Gaku Ito

世界と繋がりたい。英語、中国語OK。スペイン語は好きなだけ。ハングルは読めるだけ。フラ…

Gaku Ito

世界と繋がりたい。英語、中国語OK。スペイン語は好きなだけ。ハングルは読めるだけ。フランス語勉強中。

マガジン

  • あとからなら笑える旅のあちゃちゃちゃ(世界編)

    旅のできないこんな時代だから振り返ってみよう

  • Petit à petit フランス語はじめちゃお II

    マガジンは100個でいっぱいということで二つ目

  • 耳を澄ませば地響きが聞こえる本

    うなる本を読むと記録に残したくなる その時の自分なりの記録として

  • ショートショートショート

    ショートショートよりショートな妄想小説

  • 大人は走ると考える

    ランニングするといろいろ考えちゃう。 マラソンは一度出ただけだけど、つまり素人だけれども、ずいぶんとアドバイスもらったり、工夫したり、そんなことを細々と綴っておけば、走ろうって思い立ったファンランナーが楽しいままゴールできるんじゃないかな?

最近の記事

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歌の世界にまどろんで_貴州トン族を訪ねて

 厦格村(xiage)は山の上にあった。ここでは夕食まで時間がたっぷりある。侗族最大の村である肇兴(zhaoxing)の入り口で観光バスからバンに乗り換え、曲がりくねった山道を30分ほど進むと村のゲートが現れた。すでに村人たちが歓迎のために待っている。前に進み出たのはエリート然として髪を整えた背の高い男性だった。おそらく漢族だろう。午前中に訪れた黄岗(huanggang)村長とはずいぶんと佇まいが違う。27歳で黄岗村長に選ばれた彼は、侗族の衣装を着て朴訥な笑顔で村総出の結婚式

    • 夜明けのホーチミン、シクロとともに揺蕩う

      ホーチミン朝6時、朝食まえの自由なひとときにホテルを抜け出し夜明けともに街に出て川辺に向かう。朝でも蒸し暑い。早朝からバイクはビュンビュンと走り、喧騒は始まっている。大通りには歩行者用信号などどこにあるかわからない。Tシャツ姿のおばちゃんはバイクに群れに怯むことなく大通りを横切ってゆく。渡るには車列の一瞬の間隙に突っ込むしかないのだ。思い切って通りへ踏み出す。ビービーとクラクションを鳴らされつつ一台一台やり過ごす。にいちゃんもねえちゃんビービー鳴らす。ホーチミン素人のあゆみは

      • カネのなる橋の向こうには

         ジョホール・バルからシンガポール国境への橋は大渋滞だ。毎日20-25万人が往復して入国検査するってんだから仕方ない。2本ある通過橋のうちどちらかを選択するのはギャンブルのような感覚があるらしく、行きの第二橋はいたって順調でドライバーはご満悦、しかし帰りは、自信満々の別のドライバーは第一橋を選択して見事にハマってしまった。もちろん今の世の中はスマホがあるので、混雑情報はある程度共有されてるが、渋滞なんてものはしょせん予測不能だ。それがギャンブルたるゆえん。 国境を行き来する

        • アルバニアの首相来日 noteでアルバニアのこと書いてるのはオレくらいだろうから、声かけておくれよ https://note.com/yuezhuangyuan/m/mc1b2ea74e3d5

        • 固定された記事

        歌の世界にまどろんで_貴州トン族を訪ねて

        • 夜明けのホーチミン、シクロとともに揺蕩う

        • カネのなる橋の向こうには

        • アルバニアの首相来日 noteでアルバニアのこと書いてるのはオレくらいだろうから、声かけておくれよ https://note.com/yuezhuangyuan/m/mc1b2ea74e3d5

        マガジン

        • あとからなら笑える旅のあちゃちゃちゃ(世界編)
          12本
        • 耳を澄ませば地響きが聞こえる本
          7本
        • Petit à petit フランス語はじめちゃお II
          21本
        • ショートショートショート
          4本
        • 大人は走ると考える
          4本
        • Vamos a conocer Cuba! キューバを知ろう
          60本

        記事

          3年目のギタリストに美しい空は見えるのか?

