土橋優平/NPO法人キーデザイン代表理事

青森県八戸市出身、栃木県宇都宮市在住。宇都宮大学農学部に入学後、2年間休学し中退。NP…

土橋優平/NPO法人キーデザイン代表理事

青森県八戸市出身、栃木県宇都宮市在住。宇都宮大学農学部に入学後、2年間休学し中退。NPO法人キーデザインを設立し、不登校の子ども向けのフリースクール・ホームスクール事業、保護者向けの無料LINE相談「お母さんのほけんしつ」を運営。年間300件以上の相談を受ける。

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  • フリースクールのあれこれ

    不登校の子ども達の学びであり、居場所であるフリースクール。その運営に関して、大切にしていることや経営のこと、エピソードなどをまとめています。

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私はたまたま不登校にならなかった。「よくがんばったね」と子ども達に伝え続けたい。

不登校の子どもだけでなく、家族を包み込むような支援をしたいみなさん、こんにちは。  NPO法人キーデザイン代表の土橋と申します。キーデザインは、栃木県宇都宮市を中心に、不登校の子どもやそのご家族のサポートに取り組んでいます。 主な事業は3つ。 ①フリースクール 不登校の小中学生を対象とした居場所型支援です。2023年3月現在、33名の生徒が登録し、週5日(2拠点あわせて)のオープン日に自由に出席し、大学生やスタッフと一緒に楽しい時間を過ごす中で、集団生活やコミュニケーショ

    • 不登校離職という社会課題【私たちNPOが、無料でLINE相談をする理由】

      みなさん、こんにちは。 NPO法人キーデザインの土橋です。 突然ですが実は今、法人の借金は800万円になります。 昨年、一昨年と銀行から融資を受け、事業を運営しています。 公に話したことはないので、驚かれる方もいらっしゃると思います。 ですが、これは紛れもない事実です。 そんな中でもキーデザインでは、無料LINE相談窓口「お母さんのほけんしつ」を運営しており、全国から3,700名を超える保護者の登録があり、常時50名ほどの方とやり取りをしています。 栃木県内:県外=2:

      • 四次元ポケットのないドラえもんに価値はあるのか(2024年ver.)

        さてさてさて。 「四次元ポケットのないドラえもんに価値はあるのか」 というタイトルで始まったこのnoteですが 先日ある方と「若者の居場所づくり」 について語っていた時 「土橋さんはあくまでドラえもんが 必要ということで四次元ポケットは なくてもいいということですね」 という一言から始まりました。 僕は一瞬沈黙しました。 頭の中をたくさんのことが駆け巡りました。 (自分、ドラえもん大好きなので普段から見ていて、その様々なシーンと今自分の思う社会に必要なこととを照らし合

        • 人が起こした問題は、人の手で解決することができる

          「制度を変えていくことも大切ですが、人が起こした問題は必ず人の手で解決することができるんです」 少し前、中野さんの講演会に参加させていただいた際、60分ほどの講話の最後におっしゃっていた↑この言葉が強く印象に残っています。(中野さん、言葉が違っていたらすみません!) 私たちNPO法人キーデザインが行っている取組みは、フリースクールもLINE相談窓口も不登校情報サイトも、どれも行政からの助成金・補助金はありません。 正直、自主財源だけで、経営を続けていくのは難しいところが

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        私はたまたま不登校にならなかった。「よくがんばったね」と子ども達に伝え続けたい。

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          8本

        記事

          不登校の子を「何としても学校に戻そう」は大人の怠惰

          まず初めにこれは保護者に向けた言葉ではない、ということを前提として伝えさせてください。 不登校の子どもをサポートする支援者やフリースクールを実践する方々の中には「(子どもの意思に関係なく)学校に戻すことがゴールです」という言葉を発する方も多くいます。いろいろな考えがあってよいと思っていますが、私は違和感を感じていたので、それを言語化してみました。 基本的に私は、子どもが学校に行きたいと言えば、それは応援したい派です。でも時々、子どもが学校に対してしんどい思いを持っている、

          不登校の子を「何としても学校に戻そう」は大人の怠惰

          1%の不登校家庭

          5月11日時点で「2,589」名。 この数字は、不登校の子の保護者向けのLINE相談窓口「お母さんのほけんしつ」の登録者数です。 2021年度の全国の不登校の児童生徒の人数は24万4940名。(文科省発表の最新データ) 計算すると「1.05」% 全国の不登校の家庭の約1%が登録している計算になります。(調査のタイミングにズレはありますが。) これが多いか少ないかは、みなさんの捉え方にお任せします。 お母さんのほけんしつをオープンしたのは、2020年5月。 あれか

          GW明け「学校に行きたくない…」に悩む親御さんへ

          GWが明けて数日が経つと、お子さんによっては「学校に行きたくない…」と言ったり、腹痛、頭痛などでお休みすることがでたりします。 親としては焦りますよね。 「このまま不登校になるんじゃ...」 「学校に行けなくて、将来大丈夫なの?」 親としてそう思うのは自然なことだと思います。 子どものことを想うからこそです。 ですが、最初にこれだけは伝えさせてください。 1.「学校に行かないこと」は問題ではありません「学校に行かないこと」自体は問題ではありません。 お子さんが学校に

