沙さ綺ゆがみ

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背鰭と青睡蓮の殺人-2

2 目を覚ますと深い闇の中に青い光が灯っている。米粒のように小さい光が宇宙にポツンと取り残された星のように見えた。寝違えたのか首が猛烈に痛い。首をゴリゴリと回しているうちに昼間の情景が思い出された。広がる田舎道で誰かが自分の名前を呼んだ。幽霊か疲れか、そんなことはどちらでもいい。俺は手元の電灯にスイッチを入れ青い星を消し去った。 外の風景が無性に見たかったのだ。とにかく外界のものを何か目に入れたかった。わずかに湿ったスリッパを履いてカーテンを開ける。眠りについてからずいぶ

    • 背鰭と青睡蓮の3つの殺人 -1

      1 「薬王寺さん?」 懐かしいような声が聞こえ振り返った。 そこには彼女の姿が…なかった。 遥か先まで名も知らぬ雑草が広がる一本道に僕は立っていた。 朝の8時に特急列車に乗り込みここまで来たが、既に太陽は別れのサインを送っている。 今晩のところは宿に泊まり、付近の散策は明日にしよう。 声のした方から体を向き直し目的の宿に向かった。 底の厚いシューズを買ったはずだが、足の裏は疲労のせいで焼けるように熱い。 太陽がオレンジ色の輝きを放ち始めたころ、僕は宿に着いた。 風情のある

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    • 背鰭と青睡蓮の殺人
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