ワールドマーケティングサミット東京2019 ①基調講演
ワールドマーケティングサミット東京2019に参加しました!
10/9(水)に「ワールドマーケティングサミット東京2019」へ参加してきました。
自分の人生でコトラー教授のお話を聞く機会があるなんて思わなかったので、とても感動しました。
サミット参加後に体調を崩してしまい、まとめるのが遅くなってしまいましたが、聞いてきたことや学んだことを自分なりにまとめてみます。
(約6時間の講演でしたので、少しずつ出していきます)
まずは、コトラー教授の基調講演です。
(スライドの撮影が禁止だったため、文字のみになってしまいます…)
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『What's next? The future of Business and Marketing』
フィリップ・コトラー(ノースウェスタン大学 ケロッグ経営大学院教授)
■「古い」資本主義と「新しい」資本主義
資本主義には2つある。
・古い資本主義:現在主流の資本主義→変えなければいけない!
・新しい資本主義:北欧型の資本主義
理想的な社会が形成されるように、新しい資本主義へ移り変わるべき
■古い資本主義は機能しているか(アメリカ)
・13〜15%の国民が貧困にあえいでいるのに、多くの富裕層がいる
・薬価の高騰→医療で破産に追い込まれる人続出
・ほとんどの退職者が貯金がない
■GDPの問題点
・GDPだけを見て、物事を決めてはいけない
・モノしか評価できない
┗防衛費や、社会的に悪影響があるモノも含まれてしまう
・GDPがあがることが、環境問題や人間の健康に悪影響を与えているかもしれない(Paul Polman)
・単純に経済(GDP)の成長だけでなく、生活が豊かになることを考えなければいけない
■民主主義は機能しているか(アメリカ)
・アメリカ国民の80%は銃規制を求めている
┗実現していない
→全米ライフル協会が議員の金と当落を握っているため
・人種差別や白人至上主義が台頭してきている
・独裁的なルールに対するチェックや調整がとても弱い
■トリプルボトムライン(3つの指標)の必要性
・GDPだけではなく、幸福度の計測(cf.フィンランド,ブータン)が必要!
《トリプルボトムライン》
①収益(経済成長)が良くなっているか=GDP
②人々が良くなっているか=GNH/GNW(国民総幸福量)
③地球が良くなっているか=気候や二酸化炭素問題、自然(乱獲・乱伐)
・持続可能性が大切。直ぐに行動を!
■COMMON GOODを前進させよう!
・人類共通の“善”を考えよう!
・社会運動のような活動を前進させよう!
┗労働者の権利、女性の権利、消費者の権利
・成功している社会=全体的な善を考えている
┗ex.ビル・ゲイツの慈善事業(The Giving Pledge)
■解決策
・他国で起きていることにしっかり目を向けていく
・政府が紙幣を大量に印刷するとインフレを招く
・解決方法
①富裕層に税金をもっとかける
┗富裕層は所得の10%しか税金を払っていない
┗所得税を最大45%くらいに引き上げるべき
②富裕税を導入するべき(Thomas pikettyらによって提唱)
・お金が循環する経済にしていくべき
┗消費者が購買行動を行うことで仕事を作り出していく
■古いビジネスはもう受け入れられない
・古いビジネスモデル
┗一部のシェアホルダー(株主)に対して最大の利益を作り出すことを目的にしている
┗労働者の賃金を安くすることがままある→労働者がやる気を失くし、辞めていく
・新しいビジネスモデルが必要
┗利益を生みつつ、全方位のシェアホルダーに対して利益を共有していく必要がある
■新しいビジネスモデル
・最近のアメリカ政府は機能していない
・ビジネスを向上させるのは誰なのか、よく考えること
・ミレニアル世代は、社会問題に対する姿勢や価値がどう見えるかを気にかけている
・ビジネスは、より良い社会を作るために様々な責任を負う必要がある
■ブランドは立ち上がれ!
・スターバックス/ナイキ/ユニリーバは、すでに社会問題に対する取り組みを行っている
・企業の立場を確立させるべき
■あなたの会社はCSRやブランドアクティビズムに対応できているか?
・ブランドアクティビズム:ブランドの態度表明
┗ブランドがどのように行動しているか?
■最近の潮流
・様々な変化が起こっているが、これは企業にとってチャンスでもある
■マーケティングの将来
・マーケティングは変わらないといけない
┗デジタルやAIに対する対応が必要
・変わらなければいけない理由
┗消費者、流通、技術、市場の地理的環境、競合環境(FAAG)が大きく変わったため
■これからの新しいマーケティングにおける重要なポイントとは
・AI(ソーシャル/デジタルメディア、アルゴリズム)
・マーケティングオートメーション
・カスタマージャーニー
・データサイエンティスト、1to1マーケティング
・ペルソナの構築
・コンテンツマーケティング
・オムニチャネルマーケティング
・ニューメトリックス
・プレディクティブアナリティクス
・リーンマーケティング
・インフルエンサーマーケティング
(徳力基彦さんのnoteから引用:https://note.mu/tokuriki/n/n93d433d75e82)
■企業のマーケティングを管理するのは誰?
・「売る」以上のことをするのがマーケティング
・営業責任者(VPS)に任せるべきでない
┗営業は製品を売る、一方で良い製品を作るのはマーケティング
・CMOが一番良いのではないか?(フィットする)
・マーケティングは、顧客にとって本当に必要か、よく考えるべき
┗開発者は素晴らしい製品を開発したと考えてしまう
┗マーケティングと研究開発はターゲットが違う
■次に何が起こるのか
・オンライン無しだとうまくいかない
・現在の「情報時代」において、消費者は自分にとって一番良いブランドを選ぶ際に、広告やセールスに頼ることが少なくなってきている
・マーケティングは「スマートプライシング」と「強力なチャネルポジションの所有」が生み出すになる
■これからのビジネス
・もし、あなたが5年後も今と全く同じビジネスをやっているつもりでいるなら、あなたの会社は倒産の危機を迎えるだろう
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最後に
コトラー教授のお話は、「マーケティングの進化」のみではなく「マーケティングを使ってより良い社会にするには」という部分に大半の時間が割かれていました。
(最近、コトラー教授のソーシャル・マーケティングに関する本も出ました)
あと、私が一番心に刺さったのは最後の「もし、あなたが5年後も今と全く同じビジネスをやっているつもりでいるなら、あなたの会社は倒産の危機を迎えるだろう」という部分です。
常に新しくなっていく社会に、自分が追いついていかなければ、いずれ社会から必要とされなくなってしまうのだと強く感じました。
他の講演内容は、後日UPします!
お楽しみに待っていただけると幸いです…。
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