          GW明け「学校に行きたくない…」に悩む親御さんへ

          フリースクールで秘密基地づくり

          先日見た「夢みる小学校」で 印象的なシーンがありました。 子ども達が自分たちで工具を使って ヤグラを組んでいたんです。 映像を見てからずっと 「やべー!」と興奮している 自分がいました。 上映会を終えてからは 「もっと子ども達を信じて任せよう」 と思い、頭の中をぐるぐるぐるぐる。 以前からフリースクールの庭先にある木を撤去したいと思っていました。 でもなぜか大人で集まってやろうと思っていた自分がいました。 映画を見たあとになって「いや、なんでだ?大人でやらなきゃいけ

          フリースクールで秘密基地づくり

          週刊誌にすっぱ抜かれたのは誰か

          人生で週刊誌に載る日が来るとは思いませんでした。 ということで、不登校をテーマに特集記事が組まれました! 2/28発売の「週刊女性」です。 (悪いことをして掲載されたわけではないのでご安心を) 画像を見ていただくと「不登校の子どもを愛せない」という一見過激な表題が。 でも現に、私たちの無料LINE相談窓口に届く声の1つでもあります。決して現実離れした表現ではありません。 お子さんが不登校にならないと分からないことかもしれません。 でも子育てをしたことのある方なら、同

          週刊誌にすっぱ抜かれたのは誰か

          叫び

          「なんなんだ、この社会は!」って叫びたくなることなんて腐るほどある。部屋でひとり拳握って、何度も何度も涙を流している。この理不尽な社会、子ども・子育てに厳しい社会で、変えなければいけないことが山ほどある。「このままでいい」なんて微塵も思わない。気付いた人が動く。 絶対変えていこう。 「自分なんて」「どうせ」 そんな言葉であふれた日々をおくる子が 大勢いるこの社会が正しいのか。 生まれて10年15年しか経たない子が 「死にたい」って言う社会が正しいのか。 このままでいい

          子ども達を元気にするものって

          フリースクールミズタマリの漫画たち。いくつかある本棚のうち、この一番目立つ位置にある本棚にはそれぞれの最初のほうの巻を置いています。続きの巻は他の本棚へ置いてあります。全部で500冊以上はあるかなと思います。 いただいたものや自費で買ったもの、実家にあったものなど入口は様々です。ここまで集めるのにはかなり時間がかかりました。 ある中学生の男の子は漫画に熱中。 あまり自分から積極的に話すタイプではない子です。 あるとき親御さんから と家で言っていました、とお話が。 ど

          子ども達を元気にするものって

          「不登校の子は、社会に通用しない?」に真っ向から反対します。

          こんにちは、ドバシです。 不登校に悩む親子のサポートに取り組んでいまふ。 今回、「不登校」をネガティブに捉える方からよく聞く「不登校の子は、社会に通用しない」に反論を述べます。 明確な根拠をまとめたというより、思いを書いています。 良かったら読んでいただけると嬉しいです。 1.「落ちこぼれでしょ?」に拳を握った5,6年ほど前のこと。 ”生きづらさ”に寄り添うことに キーデザインとして着手し始めた頃 ある企業のスタッフの方に 事業を一緒にできないか相談していた。 当時

          「不登校の子は、社会に通用しない?」に真っ向から反対します。

          「言いたくない」という子どもの意思を尊重する

          不登校支援をしていると 子どもが急に涙するシーンと 出くわすこともある。 理由が明確にわからない時には と伝える。 無理に聞かない。 「言いたくない」という 本人の意思を尊重し 「もし話したくなったら言ってね」と 待つ。 「理由が知りたい」は あくまでこちらの要望。 その背景には「わからない」 という不安が私たちにある。 私たちの不安解消のために 子どもの意思をないがしろに していいものではない。 思いきり「悲しみ」に 浸ることが必要なときもあるし 時間が経って

          「言いたくない」という子どもの意思を尊重する

          「フリースクールって経営成り立つの?」に答えます。

          みなさん、こんにちは。 栃木県宇都宮市とさくら市にて、フリースクールミズタマリ・オハナを運営する、代表の土橋です。 今回は最近よく質問される「フリースクールって経営成り立ってるの?」という問いに回答します。 どちらかというと執筆や講演等においては、子ども達との関わり方や親御さんへの支援などの話がメインになるので、経営についてこうして綴るのは初の試みです。 まず結論からお伝えすると「事業収入だけでは成り立ちません」 利用するご家庭からお月謝をいただいているのですが、それ

          「フリースクールって経営成り立つの?」に答えます。

          子ども達へ、僕からも「ありがとう」

          フリースクールミズタマリに通う子どもが ある時、スタッフに渡してくれた手紙。 「ありがとう。みずたまりさんへ。」 大人がイメージする”手紙”にしては 短いのかもしれない。 でもこの「ありがとう」の一言だけで 心がじわーっと温かくなる。 「一生懸命書いたんだろうな」 「わくわくしながら書いたんだろうな」 「喜んでもらいたいって考えてたのかな」 そんな想像を膨らませると これだけでご飯10杯はいける。 こちらこそ、出会ってくれて 生まれてきてくれてありがとう。 こん

          子ども達へ、僕からも「ありがとう」

          不登校LINE相談、登録者数が1500名を越えました。

          不登校LINE相談「お母さんのほけんしつ」は 実はその相談の7割以上が栃木県以外からのご相談です。 10月に入り、窓口への登録は1,500名を越えました。 毎日 「はじめまして」 「藁にもすがる思いで相談にきました」 と届く声。 1500人、1500通りの状況があります。 物理的に会うことができないと できることも極端に減ってしまいます。 それでも、どこにも相談できず ひとりで抱えていることより 文字だけのやり取りであっても 何を言っても否定されず 苛立ちも悲しみも

          不登校LINE相談、登録者数が1500名を越えました。