかモジモジ躊躇いがちだったけど、きっと必要なければ大丈夫ですって断ってくるだろうし、まずは声をかけてみよう!と最近心がけております。が、やっぱり場所や時間によっては躊躇っちゃうけど…さりげなく手助けできる人になりたいと思う今日この頃

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