          49歳スタートとはいえギターを始めて3年目ともなるとコードフォームはそれなりに覚え、指板上の音名も朧げにみえるようになってきた。右手のストロークリズムも練習を重ねれば、安定とは言わないまでも、やってない人から見ればそこそこできてるように見えるかもしれない。 でもいかんせん自室で練習しているだけなので丘サーファーの感は否めない。本物の波を知らないのだ。毎年行われるはずのギター教室主催生徒発表会もこのご時世で何年も中止だしね。 練習する曲はロック、ポップス、ブルースと横に広く

          3年目のギタリストに美しい空は見えるのか?

          ペレがなくなった。 6年前に観たペレ映画を振り返っておく。 ペレ前とペレ後でブラジルサッカーは革新した。ずっとサッカーしてきたのに、そんなことを映画を観るまで知らなかった。 https://zhuangyuan.exblog.jp/23379152/

          ペレがなくなった。 6年前に観たペレ映画を振り返っておく。 ペレ前とペレ後でブラジルサッカーは革新した。ずっとサッカーしてきたのに、そんなことを映画を観るまで知らなかった。 https://zhuangyuan.exblog.jp/23379152/

          旅の本とこころ残りと

           旅に出る前に本を選ぶのが好きだ。なるべく行き先に絡むものがよい。文化とか歴史とか。かといってエッセイじゃ軽すぎるし、物語は中に入れなかったときのことを考えると逡巡する。旅行記は持たない。物の見方に影響するから。読みかけで興がいってる本はすぐに読み終わってしまうからやめよう。長いフライトで本を切らした時の無為感はやるせない。でも哲学書なら高度進行中は眠り薬よりよく効く。ハードカバーは重いので文庫かな。Kindleは対象外だ。  なんてことをウダウダ考えつつセレクトするが出発

          旅の本とこころ残りと

          パリの陽はトワレットとともに暮れゆく

          旅先で息子と待ち合わせるためにメトロを乗り継ぎSNCF (Société Nationale des Chemins de fer Français)のターミナル駅に着いた。Gare de Lyon(リヨン駅) その日の朝「リヨン駅に夜9時半ごろ着くから迎えに来てよ」とメッセージあり。 「オレがいるのはリヨンじゃなくてパリだぞ。パリの北駅近くのホテル取ってる。フランス語でググるならGare de Nord、Gareが駅で、Nordが北ってこと 」 「知ってるよ。パリにも

          パリの陽はトワレットとともに暮れゆく

          猫エッセイ「大人の名付け方」

          ウチにニャンコたちが来ると決まってからさっそく名前を考えることになった。保護猫だった彼らにはすでに名前があった。キジ虎模様の男の子がタイガとサビ柄の女の子がナラ。タイガはタイガーだろうがナラという名前は私にとって馴染みがない。米国で猫につける名前ランキングでは上位に入るそうな。ググって見るとライオンキングのヒロインなのね。ソマリ語由来らしい。 保護猫をケアするボランティアさんは譲渡先を探すためにインスタページを開設しており、妻は毎日観ていた。弟の庭先で野良猫ちゃんが5つ子を

          猫エッセイ「大人の名付け方」

          小説「猫ちゃん印のコーヒー豆」

           保護猫ちゃんが我が家にやってきて1週間が経つ。義弟の庭に迷い込んだ野良ちゃんが産んだ5匹中の2匹の子たちだ。3段式の大きなケージをを購入してリビングの窓際にセットした。人のいる時はケージを開ける。リビングと三階に続く階段が2人の遊び場だ。猫ちゃんたちとの初めての暮らし、わずか1週間で早くも世界の中心が変わってしまった。 私の朝はコーヒーと読書で始まる。 静けさの中で空間を独り占めすると世界が自分のものになる。どんな本でもこの時間の読書は密度が飛び抜けて濃い。 午前5時に

