獣になれない私たち(ネタバレ注意)

⚠️内容に触れまくった感想なので未視聴方は気をつけてください。また、個人の主観と晶さんを中心とした感想ですのでそれでも大丈夫な方のみ進んでください。

1話
1話をリアタイし終わった瞬間の感情は喪失感。新垣さんが晶さんみたいな役柄をやることに衝撃を受けたし、死んだ表情だったり"キモイ笑顔"に加えて内容も現実的すぎて本当に観てて辛かった。京谷のお母さんとのご飯のシーンで"大切な娘じゃないんです。"って語るところは見てて自然と涙が出てきた。京谷とお母さんの前では笑顔で何事もないように話してたけど1人でトイレに行ったあとの表情が晶さんの気持ちを物語ってたし、きっとそういう境遇で生きてきたからこそ大切な人の前でも何事もないように振る舞うしかなくて、自分を殺して頑張って踏ん張ってるんだろうなって。"お風呂はーいろ?"のシーンも同じように重い空気になるのが嫌で明るく振る舞うしかなかったんだろうなって晶さんの気持ちを考えると本当にやるせなくなる。終電の電車に吸い込まれるように近づいていくところは当時は気持ちがよくわからなかったけど今となってはその感覚が少しわかるからこそ本当に観ていて辛いし新垣さんの表情がリアルだからこそとっても刺さるシーンで好きかどうかって言われたら難しいけど私の中では特別なシーン。

2話
2話のシーンで1番好きなのはバーベキューのシーン。回想シーンの新垣さんのビジュアルももちろん好きだけどその後京谷と階段のところで2人きりになったところで"他の人好きになりたい。"って言うシーンが1番好き。今までの晶だったら京谷の前では、みんなの前では笑顔で振舞って本音を隠してたけどもう限界だったのかなって思うし、いつもとは違う強いブーツを履いていたからこそ少し本音を漏らせたのかなって。あとは京谷のお母さんとのメッセージを見てるとすごく優しい方なんだなっていうのは伝わるけど京谷のお母さんは現状を知らないからこそかけてくる言葉が晶にとっては辛いだろうし負担になるよなって思ってしまうから余計みてて辛いなって感じる。

3話
個人的に一番好きな回。3話は服装も好きだし内容も好き。最後の方の5tapのシーンで京谷を庇ったところで"庇わせてごめん。"っていう京谷に対して"京谷のためじゃない。京谷は悪くないって、そう思わないと、気づいちゃうから。京谷に、ないがしろにされてるって。本当は愛されてないんだって。"っていうセリフを言うところ(記憶の限りだから誤字あるかも)が個人的に全部を通しても1番くらいに好きなシーン。本当はおかしいって気づいてるし何とかして欲しいって思ってるけどでもいえなくて、それでも4年間愛してきた大切な人を信じたくて、自分の心に対しても嘘をつくために庇うしか無かったっていう気持ちがすごい理解出来て、だからこそ本当にそのセリフが心に刺さるし辛かった。3話を観終わったあとが1番喪失感を感じてたんじゃないかってくらいに私には響いたし1番晶の気持ちが伝わってきた回。

4話
4話は晶の家で京谷が待ってて、"呉羽さんが持ってた。"って言った後に"なんにも聞いてない。"って笑顔でいう晶が見てて本当にボロボロな気がして辛かった。ここまで来ても京谷を信じようとするし、本当の事を聞かないで京谷のことを信じたいんだろうなって。それでも白状した京谷のことを"京谷は優しくて正しい。"って言い切る晶に対して正直イライラした。(4話に関してはあんまり思入れがないみたい)

