最近『六人の嘘つきな大学生』という小説を読んだのが、勉強になることや就活への皮肉が沢山書かれていたので、引用して自分の意見も少し書いていきたいと思います。
ちなみにこの小説に対する感想はこちらからご覧ください。
あらすじ
簡単なあらすじを引用させて頂きます。
ちなみにスピラリンクスはスピラという若者がほとんど使うようなSNSを運営する爆イケのIT企業で、そんな企業が満を持して新卒採用を開始し、初任給はなんと破格の50万円という設定です。
勉強になったところ
GDの準備
当初1ヶ月後のGDのテーマは「スピラリンクスが実際に抱えている案件と似たものを提示し、それをどのように進めていくのか」だと提示されていたのですが、それに向けて会議する様子が非常に勉強になりました。
スピラリンクスが手掛けている案件を1人ずつ調べて会議で共有することになったのですが、その調査した情報は様々でスピラリンクスの案件を網羅的に調べた人や海外のSNSについて調査した人などがいました。
そしてそういった資料を6人で分担して読み込んで、概要を抽出してホワイトボードに箇条書きにしていき、案件を網羅出来たら傾向に沿ってカテゴリわけをして対策を練っていくという流れが見事でした。
就活への皮肉
この本の中では就活に対する皮肉が沢山書かれているのですが、僕は就活が終わったという目線から見ていて「これ分かるわ~」ということが沢山ありました。その中から5つ引用させて頂きます。
①就活の指針が曖昧
就職活動の辛さと未来への不安から嶌さんという女の方が泣いてしまう場面がありました。その嶌さんの不安な気持ちに主人公の波多野くんは凄く共感していて、このように考えていました。
個人的には就活の最も過酷な所はこの曖昧さだと思います。何をすればいいか分からないのに、内定が出ないとどんどん追い込まれていくし、それが本当に辛いです。
またこの曖昧さからサボる人は本当にサボるし、結果を出す人は圧倒的に出すし、周りと比較してもどうすればいいか分からずしんどくなってしまうんだろうなと思います。
②自分でもよく分からない上昇志向
このGDが終わってから7年後に7年前の就職活動について振り返るというシーンがあるのですが、その中で就活生に芽生える上昇志向について話されている場面がありました。
ほとんどの就活生がこの謎の上昇志向を持ってしまっているんじゃないかなと思います。本当に「成長」という言葉を就活中は耳が腐るほど聞いたし、それを聞いていると自分も成長したいと思い込んでしまいます。
③就活期は最上の混乱期
ここでも就活について振り返ったシーンを引用させて頂くのですが、ここでは特に自己分析や就活による混乱について書かれていました。
僕は自己分析で見つかる自分が本当の自分だとは思いません。先程就活生は謎の上昇志向が芽生えると書きましたが、その上昇志向を持った状態で過去を振り返っても「今までも上昇志向を持ってきた!」と錯覚するだけです。
しかし、最上の混乱期である就活期は自分が本来あるはずのない上昇志向を持っていることにさえ気づけません。そんな風に就活生は自分が分からなくなるほど混乱しているので詐欺に遭いやすいと書いているんだと思います。
④人事担当は例外かも知れない
引き続き就活について振り返ったシーンを引用させて頂きます。ここでは特に人事担当と実際に働く人の乖離や企業の制度について書かれていました。
これもよく聞く話ですが、人事担当と実際に働く人は違う場合があります。だから人事の方の意見だけを当てにせずに、実際に働いている人の意見を聞くという姿勢を持つ必要があります。
またスピラリンクスにはビリヤードが出来る会議室があるそうですが、全く使われていなかったり、制度自体はあるけど実際には使う人がほとんどいなかったり、存在はしているが稼働していないことも往々にしてあります。
⑤見極められていない
最後も就活について振り返ったシーンを引用させて頂くのですが、ここでは学生を見極める側の人事担当者について書かれていました。
普段就活生の目線でしか見ていなかったのですが、企業側からしても見極めるのは難しいんだなと思います。だから仮に落ちたとしても、全く気にする必要なんてなかったんです。
おわりに
僕は就活を本当に一生懸命やったような人間なのですが、この本を真に受けていれば就活めっちゃ適当にやっていたんだろうなと思います。だから今読んでいて良かった気がします。
確かに就活していた当時持っていたような上昇志向は今ほとんど持っていません。どれだけ自分の芯を持つことが難しいのか、自分の芯が簡単に移り変わっていくのかを実感しています。
本日も読んでくださりありがとうございました!