          小説「猫ちゃん印のコーヒー豆」

          モーロの香りと、音の煌めきの妖しい因果

          この日のギターレッスンでは新しい課題曲を選んだ。 「今度のは速くて最後までセーハコードなので休むところがないです。手が痛くなったらすぐやめてくださいね」 「下手すると腱鞘炎とかなっちゃいますかね?」 「ジャックみたいに力入れて頑張り続けちゃう人はなおさらだな」 ギターを始めて2年以上経つが この力を抜くってのが一番むずかしい。軽く軽くと念じつつもいつのまにか力んでしまう。それでもいつも意識してるせいか、一年前にはかちこちに厚くなっていた左手指先の表皮は徐々に元に戻りつ

          モーロの香りと、音の煌めきの妖しい因果

          パイナップルちゃんぷるう

          第二話ではヤマトンチュの郵便配達人がキープレーヤーだ。この青年の軽薄なインチキくささがいい味出してる。古来郵便配達人は信頼を集める職業であり遠く離れた場所同士を繋ぎ合わせる。ゆえにその存在だけで尊敬されうる。島民からも可愛がられている。しかし両者の微妙な距離感がたまらない。彼はいつまでも外なのだ。でも長老は一枚上手だ。いつのまにか中に引きずり込んでゆく。沖縄大好き本州人の独りよがりの「癒やされたい」気持ちと、面倒な付き合いはしたくないという外来人のいいとこ取り。 かといって

          パイナップルちゃんぷるう

          ぽっちゃりボテロ

          「ふくよかな魔法」と題されたフェルナンド・ボテロ展に行ってきた。 ふくよかとは、ボテロみんなまるまると太って描くから。人だけじゃないのよ、花だって楽器だってぽっちゃり。 若い頃、マンドリンを描いている時、最後に小さなサウンドホールを加えた。するとマンドリンがみるみるふくらんできたという。 彼はコロンビアのメデジン出身だが20歳まで住んだ故郷を愛しコロンビアをモチーフにした作品を多く描いたという。 “アートが普遍的であるのは、まずローカルでなければならないと私は信じてい

          ぽっちゃりボテロ

          言葉のラビリンスを巡るエトセトラ

          先日1/12に開催した対談イベント「言語からの応答 野間秀樹&辻野裕紀」は大好評であった。 この度、期間限定で動画アーカイブを購入できるようになったので、進行役兼読者代表質問者としてお二人の一番近くで聴いていた私が、この対談のエッセンスをチラリと紹介したい。 言語学者のお二人の含蓄あるお言葉を素人のおまえが紹介していいのかなんて声も聞こえてきそうだが、いいんです、言葉はそもそも伝わらないものなんだしね。人が受け取る言葉の意味は、その人なりの個人史を背負った、経験だとか知識

          言葉のラビリンスを巡るエトセトラ

          王が起こした革命

          『[新版]ハングルの誕生 人間にとって文字とは何か』野間秀樹著(平凡社ライブラリー) この大層な副題のついた名著を紹介する前に、私自身のハングルとに関わりと、そのもどかしさについて書いておきたい。 80年代 今ほど韓国が身近にない中高生の頃からNHK講座などでハングルにふれいて、ずいぶんとやさしい言葉だなと感じていた。大学に入ると先輩が韓国の貿易会社に就職し、バイトの斡旋などをしてもらったが、入社したばかりの先輩もなんだか簡単そうに韓国語しゃべってる。 その後私も鉄鋼会

          王が起こした革命

          世界の果てまで行ってrun!ってほどでもないけれど

          走り出したきっかけはいろいろあるけれど、何より気軽に始められたってのが大きい。シューズを買って公園にむかえばよい。でもそれって大きな視野で見ると、すぐに走り出せるきれいで安全な道路や公園というインフラストラクチャーがあって初めて言えることだよね。普段は意識しないことだけど、空気つまり大気だって、季節に伴う温度や湿気だって、そうしたものが整ってるから気軽に走り出せるのだ。 僕は出張先にシューズを持ってゆき早朝に走ることが多いのだが、各国で走りつつそんなことを感じる。 ロサン

          世界の果てまで行ってrun!ってほどでもないけれど