『1億3000万人のためのeスポーツ入門』と『バーチャルYouTuber名鑑2018』(?)

バーチャルYouTuber名鑑2018』という本がありまして。あるんですよ。

2018 年 7 月に発行された本なんですよ。掲載されているバーチャル YouTuber の殆どがね、1 年たった今はもう活動してないんじゃないかっていうそういう本なんですよ。発売された時は楽しかったなってね、卒業アルバムみたいに見返すような、ほとんど見返さないような。

そんなことを思い出したんですよね。『1億3000万人のためのeスポーツ入門』を読んで。コミュニティの宣伝枠が欲しかったって感情なんですけど。

もー全然足りないわけですわ。この本は 6 章+座談会の構成なんですよ。色々な観点から色々な人が esports の課題やら未来やらについてね、語ってくださってるんですけども。

でね、誰を見ればとか、どのメディアを見ればとか、どの大会を見ればとか書いていただいてるんですけどね、足らんよね紙面。第三者がそういうこと言って「へー」ってなった人のうち、どの程度が実際に大会を観てメディアの記事を読み選手やチームのファンになるんやろね、みたいなね。1 クリック挟むと次のページに進む人がどの程度減るでしょう、とか思い出します。

この本はビジネス書なんすよね。コミュニティが大事と何度も繰り返されるんですけど、コミュニティそれぞれの顔はなかなか見えないんですわ。これはもうしょうがない。ビジネス書だから。そういうのはハイコンテクストだから。

esports ビジネスに触れる入門書として良く出来てます、ホント。 『1億3000万人のためのeスポーツ観戦ガイド』とかではない。

RUSH GAMING の西谷さんが書いた章なんて IR みたいなんですよ。我々は投資家で RUSH GAMING という組織に投資するかを判断すると。すごい。

VTuber やアイドルなんかもそうなんですけど、成長ストーリーみたいなものをドン!と提示されると人は弱いですよね。応援したくなっちゃう。ストーリー、そこだけなら新入社員が駅前で社訓を叫ぶやつにもありますけどね。最後の一人が間違えずに言えるまで帰れなくて、茶番だと思いつつ感情は動くんですわ、エモい。

貼ったやつでもやんや言ってますし、僕の意図もそこと同じなんですけど、茶番を真剣にやるって重要なスキルなんですよ。

ビジネス書なんで当たり前なんですけど、上の記事みたいな茶番のできないクソ野郎どものどうしようもなさって出てこないんですよね(一人分は出てるかもしれない)。でも俺はそんなクソ野郎どものどうしようもなさも 1 億 3000 万人に届いて欲しい。1 億 3000 万人のどうしようもないクソ野郎へ。一人ひとりのクソ野郎とそれぞれのどうしようもなさへもう 1 アクションで触れられるような広告枠が巻末にあればと思ってしまう。

そういうのに一番近いのって文芸なんすよね。それこそが esports の産業ではない方の文化だとかそういうものを担うと思うので。やはりそれはビジネス書では語れないもので、その事実は別にこの本の価値を貶めたりしないんですよね。合わせて読みたい『手を伸ばせ、そしてコマンドを入力しろ』!

別にアフィ収入とかはないです。

読んでくださりありがとうございます。ぜひ感想をシェアしてください!