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ゆういち8歳① 裏庭の秘密基地


ゆういち8歳。
小学3年生の頃のお話その1。

裏庭の基地

また引越しをした。

新しい家は、一戸建て

家の前には土手があって
その向こうには大きな川が流れている。


裏庭。

裏庭にはお父さんが作った倉庫がある。
倉庫の中には仕事で使う機材がたくさん。


裏庭に基地を作る。

倉庫の本棚を組みわせて作った小さな隠れ家。

「家出する時は、明かりが要るなあ。」

倉庫にはなんでもある。

電球を見つけた。

「でも、コンセントがないなぁ。」

(きみがえんちょうしたコードの分だけ、せかいはひろがる)

「よし。」

線をつなぎ合わせる。

裏庭から

玄関を通って

応接間へ

応接間のコンセントのところまで線を引っ張ってきた。

線をつないだだけなので

差込口はソケットではなくただの線。

電気を通すためその線をコンセントにさす。

その瞬間家の電気が一瞬消え
コンセントから火花が出た!

手の平が焦げた!

「どしたん?」

お母さんが飛んできた

ゆういちは手を隠し
「どうもせんよ。」
と答えた。




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