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世界平和が目標と正面から言えるかっこよさ Lunch#83 須田小百合さん

そう言えば小さい時に、私は世の中の不平等や貧困や戦争のニュースを見ては、怒り、悲しむような子どもでした。

もしかしたら、それが誰もが経験する子ども時代なのかもしれません。どちらにしても、その怒りや悲しみを、大人になっても持ち続けている人をあまり知らないのも、悲しいけれど、事実です。

それでも、須田さんは、人生の目標を世界平和と言ってくれました。それも照れやかぶりもなく。そんなかっこいい須田さんのポイントはこちら。

・いつの間にか身につけていた偏見
・痴漢撲滅とビジネス
・みんなで目指す世界平和

まずは、いつの間にか身につけていた偏見、です。


世界平和を目指す、その思いは、須田さんは小2からガールスカウトに入り、その活動の一環で、ユニセフの募金活動の呼びかけなどもしていました。

小学生ながら、須田さんが感じたのは、同い年の子が食べることができない、生きることができない、そんなのは嫌だ、という素直な感覚でした。

そんな子どもたちを絶対助けたい。と思うようになったのです。

それと同時に、この時まで自分がその世界にを知らなかったことに衝撃を受けたのも事実でした。そして、須田さんは英語を身につければ、見えない世界が減るんじゃないかと考えて、英語の勉強にもハマっていきます。


その思いを持ち続けて、中学3年生の時でした、フィリピンでの教育ボランティアに参加したのでした。

そして、そこで見た光景が須田さんに大きなショックを与えます。
現地の人たちが、何に困って、何を欲しがっているのかがわかっていなかった。

改めて英語も含めて、もっと世界を広げないといけない、そう感じたのでした。


そのあと、オーストラリア留学でも英語をさらに磨き、高校2年生の時には、アメリカのサンディエゴへと1ヶ月の留学へ。

サンディエゴに到着して、学生寮に入って須田さんはあることに恐怖を覚えます。それは、ルームメイトが中国人だということにでした。


小さい頃から、ユニセフの活動を手伝ったり、フィリピンやオーストラリアへの留学をしてきた須田さんでしたが、中国人に対してはなぜか偏見を持っていたのでした。

中国人とは怖い人たちだ、と。

中国人という存在にドキドキしながら、部屋にいた須田さん、帰ってきた中国人ルームメイトとの初対面。何を話したらいいのかわからず、どぎまぎ。

しかし、そのような緊張や怖さも、そのすぐ後には、無くなっていました。というのも、お互いにAKB48のことが好きで、その話で大いに盛り上がったそうです。


そして、この経験を踏まえて須田さんは自分の持っていた怖さについて改めて考えてみたのでした。

なぜ会ったこともない中国人のことを怖いと思っていたのか。

それを考えたときにたどり着いたのは、無意識にメディアや教育によって自分の中でフィルターを通していろんなものを見てしまっていたのでは、という考えでした。

この経験を通して見ず知らずの偏見やラベリングの恐ろしさに気付いて、フィルターを通さずに一人一人個人として接していくことを決めました。


次は、痴漢撲滅とビジネス、です。


現在、須田さんは、慶應大学のSFCの学生さんなのですが、自分自身の研究と、さらにはビジネスを通じて、世界平和を目指そうと努力をされています。

たとえば、研究室では、老人ホームで生活している人たちの「健幸」について研究をしています。老人ホームに入ると、もともと元気で活発だった人が、なぜか元気が無くなっていくことについて、「健幸」という観点から、ヘルス・コミュニケーションの研究をされているそうです。

そのほかにも、村井純さんという日本のインターネット史の中でも、最重要人物の一人である研究者の授業アシスタントをしながら、インターネットを使った痴漢撲滅のシステムを考えたりしています。


具体的には、このアイデアは、ソフトバンクの新規事業を考えるインターンプログラムに参加した時に形にしたそうです。

就職活動を間近に控えた3年生がほとんどの中、1年生として、このインターンに参加した須田さん。10チーム中の2チームに選び、より具体的なビジネスモデルを作るというステージに進めることになったのですが。

その中で、ステークホルダーを巻き込む難しさや、社会問題をマネタイズすることのジレンマを感じていたのだそうです。


痴漢発生率をデータ化して、それをシェアできるようにしたところで、いったい誰がお金をそのシステムに払うのかという問題が、須田さんの中で納得いく答えが出てこなかったようです。

ただ、その後、鉄道会社との共同研究という形で、痴漢撲滅のシステムは継続されているので、これからの展開が期待されます。


最後は、みんなで目指す世界平和、です。


須田さんにとって、世界平和を目指していく方法は、ビジネスとアカデミックだけではありません。

もう1つ、また別の方法も実践されています。

それが、歌です。


Nightribeというバンドでボーカルを務めている須田さん。正直、聞いた時にはランチをして明るく元気な須田さんと一致しないほどのギャップに驚きました。


須田さんは、大学入学してから音楽サークルに入り、人前で歌うようになったそうです。さらに、2年生になってからは、ライブバーで歌うようにもなって、そこで声をかけてもらい、このNightribeというバンドに加入。

そして、2019年9月に、このアルバムをリリースされたそうです。


世界中の人にメッセージを伝えることができる歌という表現で、ビジネス・アカデミックとは違う方法でも世界平和を目指している。

その想いの強さには、尊敬を覚えます。


また、最後に世界平和なんて難しいし、できないかもしれないですよね?という意地悪な質問をしてみたところ。

一人では無理です。

でも、自分ができないことは人に頼めばいいし、いろんな活動を通じて、たくさんの人が世界平和を目指すようになれば、いいと思っています。


という、とても素敵な返答をしてくれました。


2020.2.7 須田小百合さん
新宿にて

ここまで読んでいただきありがとうございます。 この世界のどこかにこうして私の文書を読んでくれている人がいる。それだけで、とても幸せです。 サポートしていただいたお金は、また別の形で素敵な人へのサポートとなるような、そんな素敵なつながりを産んで行きたいです。