5話
最初の朱里さんとのシーンが本当に考えさせられる。晶と朱里さんは正反対のように見えるけどどっちも上手く生きられないって点では同じだし、6話で晶が朱里さんに"順番が違ってたら私が朱里さんだったかもしれない"って言ってたように誰が朱里さんになってもおかしくないよなって。晶に共感できる人にとっては朱里さんに対してイライラするし私も見てて最初はイライラしてたけど、9話で一生懸命働こうとしてる朱里さんを見てるとこうなりたくてこういう生活をしていたわけじゃないっていうのが分かるし、ただ不器用なだけなんだって思うからこそ、このシーンはどっちの気持ちもわかる気がして辛かった。あとは屋上のシーンが好き。最初見た時はこのまま飛び降りようとしてるのかなってヒヤヒヤした。必死に電話帳をスクロールしてる所は、晶がこういう時に心から頼りにしたいって思える人が居ないんだなってすごく辛くなった。"愛していれば、乗り越えられますか?苦しくても、辛いことが続いても。"ってところは、裏切られてもなお愛してて、信じたくて、ここまできても別れたくなくて、どうにかしたくて、、、って気持ちが晶のなかにはまだあるんだなって思ったら辛くて苦しくて何度観ても涙が止まらなくなるシーン。京谷がマンションを出ていくところも、結局京谷は優しくて晶が3話で言ってたように責任感だけで元カノを4年も住まわせちゃってたんだろうなって実感して今までイライラしてたのが少し申し訳なくなった。マンションを元カノにあげて、晶に振られるかもしれないけどそれでも戻らないって決意をしてマンションを出たからこそ、晶ともう一度あの日に話し合って仲を戻して欲しかったなって思っちゃうこともあるけど、そう上手くは行かないところがまたリアルだなって思う。

6話
6話は"今の晶可愛くない"って京谷に心底ムカついたけど、京谷もマンションの話をしようとしてた時に晶が"人目に付くところでキスする最低な女って私のことだよね?"って言ったからこその発言だっただろうし、お互い素直になれなくて結局噛み合わないのが見ててもどかしかった。その後呉羽さんの所に行った後のシーンは、晶が何を言いに来たのかはよく分からないしそれでも何かを誰かにぶつけたくて、上手く言葉に出来ないけど吐き出したくてっていうのがすごく伝わってきた。呉羽さんもそれが分かるからこそただ抱きしめて"疲れちゃうね。疲れちゃうよ。"って言ってるんだよなって思ってとにかく泣いた。その後呉羽さんが結婚をした事情を知った所も辛かった。"私にとってのたいしたことを、大事なことを話せないのって、どんなに体を重ねても、話せないなんて、なんか寂しいじゃん。"ってセリフが当時中学生ながらにめちゃくちゃ刺さった。この言葉も晶が京谷を振るのに少しのきっかけを与えたんじゃないかなって個人的には思ってる。

7話
7話も特に言うことは無いけどやっぱり京谷に別れを告げるシーンは何回もみちゃう。京谷への別れの言葉一つひとつが共感できるし、特に"嫌われたくなくて、しがみつくばっかりで、本当のこと何も言えてなかった。"ってセリフは特に恋愛においてはそういう人が多いんじゃないかなって。(恋愛経験はとっても少ないですけど!!!)後々朱里さんが"恋愛ってそういうもんなんじゃない?"って言うところがあるけど確かにそういうものだって受け入れて京谷との関係を続けても良かったと思うしそういう人も沢山いると思うけど、でも晶にとっては京谷と別れることが、人に合わせて自分を押し殺しちゃうところを変えたり、自分の人生をきちんと歩いたりするためには大切な決意なんだろうなって。"可愛くなくて何が悪いんじゃボケ。うっさいわ。"はとにかく可愛いしよく言った!!松任谷さんも最高!!!ってなってた。

8話
私が8話で好きなセリフは"お兄さんを助けたかった理由なんている?助けたかったから助けた。それでいいと思う。"ってところ。晶らしいセリフだなって思ったし、せっかく兄を助けたのに兄のプライドで"俺は助けて欲しいなんて言ってない。"って言われたからこそ恒星さんも意地を張っちゃってたんだろうけどその言葉で少し楽になれたんじゃないかなって個人的には思ってる。お兄さんを家族のところに連れて帰った帰りにバスの中で福島の家が解体された写真を見ながら泣く恒星さんを見てやっとこの人の素直な部分が見れた!!!って嬉しくなったし、恒星さんも普段は強がって気にしてないふりをいつもしててポーカーフェイスなイメージがあるけどでも結局根本には晶と似てる部分はあるんだよなって感じた。最後のゲーム対決のところはひたすらに晶が可愛かったけど男の家で寝ちゃあダメだよって叫んだ(迷惑)

