札幌行きを見送ったあと
階段のぼり、帰る夜汽車は
あなたを置いて　とぼとぼ行くよ
天国経由、ふるさと行き

枯れ葉の乗車券を
握りしめてると粉々になる
みの虫の運転手さん
隠れみのにそれを使う

あぁ、動き出した　虹のレール
天国までは眠りの中
「出会えてよかった」あなたの声、光の中
思い出経由、愛しさ行き

天国発の始発列車に
乗り込む人と握手を交わす
「次に会うとき、思い出してね」
憧れ経由、ふるさと行き

芝生の改札口で
誰もが緑の心になる
トカゲの車掌さんの
しっぽはどこへ向かうのだろう

あぁ、走り出せば風になれる
ふるさとまではやわらかい夢
「いろんなことがある」あなたの声、光の中
愛され経由、優しさ行き

あぁ、人は誰も生まれたこと
忘れながら悩みを生きる
「それでもいいんだよ」
あなたの声、あの日のまま
笑顔になれば思い出せる

最終列車は、しあわせ行き