9話(めちゃくちゃ長くなる自信がある)
最初のカフェのシーンで"電車のホームまた怖くなったら言っていい?""恒星さんも何かあったら言ってね"ってところが最初はお互い"キモイ笑顔"とか"髭が嫌い"って言い合ってたのに今ではお互い1番本音で話せる相手なんだなって心が温かくなる。あとは、恒星さんと京谷が話してる時の"性別関係なく、人間同士でいられる相手がいるとしたら、貴重じゃないですか。"って言うセリフと、"相手に縋って、嫌われないように振舞って、自分が消えていって、相手のこともわかんななる。そんなの嫌だ。繰り返したくない。"っていう晶が朱里さんに言うセリフって結局晶も恒星さんも相手といる時はそのままの自分でいられて、本音を隠さずにいられて、結局お互いが1番大切なのかなって思えるところで好き。9話でとにかく好きなのは会社で吠えるところ。晶も朱里さんの過去を知ってるからこそ社長のもとで一生懸命仕事をこなしてる朱里さんを誰よりも応援してて、朱里さんの頑張ろうって気持ちを誰よりも感じてて、目の前で見てて、だからこそ朱里さんが働けなかったことに対して1番悔しい、辛い思いをしてたと思うし、今までどんなことを言われても耐えてきた晶が初めて吠えたんだと思う。あそこのセリフは会社だけじゃなくて色々な場所で戦ってる人に刺さる言葉だと思ってるし、少なくとも私にはめちゃくちゃ刺さったからこそ本当に大切なシーン。あそこで晶のセリフを聞いた上で周りのみんなが黙ってたのが信じられなかったけど、松任谷さんの"自分が平和ならそれでいいって私のことだったから。"ってセリフを聞いた時にはすごく納得した。晶が会社を出たあと、無意識に(?)恒星さんのところに行って、恒星さんも恒星さんで爆弾を投げようとして投げられなくて、同じように喪失感を感じてる2人が惹かれ合うシーンは私の中では1番美しいシーンだなって思ってる。恒星さんに縋り付く晶の手が本当に大好き。あそこに愛があるかって言われたら正直分からないけど、でも今まで理性で動いてきた人が、弱りきった2人が、ただただその時の気持ちだけでお互いを求め合うところが、人によっては都合のいい関係とか勢いでって思ってしまうんだろうけど、私には本当に美しく見えた。

最終回
最終回で一つだけ文句があるとしたら(言い方)BluRayには入ってたけど放送はされなかったシーン。なんでお互いあの日の夜を後悔してるかってところがBluRayには入ってて、正直そこが1番大事じゃない?って私は思ってしまったけど、でもそこがなくても十分好き。最終回は語りたいところしかないけどでも特にって言われたら晶が退職願を出すところが1番好き。"私は社長の下で働く人間です。人間だから、嬉しかったり悲しかったり、間違えたりもします。もう限界だって、思ったりもします。""自分を殺して、本当に死んでしまう前に、辞めます。"ってセリフが本当に刺さった。今までの晶とか朱里さんとかを見ていつ死んじゃうか分からない儚さがあって、それぞれに葛藤があって、だからこそ出たセリフだと思うし、晶が言うからこそ観てる人達みんなに刺さったんじゃないかなって勝手に(勝手に)思ってる。少なくとも私は今はそこまでの経験がないけど、大人になって晶みたいな経験をすることがあったら絶対にこの言葉に励まされるだろうし、救われるんだろうなって思ってる。
晶と恒星さんの関係は最後まで本当にくっついたかどうかは分からないし、野木さんも意外と恋は始まってないんじゃないかって仰ってたからこそよく分からない部分はあるけど、恒星さんから電話が来た時に無意識に晶が笑顔になってたり、"鳴らなくても、聴こえなくても、一緒にいることってできるのかな?"ってセリフだったり、恋愛感情かは分からないけど、9話で恒星さんが言ってたように人間としてお互いを必要としてて、これからも一緒にいたいと思ってるのが伝わってきたからこそ個人的には今まで観てきた作品の中で一番美しいラストだと思ってる。

死ぬほど長くなりましたがとりあえずけもなれは私の中で唯一無二の作品です。リアルすぎるからこそ辛くてみてられないって声もあったけど、それでも私にとってはこれからもずっと1番の作品だと思ってるので、沢山の人に届いて欲しいし、観たよって方はぜひ声掛けてください!!!!とりあえず私は新垣さんのおかげでこの作品に出会えて人生変わったと言いきれるくらいにこの作品が好きです。はい。

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